マツダ、「ロードスター」に
マツダは5日、2シーターのオーブン・スポーツ「ロードスター」に一部改良を行い、全国の販売会社を通じて発売すると発表。フロント・マスクやインテリア等に施された「お化粧直し」だけでなく、スロットルとブレーキ・ブースターの制御プログラムにまで手が入れられ、さらに新デザインのフロント・バンパーから車両内部の配線に至るまで、グラム単位で軽量化を徹底したという。

今回の "フェイスリフト" で最も目に付く変更点は、開口部が大きく、奥行きのあるデザインとなったフロント周り。マツダのアイデンティティを示す五角形グリルは各エッジがシャープで明瞭になっている。また、ナンバー・プレートを支えるバンパー中央部の黒い部分がスリムになり、その下のエア・インテークが拡大。これに合わせて、フォグ・ランプ・ベゼルの形状もこれまでの「リーフ型」からよりレーシィな水平基調に変わった。フロント下部には独立したスポイラーが左右に追加されている。これらの変更は、マツダが2011年のSEMAショーに参考出展したカスタムカー「MX-5 スパイダー」から受け継がれたようにも見える。



現行型マツダ ロードスターには、コンベンショナルなソフトトップ(幌)を備えるモデルと、電動開閉式ハードトップを装備する「RHT」の2種類がラインアップされているが、今回の変更では、各ディテールのカラーリングを分けることでそれぞれの個性を鮮明化。具体的には、ヘッドライト周囲のベゼルや、アルミホイール、インナー・ドアハンドル、メーターベゼル、シートバックバー・ガーニッシュなどの部分が、ソフトトップ・モデルではブラックまたはグレー系で塗装され、RHTではシルバーやアルミ調で仕上げてある。ソフトトップはよりストイックなスポーツ・イメージを、RHTでは高級感のあるスポーティな雰囲気を、それぞれ強めたということだろう。さらに、こうした「塗り分け」だけでなく、ソフトトップ・モデルには今回新たに、より小型のメーター・フードを採用するといった拘りも見られるあたり、マツダのデザイナーは流石に "分かって" いらっしゃる。



インテリアでは、本革シートのカラーに「タン」が追加された。代わりに「ハバナブラウン」が廃止されている。タン色の内装は初代「ユーノス ロードスター」に設定されていた「Vスペシャル」から採用していた "伝統色" でもあるわけで、求める声も多かったのだろう。RHTの上級グレード「VS」ではこのインテリア・カラーが標準。6速MTの「RS」なら、RHT/ソフトトップの双方ともオプションで選択可能だ。ソフトトップ・モデルのRSでこれを選ぶと、幌もサドル・タンの布製(クロス)となる。他にもシート生地はグレードによって、ブラックのファブリック、ブラック本革、そしてレカロ社製バケット・シートのアルカンターラ/本革コンビが用意されている。



変更点は内外装だけにとどまらない。MT車ではスロットル制御プログラムを、これまで以上に綿密に設定したことで、コーナーの立ち上がりでアクセル・ペダルを踏み込んだ時など、スロットル・レスポンスが「リニアでより扱いやすい特性」となっているそうだ。また、ブレーキ・ブースター(制動倍力装置)の特性も変更され、前後荷重のコントロールがより容易になったという。

さらに見逃せないのが、今回はじめて採用されたという新開発の「アクティブボンネット」。現在の保安基準では、歩行者保護のためボンネットの高さなどに厳しい制限が課せられていることはご存じの通り。もし車両が歩行者を跳ね上げてしまって頭部がボンネットに当たった場合、ボンネットの裏側とエンジンの間に十分なスペースがないと、歩行者の頭部に致命的な衝撃を与えてしまう。これを緩和するためには、スポーツカーといえども、ボンネットをエンジンの位置ぎりぎりまで低くするわけにはいかないのだ。「トヨタ 86」や「スバル BRZ」が、昔のスポーツカーと比べるとどうしてもフロントが "厚く" 見えてしまうのはこのためである。

マツダが開発したアクティブボンネットとは、一定速度の範囲内で走行中に、一定以上の衝撃をセンサーが検知すると、ボンネット後端が瞬時に持ち上がり、エンジンとボンネットの間の空間を広げるという装置。この技術は今回だけでなく、ロードスターが新型にモデルチェンジする際に、スポーツカーらしいスレンダーなフロント・ノーズの実現に貢献するのではないかと期待が掛かる。



そして、マツダといえば "軽量化" 。アクティブボンネットのセンサーなどを搭載することによる僅かな重量増も避けるためか、新しいフロント・バンパーや新デザインの17インチ・アルミホイール、そして車両の内部で使われている配線類(これが意外と馬鹿にならない)にいたるまで、グラム単位で徹底して軽量化に務めたそうだ。車両重量はソフトトップ・モデルの「RS」では1,120kgとこれまでと変わらないが、「NR-A」とRHTの全グレードではカタログ上の数字は10kgずつ増加している。

「NC型」と呼ばれる現行型ロードスターではおそらく最後となるであろう、今回の改良。2008年12月に行われたマイナーチェンジと比べると小規模なものだが、内外装から見えないところまで、最終バージョンと呼ぶに相応しいほど、細かな点まで熟成が進んでいることを窺わせる。



気になる新型については、すでにアルファ ロメオとプラットフォームを共有することが発表済み。FRという駆動方式がしっかり守られることは間違いなく、さらに車両重量は現行型より100kg以上は軽くなり、エンジンの排気量もダウンサイズされるようだと囁かれている。ターボが装着されるのではないかという噂もある。もしこれらの情報が真実ならば、新型ロードスターは確かにライトウェイト・スポーツカーとしての資質を上げてくるに違いない。しかし、やや重め(といっても最も重いモデルでも1,170kgに過ぎないが)の車重による比較的落ち着いた乗り心地の車体を、2.0リッター自然吸気エンジンで走らせる現行型のRHTなどは、大人が "GT" 的に乗るならば、それはそれでなかなか魅力的な存在ではないだろうか。

新型ロードスターの発表は2013年、そして発売は2014年になるという線が濃厚のようだ。雨が多く、高温多湿の我が国でも、「オープンカーを持っていて良かった!」と思える日が1年に何度か必ずある。そんな素晴らしい日を人生の中で2年間も見送るというのも、考えようによってはもったいない話。完成度がさらに高まったNC型ロードスターをもう一度見直してみようかという気になられた方は、以下のリンクから公式サイトをどうぞ。

MAZDA ROADSTER

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