2時間を超えるタフで長いレースとなった、2012年F1第14戦シンガポールGP決勝リポート!
2012年F1第14戦シンガポールGP決勝レースが23日、マリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで行われた。昨夜お知らせした結果速報に続いて、レースのリポートをお届けしよう。

前日の予選では、マクラーレンルイス・ハミルトンがポール・ポジションを獲得。2番手にはウイリアムズのお騒がせ男パストール・マルドナドがつける。フリー走行から好調だったレッドブルセバスチャン・ベッテルは第3ラウンドで「最後、まとめることが出来なかった」とのことで3番手。その隣にマクラーレンのジェンソン・バトンが並ぶ。チャンピオンシップ・ポイント首位を走るフェラーリフェルナンド・アロンソは5番グリッドから表彰台を狙う。ザウバーの小林可夢偉はシンガポールに来て大苦戦。マシンがまったく決まらないという中で、今年初めて予選第1ラウンドで敗退。18番手タイムに終わったが、1つ上のウイリアムズのブルーノ・セナがギアボックス交換によるペナルティから5グリッド降格となったため、17番グリッドからレースに臨む。



そして日曜日、シンガポールGPは毎年恒例のナイト・レースのため、現地時間午後8時という遅い時間に(日本時間午後9時)決勝レースがスタート。この市街地コースはまず最初に左、右、左と切り返す連続コーナーが迫る。ベッテルはその進入でマルドナドを攻め、2つ目のコーナーでアウト側に並び、そして3つめの左コーナーでイン側を獲るとオーバーテイク。アウトいっぱいにはらんだマルドナドの横を、ベッテルに続いてバトンもすり抜けていく。アロンソは5番手をキープ。以下フォース・インディアのポール・ディ・レスタ、レッドブルのマーク・ウェバー、ロータス・ルノーのロマン・グロージャンが、グリッド順に続く。小林可夢偉はポジションを2つ下げ、19位だ。



1周走り終えたところで、フェラーリのフェリペ・マッサがピットへ戻ってくる。タイヤがスロー・パンクチャーを起こしたらしい。今シーズン残りレースの活躍に来季の去就が掛かるマッサは、最後尾まで落ちてどこまで追い上げられるか。

レースが5周目を迎える頃、1位ハミルトンと2位ベッテルの差は1.5秒。3位バトンはさらに5秒も遅れている。予選から見られたことだが、今回のレースはハミルトンとベッテルの2人だけが驚異的に他よりも速いのだ。

8周目を終えたところで、まずウェバーがタイヤ交換のためにピットへ。

10周目、タイヤが消耗してきたのかベッテルが僅かにミスしたことによりハミルトンとの差が2.8秒に開く。後ろから迫るバトンとの差は1.5秒程度に縮まった。後方では小林可夢偉が、スタートで抜かれたマルシャのティモ・グロックがコースオフしたところを抜き返す。

この周を走り終えてベッテルはタイヤ交換のためにピットへ向かう。次の周にはアロンソ、さらに1周後にトップのハミルトン、13周目を走り終えた時には4位走行中のマルドナドもピットへ戻りタイヤを交換する。上位陣ではバトンが最も引っ張って、14周目を終えてからピットへ向かう。



これで順位は、1位ハミルトン、2位ベッテル、3位バトン、4位マルドナド、そしてまだタイヤを交換していないフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグと、ザウバーのセルジオ・ペレスが続き、アロンソは7位。以下ディ・レスタ、ウェバーと続く。

15周目、アロンソがペレスをパス。それからやや間があって17周目にやっとヒュルケンベルグを抜いて、5番手のポジションを取り戻す。

今回のレースはタイヤ交換を3回行うか、それとも2回で済ませるかによって作戦が分かれる見込みだ。19周目を終えたところで、「2ストップ作戦(2回で済ませる作戦)」と思われるヒュルケンベルグとペレスもタイヤ交換のためにピットへ向かう。

23周目、ここまでトップを快走していたハミルトンにまさかのトラブルが発生。コーナーの立ち上がりでギアが入らずニュートラル状態に。スローダウンしてマシンを止める。ギアボックスを制御する油圧系のトラブルらしい。後ろを走っていたベッテルの車載カメラには、ストップする寸前にオイルを漏らしているハミルトンのマシンが映っていた。手痛いノー・ポイント。



28周目を終えたところでウェバーが2回目のタイヤ交換。次の周にはアロンソとマルドナドもピットへ戻りタイヤを換える。そのままの順位でコースに復帰した後、アロンソはマルドナドの前へ出ようと勝負を仕掛けるが、抜くことが出来ない。

33周目、HRTのインド人ドライバー、ナレイン・カーティケヤンのマシンがフェンスに激突。壊れたマシンを撤去するため、セーフティ・カーが出動する。これは「3ストップ作戦」を採るドライバーたちがちょうど2回目のタイヤ交換をしなければならないタイミングでもあった。ベッテル、バトン、ディ・レスタらが続々とピットへ。5周ほど前に換えたばかりのマルドナドもピットへ向かい、「スーパー・ソフト」という軟らかめのタイヤから、「ソフト」と呼ばれる硬めのタイヤに戻す。先ほど同じ時に交換したアロンソや、2ストップ作戦のヒュルケンベルグ、そして2周前にタイヤ交換を済ませたばかりの小林可夢偉はコース上に留まる。

ところがここで、マルドナドに油圧系の問題が発生しているためピットに戻れとチームから指示が。ガレージにマシンを入れたマルドナドはマシンを降り、そのままリタイヤ。今日は彼自身のせいではない。



38周目の終わりにセーフティ・カーがコースから戻り、レース再開。この時の順位は1位ベッテル、2位バトン、3位アロンソ、4位ディ・レスタ、5位ヒュルケンベルグ、6位ウェバー、7位ペレス。小林可夢偉は18位。リスタート時にブレーキングで後続を牽制するベッテルに、思わずバトンは無線で抗議の言葉を発する。

39周目、12位を走っていたメルセデスのミハエル・シューマッハが、ブレーキングでタイヤをロックさせ、前を走っていたトロロッソのジャン・エリック・ベルニュに追突。両者その場で壊れたマシンから降りる。謝罪する43歳のシューマッハに対し、「気にするなよ」とばかりに彼の肩を叩く22歳のベルニュ。レース後、この件は審議に掛けられ、シューマッハには次戦日本GPで10グリッド降格というペナルティが科せられた。



この事故で再びセーフティ・カーが出動。この間に、ウェバー、ヒュルケンベルグ、ペレスらがピットイン。

42周目の終わりにセーフティ・カーがコースから出てレース再開。このとき12位を走行していた小林可夢偉は、43周目にケータハムのヘイキ・コバライネンを抜いて11位へ。可夢偉の後ろには、先ほどタイヤを交換したばかりのウェバー、ヒュルケンベルグ、ペレスらが追ってくる。



49周目、ヒュルケンベルグとペレスが接触。両者のマシンからパーツが飛散する。50周目にはウェバーが可夢偉をパス。続いてヒュルケンベルグも可夢偉を抜こうとして、今度はこの2台が接触。フロントノーズを壊した可夢偉と、タイヤを傷めたヒュルケンベルグはピットへ戻ってマシンを修復。諦めずにコースに復帰したが、せっかくポイント獲得までもう少しという順位まで上げて来ていた可夢偉は、再び17位までポジションを落としてしまう。レース後に、ヒュルケンベルグは可夢偉に謝罪したそうだ。

2度のセーフティ・カー出動により、レースは2時間を超過。ルールにより規定の61周から短縮され、59周でチェッカーフラッグが振られる。結局、3回のタイヤ交換を予定していたドライバーたちの多くは、セーフティ・カー先導による周回と短縮された周回数のため、2回で済ませてしまった。



優勝はヘルメットに青いLEDの電光を仕込んでナイト・レースに臨んだセバスチャン・ベッテル。シンガポールでは2年連続で勝ち星を挙げる。2位は硬めのソフト・タイヤの感触があまり良くなかったというジェンソン・バトン。運にも助けられたフェルナンド・アロンソが3位に入りチャンピオンシップ・ポイント首位を守った。小林可夢偉は終盤で13位まで順位を上げたが、ポイント獲得までは届かず。とにかくコースによって得手不得手がはっきりと現れるザウバーのマシン。可夢偉の得意な鈴鹿には、マシンの特性も合っているはず、と信じて2週間後を期待したい。




最終的なレースの結果順位は以下の通り。

優勝 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
2位 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
3位 フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
4位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
5位 ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
6位 キミ・ライコネン(ロータス・ルノー)
7位 ロマン・グロージャン(ロータス・ルノー)
8位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
9位 ダニエル・リカルド(トロロッソ・フェラーリ)
10位 マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
11位 セルジオ・ペレス(ザウバー・フェラーリ)
12位 ティモ・グロック(マルシャ・コスワース)
13位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
14位 ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア・メルセデス)
15位 ヘイキ・コバライネン(ケータハム・ルノー)
16位 シャルル・ピック(マルシャ・コスワース)
17位 ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT コスワース)
18位 ブルーノ・セナ(ウイリアムズ・ルノー)
19位 ヴィタリー・ペトロフ(ケータハム・ルノー)

鈴鹿サーキットで開催される日本GP決勝レースは、10月7日の午後3時スタートだ。


Related Gallery:2012 F1 Singapore Grand Prix

Image Credit: Robert Cianflone, Paul Gilham, Clive Mason/Getty | Dita Alangkara, Ng Han Guan, Wong Maye-E, Mark Baker, Bryan van der Beek/AP | Sauber Motorsport AG


【プレゼント企画】Facebookのいいね!を押してランボルギーニやポルシェのミニカーを当てよう!!

【PR】新車に買い換えをご検討されるなら!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べてみよう!