先日もご紹介した
電気自動車開発技術展の"EVEX2012"では、急速充電器を搭載した移動急速充電トラック「Q電丸」が初公開された。万が一EVが外出先でバッテリー上がりに遭遇してもその場で急速充電できるという優れものなのだ。

この「Q電丸」を開発したのは自動車、建設車両用タイヤ、ホイール販売、メンテナンス等を手がけ、京都に本社を構える三輪タイヤである。この車両の開発背景は航続距離面が弱点とされているEVの普及を後押しすべく、安心してEVに乗れるように路上のガス欠ならぬ電欠不安を解消させてあげようというコンセプトがあるという。EV用のレスキュー車で"発電"、"蓄電"、"充電"機能を搭載した車両は世界初となるとのことだ。


「Q電丸」の発電機には永久磁石(ネオジウム磁石)と電磁石を組み合わせた新型のオルタネーター(HMG発電機)が採用された。通常の発電機では変動するエンジン回転に対応できず電圧制御ができなくなる弱点を克服し、実用化にこぎつけた。発電機のサイズは直径160mm、長さ244mm、重量18kgとコンパクトに設計されており、トラックのエンジンルーム内に荷台にはみ出すことなく設置されている。この発電機にはトラックの減速時に回生した電気エネルギーも無駄なく電気に変えられる機能も備えられている。


「Q電丸」には、GSユアサ製リチウムイオン電池14.5kVa(6個直列 290V-50A)を搭載されており、公称電圧44.4V、容量47.5Ahの大容量の電気をを蓄電することができる。蓄電池がフル充電の場合、車種によって異なるが、おおよそEV2台分の緊急充電(20~30km走行程度)が蓄電池だけで可能であるとのこと。日産リーフ」が24kWhで一般的な家庭の2日分の電気を賄えるとの話から考えると、蓄電池だけでは約1.2kWh(44.4×47.5)となるため家庭への給電には少々心もとないが、発電機能も搭載されているため、非常時の電源車としても威力を発揮するに違いない。なお蓄電に関しては走行中のエンジン駆動源としたオルタネーターの発電に加えて、太陽光や再生エネルギーによって発電された電気によっても充電可能である。


「Q電丸」の充電機は、日産リーフ」や三菱i-MiEV」等で採用されている"CHAdeMO規格"の急速充電に対応している。日産リーフ」の場合、通常の家庭用電源200Vでは8時間程度の充電時間がかかるところ、この急速充電器では30分程度で電池容量の80%程度を充電できる出力を持つのだ。そのため、この急速充電機は短時間で最寄の充電ステーションへまで行ける程度の充電を完了できてしまうとのことだ。

10月より、京都市とその周辺エリア(京都府南部、滋賀南部、大阪北部)などで有料出張充電サービスを始める
「Q電丸」はタイヤチェンジャー等も搭載することが可能で、普段は出張タイヤサービスカーとして、緊急呼び出し時はレスキューカーとして無駄なく活用できる優れものなのだ。EV普及が一段落している中、「Q電丸」がEV普及の鍵となるのか注目して行きたい。

Related Gallery:Esoterism Moat2 iPad 2 Case 動手玩(Hands-on)

【PR】日産リーフの購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べよう!