イタリアの
イタリア料理といえば高級リストランテだけでなく、大衆食堂のパスタやピッツァにも絶品のものがあるように、彼らの生活に根差した実用車には、「芸術品」の域に達したフェラーリとはまた違った、「道具」として魅力的なクルマが多い。「プレミアム」な欧州製小型車にはどうもピンと来ないという方々のために、フィアットから発表されたばかりの「超」が付く実用車をご紹介しよう。初代は日本でもかなりの人気を博したけれど、2代目になってどことなく影が薄くなり、3代目の現行モデルは未だ輸入されていないイタリアの小型車、「フィアット・パンダ」の、しかも "プロフェッショナル御用達" バージョン、「パンダ・ヴァン」である。

2011年のフランクフルト・モーターショーで発表された3代目フィアット・パンダは、全長3,650mm × 全幅1,640mm × 全高1,550mmというサイズのコンパクトなハッチバック。「フィアット 500」より少しだけ大きいが、価格帯はそれより下に位置する。どちらかといえばこちらの方が、元祖「チンクエチェント(500)」の精神を受け継ぐ、イタリアの小型大衆車と言えるのではないだろうか。このパンダをベースに、やや簡素な外装とより実用的な荷室、そして経済的な価格を備えた「働くパンダ」が、この7月10日にフィアットの商用車部門「フィアット・プロフェッショナル」から発表されたパンダ・ヴァンだ。



このパンダ・ヴァンにはフロント・シートのみを備えた2人乗りと、折り畳み式後部座席を持つ4人乗りの2種類の仕様が用意されており、荷室容量は最大で1,000リッターにもなるという(4名乗車では275リッター)。乗員スペースとは網状の金属製パーティションで仕切られ、フラットなフロアは荷物の積み卸しが容易に行える。荷室照明は取り外すと充電池式懐中電灯として使えるそうだ。さらに2人乗り仕様では、荷室の床下にも収納スペースが設けられており、工具類などを配置して仕舞えるカーゴ・ボックスを装備することが可能。最大積載重量は500kgとそれだけでトヨタの「プロボックス」を凌ぐが、さらにスペシャル・サスペンションを注文すれば780kgまで積むことが出来るようになるという。



いかにも商用車らしい簡素な無塗装バンパーは路上駐車の際に大活躍しそうだが、よりパーソナル・ユースに向いたボディ同色バンパーもオプションで選ぶことが出来る。リア・ウインドウには外から荷室が見えないように濃色のスモーク・ガラスを採用。ボディ・カラーはなんと全部で9色も用意されている。

イタリア人はストイックという言葉とは無縁なのだろうか、インテリアも日本の営業車の様な味も素っ気もないグレー1色ということはなく、簡素な2人乗りの「ポップ」と呼ばれる仕様でもボルドーとグレーを組み合わせたクロス張りとなり、4人乗りの「イージー」ではベージュまたは赤とグレーの2トーンから選べる。



エンジンは今のところ68馬力を発生する1.2リッターのガソリン・ユニットと、「マルチジェット」と呼ばれる75馬力の1.3リッター・ディーゼル・ターボという、2種類の直列4気筒のみ。価格は2人乗りガソリン仕様の8,850ユーロ(約86万円)から、4人乗りディーゼルの1万1,700ユーロ(約114万円)まで。ちなみに1.2リッター・ガソリンの4人乗り「1.2 イージー」は9,600ユーロ(約94万円)となっており、同じエンジンを積む乗用モデルのパンダと比べると、最廉価仕様「1.2 ポップ」よりさらに600ユーロほど安い。



ベースとなる3代目パンダは、今年の後半には日本でも発売が予定されている。だがショールームでキュートな500の隣に並んだら、どうしても一見ごく普通の小型車に見えてしまうのではあるまいか。それならいっそ、「趣味の道具が積めるクルマ」というようなイメージを打ち出して、こちらのヴァンも売ってみたら面白いのでは、と思うのだが...。さらにそれがディーゼルだったりしたら、カルト的な人気を集めるに違いないと思うけれど(Euro5を取得した最新のマルチジェットなら、日本のポスト新長期排ガス規制をクリアできるという)、フィアットグループオートモービルズジャパンの皆さん、いかがでしょう? 

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