アメリカの自動車情報サイト「レフトレーン」が報じるところに寄ると、ルノーアルピーヌ・ブランド復活のために、「セヴン」の製造販売で知られるイギリスのケータハムと手を組むことを考えているようだ。

アルピーヌといえば、ルノー車をベースに優れたスポーツカーを作り上げ、主にラリーの分野において数々の栄光を収めたフランスのコンストラクター。名車「A110」は1973年から始まった世界ラリー選手権の初代チャンピオン・マシンに輝いている。

片やケータハムといえば、ロータスから「セブン」の製造権を譲り受け、これを独自にそして過激に発展させて来た、バックヤード・ビルダーと呼ばれるイギリスの小規模メーカー。最近では「SP/300.R」というサーキット専用車両も開発し、「レーシングカーに最も近いスポーツカー」を作り続けている。

両ブランドには、モータースポーツの裾野を広げるクルマ作りや、その手法として量産車のコンポーネントを流用しながら、軽量さを最大の武器とするスポーツカーの開発を得意とすることなど、共通点が多い。



1973年にルノーの傘下となったアルピーヌは、1990年代までその名を冠したスポーツカーを作り続けていたが、1995年に「A610」というモデルが生産終了すると、アルピーヌの名前は事実上消滅。ファクトリーは「ルノー・スポール」としてルノーのモータースポーツおよび高性能モデル開発を手掛けてきた。

一方のケータハムは、2011年、マレーシア人の実業家で当時「チーム・ロータス」という名前でF1に参戦するチームを率いていたトニー・フェルナンデスによって買収される。そのF1チームが「ケータハム F1チーム」と改名したことから、現在ではF1コンストラクターの一員としてその名前が掲げられている。



そして2012年、ルノーはこのアルピーヌの名前を再び復活させることを計画。それを宣言するかのように(またはアルピーヌ・ブランドに対する市場の反応を探るかのように)「ルノー・アルピーヌ A110-50」というコンセプト・カーが発表されたことは、以前お伝えした通りだ。

さて、ここからが今回の本題。フランスのスポーツ紙「レキップ」によると、当初ルノーは、この復活させたアルピーヌ・ブランドで発売する市販スポーツカーの開発に、やはり軽量スポーツカーを得意とするロータスの手を借りようとしていたらしい。ところが最近、ロータスでは2009年からCEOを務めていたダニー・バハールが解任され、また親会社のプロトンが会社を売却するという噂も絶えず、こうした経営陣のゴタゴタや不透明な将来性を嫌ったルノーはこの協業案を破棄。ロータスに代わって、トニー・フェルナンデスのもとで経営が安定しているように見えるケータハムを、その相手に指名したというのだ。

ケータハムにとってもこの話は渡りに船。この先、会社を拡大して行くためにはセブン以外の主力モデルがどうしても必要。しかしその開発には莫大な費用が掛かる。ルノーと共同で新型スポーツカーが開発できれば、それをアルピーヌの名前で発売すると同時に、自社ブランドで販売するニュー・モデルとしてラインアップに加えることが出来るからだ。



すでにルノーとケータハムは、F1のエンジン供給において協力関係にある。そういう意味でも話は早いのかも知れない。ルノーのカルロス・タバレスCOO(最高執行責任者)は、今年5月にフランスを訪れたトニー・フェルナンデスと、その件について話し合ったことを認めているという。タバレスCOOによれば、アルピーヌ復活に関しては今年中に決定を下す、とのことだ。

「レフト・レーン」の記者は、この復活するアルピーヌはA110と同じような軽量でリア・エンジンのスポーツカーとなり、3万5,000ユーロ〜4万ユーロ(約337万円〜385万円)という価格が付けられるだろう、と書いている。まあ、ベース車がリア・エンジンだったA110の時代ならともかく、現在ならリア・ミドシップが妥当であろう。ちなみにイギリスでは、ケータハム・セブンの高性能モデル「CSR」が4万4,995ポンド(約552万円)からとなっている。それを考えると、アルピーヌはもう少し高くなりそうな気もするが...。



もしこの計画がまとまれば、新しいアルピーヌは、イタリアの「アルファ ロメオ 4C」に、フランスとイギリスが共同で対抗するモデルとなりそうだ。これらの他にも、ルノーに袖にされたロータスでは「エリーゼ」から「エヴォーラ」まで各種揃い、さらにアルファ ロメオ4Cとの関係が囁かれている「KTM X-BOW」には、より常識的なルーフとドアを装備するモデルが近々登場するという。数年後のヨーロッパでは、500万円級の軽量ミドシップ・スポーツカーが熱い時代を迎えそうだ。

【Source: LEFTLANE

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