アストン・マーティン、新型フラッグシップ「ヴァンキッシュ」を発表!
アストン・マーティンは20日、新型フラッグシップ・モデル「ヴァンキッシュ」を発表。その概要と動画を公開した。

「征服する」という意味の言葉がアストン・マーティン・フラッグシップのモデル名として復活したのは5年ぶりのこと。2001年に発売された先代ヴァンキッシュが2007年に生産終了となると、その後継車には1960〜70年代の高性能モデル「DBS」の名前が受け継がれたが、その二代目DBSも今年の4月に発売された最終限定仕様モデル「アルティメイト・エディション」の登場を持って生産が完了。どういう心境の変化かマーケティングの結果か知らないが、このイギリスの名門スポーツカー・メーカーは、またまた最上級モデルの名前を "戻した" ことになる。



すでに今年5月、イタリアで開催されたクルマの美と歴史を競う由緒あるイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」において、アストン・マーティンが「AM310」というコンセプト・カーをお披露目したことはご紹介したが、新型ヴァンキッシュはその市販バージョンだ。
外観は一目で現代のアストン・マーティンと分かるような、弟分の「DB9」や「ヴァンテージ」などのファミリーと統一されたデザインでまとめられており、フロント・フェンダーのエア・ベントからドアの後方にまで長く伸びたボディ・サイドのキャラクター・ラインや、テール・ランプの形状などに限定モデル「One-77」からの引用が見られる。F1のアンヘドラル・ウイングを思わせるフロント下部のスポイラーは、最高性能モデルとしての主張か。



優美さと迫力を合わせ持つ豊かなフロント・ノーズの下に搭載されているエンジンは、DB9やDBS、V12ヴァンテージでお馴染みの6.0リッター自然吸気V型12気筒をベースに改良を加えたもの。可変バルブ・タイミング機構を組み込んだヘッドは一新され、より大径の吸気バルブとスロットルボディを採用、さらに新設計されたマニフォールドによって、573psの最高出力を6,750回転で、63.2kgmの最大トルクを5,500回転で発揮する。前任車DBSと比較すると、排気量を増やさずに出力で56ps、トルクで5.1kgmもの向上を実現したことになる。これに「タッチトロニック2」と名付けられた6速トルクコンバーター式オートマティック・トランスミッションが組み合わされ、0-100kh/h加速はDBSより0.2秒短縮して4.1秒、最高速度は13km/hばかりドロップした294km/hと発表されている。



このパワートレインを収めるシャシーは、「VH アーキテクチャ」と呼ばれる接着アルミニウムによるスペースフレーム構造。2003年登場のDB9から採用されているものだが、パワーアップしたエンジン出力に対応するため、「大幅にアップグレード」されているそうだ。ボディ・パネルはカーボンファイバー製で、ルーフやドア・ミラーなどはクリア仕上げのみ(つまりカーボンファイバーの素地が見える)オプションも選択可能だとか。DBSに比べてボディ剛性が25%以上、向上しているという。




"ゲイドンの本社で職人達によってハンド・クラフトされる" というお決まりの言葉が付くインテリアは、キルテッド・レザー張りのシートや、カーボンファイバー仕上げのセンター・コンソールなど、様々な仕様から選ぶことができる。小さな後部座席を備える2+2シーターだけでなく、フロントのみの2シーターでオーダーすることも可能だ。荷室容量はDBSより60%以上も拡大され、368リッターとなっている。



「混雑した市街地から、コーナーが連続する田園地方、そして高速道路を使った長距離ドライブまで、毎日乗って楽しめるブリティッシュ・ラグジュアリー・スポーツカーのサラブレッド」とメーカーがいう新型ヴァンキッシュは、18万9,995ポンド(約2,360万円)という価格で発売され、2012年の後半からまずはイギリスとヨーロッパ諸国でデリバリーが開始される。



どこかすでに見慣れた気がしてしまうボディのラインは、初代ヴァンキッシュに比べればインパクトは薄いかも知れないが、そのスキンは先進的なカーボンファイバー製で、それをルーフやスポイラーなどで部分的に "チラ見せ" しているアンダーステートメントな色気が、新型ヴァンキッシュの魅力(の1つ)。
しかし、アストン・マーティンのフラッグシップ・モデルから「職人によるアルミの叩き出しボディ・パネル」という言葉が聞けなくなってしまったことは、なんだか寂しい気も。




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【Source: Aston Martin