BMW M社がこんなものを作っていた!コンパクトなオープン2シーター「Z3」にV型12気筒を搭載!
BMWのモータースポーツ活動および高性能モデルを手掛けるBMW M社は、コンパクトなロードスター「Z3」のフロント・ノーズにV型12気筒エンジンを詰め込んだプロトタイプ車両の写真をFacebookで公開した。

BMWが1996年から2002年まで製造していたZ3は、E36型と呼ばれる3代目「3シリーズ」のシャシーをベースに(正確にはリア・サスペンションがセミトレーリングアームの「3シリーズ・コンパクト」)、ロング・ノーズ/ショート・デッキという古典的なスタイルのオープン2シーター・スポーツカーとして仕立てたモデル。もちろんその誕生には、1989年に発売されると世界的大ヒットとなったマツダの「ユーノス・ロードスター」による影響が窺える。



BMWの本国ドイツではなく、アメリカ・サウスカロライナ州に新設された工場で生産されたことからも分かる通り、Z3は最初から主に北アメリカ市場を狙って開発されたモデルだった。そのため、エンジンはユーノス・ロードスターが搭載していた1.6リッターよりも余裕を感じさせる1.9リッターの直列4気筒を採用。後に2.8リッター直列6気筒を積む上級仕様を追加し、さらに4気筒モデルは2.0リッターを経て2.2リッターへ、6気筒モデルも3.0リッターまで拡大された。

BMWのモータースポーツ活動を請け負うと同時に、量産車をベースとした高性能モデルの研究開発を行うBMW M社は、この6気筒エンジンを搭載したZ3でも満足しない顧客のために(または同時期に発売された「ポルシェ・ボクスター」に対抗するために)、3シリーズの「M3」に相当する「Z3のMモデル」の開発に取り組む。その際、彼らが選んだ高性能化の手法とは、僅か140psの1.9リッター・エンジンで始まったZ3の車体に「排気量1リッターあたり100馬力超」を誇るM3用の3.2リッター直列6気筒を搭載してしまうことだった。この "Mが手掛けたZ3" は「Mロードスター」と名付けられ、1998年、クーペ・ボディの「Mクーペ」と共に発売された。



ところが、彼らはそれ以上のパワーをZ3に与えることさえ考えていたということが、つい最近になって明らかになった。

8月6日にFacebookで写真が公開されたプロトタイプは、Mロードスター&Mクーペの開発時期に前後して製作された車両と見られ、ボンネットの下には驚くべきことに、E38型3代目「7シリーズ」やE31型「8シリーズ」、さらにロールス・ロイスの「シルヴァー・セラフ」でも採用されていた5.4リッターV型12気筒が押し込まれている。日本仕様の「750iL」では最高出力326psと最大トルク49.9kgmを発揮したこのM73型エンジンが、全長4,035mm × 全幅1,740mm × 全高1,265mm(Mロードスターの数値)というコンパクトな車体に積まれているのだから、さぞかし強烈なドライビングを味わえるに違いない。



このV12搭載のZ3がどのような目的でBMW Mによって製作されたかについては、Facebookページでも明らかにされていない。セミトレーリングアームの後脚を持つZ3のシャシーが、大トルクにどれだけ耐えられるか(または耐え切れないか)を実験したのかも知れないし、あるいは某国の大富豪からワンオフで注文を受けたが、何らかの事情により引き渡しされなかったのかも知れない。エンジン・ルーム以外は市販車と変わらないように見えるので、レース出場を目指して作られた、というようなことは考えにくい。ひょっとしたら、ショー・カーとして製作したけれど、前後重量配分は50対50でなければならぬという信念を持つBMW本社から「待った」が掛かったのではないだろうか...なんてことまで想像は膨らむ。案外、BMW Mのスタッフが、ただ作ってみたかっただけ、だったりするのかも。



今でも、BMW Mがこんなクルマを作っ(てしまっ)た時と変わらぬ気質を持ち続けている集団であるならば、直6あるいはV6にツインまたはトリプル・ターボを採用すると言われている次期型M3も、きっとクルマ好きの期待を裏切ることはないだろう。発表は来年3月のジュネーブショーか、それとも10月のフランクフルトショーか。東京モーターショー 2013の会場で見ることが出来たら嬉しいのだが。

【Source: BMW M Facebook

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