アウディは4日、プレミアムなコンパクトカー「A1 スポーツバック」を日本でも発売。"最も小さなアウディ"「A1」に追加された待望の5ドア・バージョンである。発表会で実車を確認するとともに、気になる点をいくつか訊いて来た。

昨年1月に3ドア版が発売されたA1は、アウディ・ラインアップの中で最もコンパクトなモデル。その年の秋、東京モーターショーでワールド・プレミアとなった5ドア・モデルが半年経ってようやく追加されたわけだが、従来の3ドア・モデルが単に「A1」と呼ばれることに対し、5ドア・モデルには「スポーツバック」という独自のサブネームが与えられる。アウディのワゴンが「アバント」と名乗るのと同じ様な "拘り" が感じられるが、アウディによれば、スポーツバックとは「(後部ドアを持ちながらも)スポーティでクーペのようなフィーリングを持つ」モデルに付けられる名前なのだそうだ。なるほど、傾斜したCピラーとルーフ・スポイラーのデザインや、リア・ドア後方に三角形のクオーター・ウインドウが設けられているあたりに、実用性を最重要視するハッチバック車とは一味違った、"スポーティでクーペのような" 雰囲気が感じられるかも。



特にルーフとピラーをボディとは別の色で塗り分けたオプションの「コントラストルーフ」というカラーリングを選ぶと、それがさらに強調される。3ドアのA1ではルーフライン(AピラーとCピラー、それをつなぐルーフの左右端)のみしか塗り分けられず、ルーフとスポイラーはボディ同色しか選べなかった(ただし、開口部の大きなサンルーフ「オープンスカイルーフ」は、スポーツバックには付けることができない)。

A1 スポーツバックには全部で9色のボディ・カラーが用意されるが、コントラストルーフで組み合わせる色はそれぞれ決まっており、2トーンを自由に選べるというわけではない。アウディ・ジャパンの方から聞いた「お勧めカラー」は、「ミサノレッドのボディ+ブリリアントブラックのルーフ」と「グレイシアホワイトのボディ+デイトナグレーのルーフ」だとか。



全長3,970mm × 全幅1,745mm × 全高1,440mmというサイズは、3ドアのA1より幅が5mmだけ大きい。全長はそのままでも、ルーフの長さを80mm以上も後ろに伸ばすことによって、後部座席の居住性は向上されているという。リア・シートの形状自体も3ドア・モデルとは異なり、後部に3名乗車が可能となった。2,465mmというホイールベースは同一だからレッグ・スペースは変わらないが、後席の頭上空間は11mm拡大しているそうだ。ただしドアが2枚増えたことなどによって車両重量は20kgほど増加(1,200kgから1,220kgへ)している。それでも燃費に影響を与えるほどではないようで、JC08モードで17.8km/リッターという数字は3ドアのA1と変わらない。



パワートレインも3ドア/5ドア共通。排気量1,389ccから最高出力122psと最大トルク20.4kgmを発揮する直噴直列4気筒ターボ「TFSI」エンジンをフロントに搭載、7速のデュアル・クラッチ式トランスミッション「Sトロニック」を介して前輪を駆動する。アウディと言えば「クワトロ」と呼ばれる4輪駆動システムが有名だが、A1は本国でも前輪駆動のみの設定。クワトロを採用した「S1」あるいは「RS1」と呼ばれる(はずの)高性能版が登場するのではないかと言われているようだが、アウディ・ジャパンの方によると「本当に、本社からは何も聞いていない」そうである。

スポーツ・ドライビング志向の方には、硬めのサスペンション(車高は変わらない)や、インチアップ(標準の15インチから16インチへ)した10スポーク・アルミホイールと215/45 R16タイヤ、専用クロスが張られたスポーツシート、パドルシフト付きステアリング・ホイール、ポリッシュ仕上げのテールパイプなどがセットになった「スポーツパッケージ」というオプションが用意される。「スポーツよりラグジュアリー」という方には、本革ミラノレザーを使用したシート(フロント側はヒーター付き)にアップグレードされる「レザーパッケージ」がお勧め。A1スポーツバックの「小さな高級車」感がぐっと強まる。



組み付け精度と仕上げ品質の高さには自信があるというインテリアでは、エアコンの吹き出し口やセンター・コンソール、ドア・ハンドルなどの色を「ワサビグリーン」や「ガーネットレッド」といったポップなカラーにすることも出来る。円形のエアベントはジェット・タービンを模したものだとか。7種類用意されているシートと合わせて、内装だけで100種類以上の組み合わせが可能だという。

ダッシュボードからポップアップする格納式6.5インチTFTカラー・ディスプレイでは、「MMI(マルチメディア・インターフェイス)」と呼ばれる上級車種譲りの操作方法でオーディオやナビゲーションをコントロール。「1つのダイヤルで様々な機能を選択できる。こんな統一された操作系は、コンパクト・クラスでは他に類を見ない」と、アウディ・ジャパンの大喜多寛社長は誇る(ただしナビゲーション機能・地上デジタル放送受信機能・ETCを搭載した「MMI 3G Plus」はオプション)。「プレミアムというからにはオーディオは非常に大事」ということで、A1では標準で10個のスピーカーと180ワットのアンプを搭載。オプションのボーズ・サラウンド・サウンド・システムを装着すればスピーカーが14個、出力は465ワットに増える。「低音がよく響く」そうだ。

アウディでは、スタイル・インテリア・快適性・環境性能など全ての面において、A1 スポーツバックは「ベスト・イン・クラス」であると自負しているという。安全性能においてもそれは同様で、衝突安全テストではユーロNCAPで最高評価の5つ星、日本のJNCAPではこのクラスで初めて4つ星を獲得している。



このアウディ A1は、フォルクスワーゲンの「ポロ」とプラットフォームを共有する...と言われているが、アウディ・ジャパンの担当者の方によると「本社からは公式にそうとは言われていない」とか。「でもきっとそうでしょう(笑)」とおっしゃる。ついでにフォルクスワーゲンとアウディの関係性についてお訊きしたところ、例えばA1とポロのように同クラスのモデルでは「フォルクスワーゲンの最上級グレードより、アウディの最も安価なグレードの方がさらに高級な仕立てになっている、そう本社からは聞いています」とのことだった。それはフォルクスワーゲン・オーナーの方がアウディに乗ってみればすぐに分かるらしく、やはり「フォルクスワーゲンから乗り換える方は非常に多い」という。
だからポロとA1とでは、きちんと棲み分けが出来ている、ということだろうが、でも実際に購入する側から見れば、シャシーもエンジンも基本的に同じと聞くと、どうしても安い方が気になってしまうもの。ちなみにポロの上級グレード「TSI ハイライン」とA1 スポーツバックとの価格差は約50万円。このクラスでこの金額の差は結構大きい。というわけで、A1に装備を削ったエントリー・グレードのようなものを設定する予定は? と尋ねてみたのだが、「削る気になれば色々と削れる部分はあるんですが、それをして価格を下げるということは、"プレミアム" ではなくなってしまう」というお答えだった。

プレミアム・コンパクトとなると、ライバルは「MINI」ですか? と訊くと、「3ドアのA1はともかく、スポーツバックと競合する5ドアのMINIということになると、『MINI クロスオーバー』はかなり大きくなりますからね。(ライバルを)強いて挙げれば、『アルファ ロメオ MiTo』や『シトロエン C3』あたりでしょうか。いずれも拘りの強いお客様が選ぶクルマということで」というお話だった。MiToは3ドアですが...。

それらのライバルと比べて、"A1 スポーツバックは、特にここが勝っている" という点はどこだと思いますか? という質問には、「スタイルに関しては好みがありますから、それは置いておきまして。機械的な面では、まあ、負けている部分は1つもないと思います」と自信たっぷりにお答えくださった。



ところでアウディでは、毎回ニュー・モデルを発表する度に、その想定される顧客像というものを、イキな英語で表現するが慣例となっているが、このA1 スポーツバックの場合はそれが「アーバン・エゴイスト・ニューファミリー」だそうな。「アーバン・エゴイスト」とは「自分の価値観を大切にする、高い審美眼を持つユーザー」のことだそうで、それはよいとしても、「ニューファミリー」の方は、そもそも第二次大戦後のベビー・ブームに生まれた世代が、それまでと違う新しい家族のスタイルを築き始めたことから言われるようになった言葉であり、今となっては些か古い気もする。
まあ要するに、都市部に住み、自分の生活やスタイルに拘りがあり、夫婦や親子で友達同士のような関係を築いている素敵な家族、ということになるのだろうか。今回の発表会では、そんな「アーバン・エゴイスト・ニューファミリー」を代表する有名人として、女優の瀬戸朝香さんとフリー・アナウンサーの内田恭子さんが登場した。



"エゴイスト" のために豊富なカラーや仕様・装備などのオプションを用意し、"ニューファミリー" 向けに居住性を改善した後部シートとドアを備えたA1 スポーツバックの価格は、3ドアより20万円高い293万円(消費税込み)。エコカー減税と補助金の対象となっており、減税額9万7,000円+補助金10万円、(今なら)安く済む。「クラス最高・最良」と自負する自信作に、待望(買い手も売り手も)の5ドアが加わったことで、他の輸入車ブランドだけでなく国産車からも乗り換える「新規顧客」の獲得を目指し、アウディは将来的に「このクラスのシェア50%」を狙うという。

詳しい情報や詳細なオプション価格については、以下のリンクから公式サイトをどうぞ。
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Audi A1 Sportback

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