かつてF1世界ラリー選手権などでトヨタのモータースポーツ活動を前線部隊として支え、現在ではル・マンに出場するハイブリッド・レースカーなどの開発を行うTMG(トヨタ・モータースポーツ有限会社)は21日、ヨーロッパで「GT86」と呼ばれているFRスポーツカー「86」の エントリー・レベル向けレース仕様車を発売すると発表した。「整備が簡単で維持費も安く、非常に楽しめるレースカーとして仕上げた」そうだ。

この「TMG GT86 CS-V3」と名付けられたレース仕様86は、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットで開催されている「VLN シリーズ(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)」のV3クラス(自然吸気1,800cc~2,000ccクラス)に合わせて開発されており、DMSB(ドイツ・モータースポーツ協会)による認定を受けることで、他の多くの市販車ベースのレース・シリーズに参戦できるという。



TMGによって補強されロールケージが入れられた車体は、レースに不要な装備を取り除き、規定車両重量(V3クラスは1,130kg以上と決められている)の範囲内で重量配分を最適化。サスペンションとブレーキ、排気系が競技用パーツと交換されている。触媒はDMSBの規定を満たすものが付いていなければならず、ABSの制御ユニットは外されているはずだ。足元は白く塗られた17インチ・ホイールに、24/61サイズ(トレッド幅24cm × 外径61cm)のレーシング・スリックを履く。コクピットにはFIA公認のOMP製バケットシートと6点式フルハーネス・シートベルトを装着。ステアリング・ホイールは標準パーツのままで、イエローのセンター・ラインが入ったレザーが巻かれているだけのようだが、この辺りはドライバーの好みで交換することが出来る。最高出力200psと最大トルク20.9kgmを発揮する水平対向4気筒エンジンや6速マニュアル・ギアボックスは手付かず(ノーマル)のままだ。

V3クラスのライバルは、まず「ホンダ シビック タイプR」が現在の最強マシン。他に「ルノー・クリオ(日本名ルーテシア)」などがエントリーしている。それら前輪駆動のクルマと比べると、後輪駆動であることが86の大きなアドバンテージになるだろう。

TMGの木下美明社長は次のように語っている。

「私たちは、モータースポーツに対する情熱を出来るだけ多くの人たちと共有したいと思っています。だからこのクルマを開発しました。このTMG GT86 CS-V3は既に、ニュルブルクリンク24時間レースのV3クラスで優勝できる仕様になっています。近い将来、サーキットでたくさんのGT86が競い合う光景が見られることを期待していますhttp://cms.aol.com/485/content/posts/edit/20306256/。このトヨタ GT86というクルマは、市販車ベースのモータースポーツ参戦に最適な車両です。ノーマルでもすでに見た目がカッコイイし、一流のハンドリング性能が備わっていますから。その性能をさらに引き上げ、安全装備を追加し、本当にエキサイティングで競争力の高いクルマが、大変手頃な価格で実現できました」



このクルマの開発にはもちろん、今年のニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝した実績と経験が生かされている。そしてさらに、2013年から日本で始まるワンメイク・レース「GAZOO Racing 86 Race」用の車両にもそれは受け継がれるはずだ。

TMG GT86 CS-V3の価格は、税抜きで3万8,500ユーロ(約380万円)。ドイツで販売されている(ロードカーの)GT86は、日本仕様の「GT」グレードに「GT "Limited"」用リア・スポイラーを標準装備したものに近く、2万9,990ユーロ(約296万円)という価格で販売されている。来年トヨタテクノクラフトから発売されるという「86レース専用車両」の値段を想像するときの参考になるかも。

余談だが、ドイツのケルンにあるTMGのファクトリーは、電話またはEメールでアポイントメントさえ取れば、クライアントはもちろんポテンシャル・クライアント(潜在的顧客)でも見学可能だとか。ドイツ旅行を計画されている方は、有名なケルン大聖堂を観光されるついでに足を伸ばしてみては? ケルン中央駅から約10km、タクシーなら20分、料金は20ユーロ(約1,980円)だそうだ。

Source: TMG Toyota Motorsport BmbH

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