BMW、横置き3気筒エンジンで前輪を駆動+モーターによる後輪駆動のPHVコンセプトを発表!
BMWは、23日から始まるパリ・モーターショーにプラグイン・ハイブリッドカー「BMW コンセプト・アクティブ・ツアラー」を出展すると発表。名前の通り現段階ではコンセプトカーだが、将来市販化が期待される「プレミアム・コンパクト・カー」であり、フロントに搭載される1.5リッター直列3気筒ターボ・エンジンは、なんと前輪を駆動するという。

今回発表されたBMW コンセプト・アクティブ・ツアラーは、予てから噂のあったBMWブランド初のエンジン横置き前輪駆動車として市販化が期待される「プレミアム・コンパクト」クラスのモデル。正確に言えば電気モーターが後輪を駆動するので4輪駆動だが、エンジンによる駆動は前輪のみだ。



新開発された直列3気筒ガソリン・エンジンは、「535i」などのモデルに搭載されている直列6気筒ツインパワー・ターボ・エンジンから派生したユニットだそうで、高精度ダイレクト・インジェクションや、スロットルバルブを使わずに吸気バルブを無段階可変制御することで出力を調整するバルブトロニックなど、お馴染みの技術が採用されている。また、バランサー・シャフトによって振動モーメントを完全に相殺しているため、低回転でも極めてスムースに作動するという。3気筒といえば付きものの騒音・振動について、BMWはかなりの自信を持っているようだ。さらにBMWによればその排気音は「極めて快活でスポーティ」とのこと。その理由として「3気筒エンジンは4気筒に比べてサウンドの周波数が50%高いから」と説明している。

この新開発された3気筒エンジンは1気筒あたり500ccのモジュラー設計ユニットであり、2.0リッター4気筒、3.0リッター6気筒に発展することが考えられている。



そしてこのエンジンと「完璧な協調動作を実現」するという電気モーターは、220Vの家庭用電源で充電可能なリチウムイオン・バッテリーを電力として後輪を駆動する。フル充電された状態から電気のみによる最大航続可能距離は30km以上、日常的な走行で20km以上は楽に走れるというから、市街地などにおける近距離の移動は、ほぼ電気のみで(つまり、ゼロ・エミッションで)走行できるというわけだ。床下に搭載されたリチウムイオン・バッテリーは減速時に発生するエネルギーを回収して電力として蓄え、あるいはエンジンを回せばオルタネーターによって再充電される。また、エンジンで走行中に力強い加速が必要なとき、この電気モーターは「ブースト機能」として働き、エンジンを後押しする役目も果たすという。「駆け抜ける喜び」を標榜するBMWは「エコ」のためだけに電気を使わないのだ。



この1.5リッター直列3気筒ターボ・エンジンと電気モーターは、合計で190ps以上の最大出力と、20.4kgmという最大トルクを発揮。BMW コンセプト・アクティブ・ツアラーに搭載された場合で、0-100km/h加速は8秒以下、最高速度約200km/h、そして平均燃費はなんと40km/リッター以上と発表されている。この驚異的な省燃費は、市街地でほとんど燃料を消費しないからこそ実現できる数値。ちなみに同じプラグイン・ハイブリッドで一足先に市販化されているトヨタの「プリウス PHV」は、JC08モードで61.0km/リッターを記録する。



BMW コンセプト・アクティブ・ツアラーでは、さらにソフトウェア的にも燃費を向上させる技術が色々と採用されており、ドライブモード切り替えスイッチを「ECO PRO」モードに設定すれば、室内のエアコンディショナーやその他の快適性関連の機能が消費する電力を抑制するというストイックなものから、ナビゲーション・システムと連動して道路データに基づく「予測運転ストラテジー」を計算し、電気駆動部の効率を最適化したり、ドライバーに「アクセル・ペダルを戻してください」と指示する近未来的な機能も搭載。さらにユニークなものとしては後部座席の乗員のために「Seismic Surf」というiPad用のゲーム・アプリを配布し、リアルタイムでエコなドライビングを競い合うというものまで用意されている。これは実際に走行中の加速度、エンジン回転数などのデータを活用するというドライビング・ゲームで、実車のドライバーがスポーティに走れば後席乗員がプレイするゲームの難易度は高くなり、慎重に走ればゲームは簡単になるというものらしい。ネットワークを通して他のプレイヤーたちと競い合い、「効率的な運転を心掛けるドライバーと後席のプレーヤーとの緊密な協力」によって「表彰台」を目指すというものだとか。後席でゲームに熱中するお子様のためには、丁寧な運転にならざるを得ず、そうすれば燃費が向上して家計も助かるという、なかなか秀逸なアイディアではなかろうか。



今回発表されたBMW コンセプト・アクティブ・ツアラーの車体サイズは、全長4,353mm × 全幅1,834mm × 全高1,560mm。ホイールベースは2,670mm。市販されたら直接のライバルとなりそうな「メルセデス・ベンツ Bクラス」とは、車幅を除けばほぼ同じ大きさで、12mm長く、49mm幅広く、20mm高く、ホイールベースは30mm短いということになる。わざわざ横置きエンジンの前輪駆動を採用しただけあり、キャビンやラゲッジ・スペースは「広く確保」されているそうだ。



エコや動力性能に直接関係ない機能としては、2枚のガラスの間に挟み込まれたフィルムに電気をかけることによって透明度を無段階で変化させられるパノラマ・サンルーフ「クール・シェイド」や、高解像度フルカラーのヘッドアップ・ディスプレイなど、これまで高級車だけに搭載されていた装備が、このクラスに "降りて" きた。市販される際にはどれだけ採用されるか(また、オプション価格がいかほどになるか)は不明だが、流石に「プレミアム・コンパクト」を謳うだけのことはありそうだ。



BMWによれば、「今後10年間で、プレミアム・クラスのスモール・カーおよびコンパクト・カーは年率最大5%の成長が見込まれている」とのこと。そのため、BMW コンセプト・アクティブ・ツアラーは「BMWブランドおよびBMWモデル・ラインナップの継続的開発の道筋に重要な一石を投じるモデル」となるという。つまり、プラグイン・ハイブリッドが同時に採用されるかどうかは別として、エンジンを横置きする前輪駆動のBMWは市販化されることがほぼ間違いないと見てよいのではないだろうか。「BMW eDrive」と名付けられたプラグイン・ハイブリッド・システムは、2013年発売を目指しているといわれる「i8」に搭載されて(エンジンとモーターは前後逆になるが)世に出る予定となっている。量産効果を期待するなら、"スーパーカー" に属するi8だけでなく、プレミアム・コンパクト・クラスの新型量産車にも1つのバリエーションとして採用される可能性は高そうだ。そして3気筒エンジンの方はというと、こちらは当然ながらMINIファミリーにも採用される見込み。縦置きも可能なので、「1シリーズ」にも積まれるらしい(すでにこれを搭載する1シリーズのプロトタイプが公開されている)。



BMWの近い将来における戦略を予測する上で、極めて重要なモデルとなりそうなBMW コンセプト・アクティブ・ツアラーは、9月27日に開幕するパリ・モーターショーで一般公開される予定だ。






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