マツダとアルファ ロメオ、次期型「ロードスター」ベースにスポーツカーを共作!
マツダフィアット・グループは23日、次期「マツダ ロードスター」のFRアーキテクチャを使用したオープン2シーター・スポーツカーの開発・生産に関する協業プログラムを発表。アルファ ロメオから 次期型マツダ ロードスターをベースにした "後輪駆動" のスポーツカーが登場する。(画像は2010年のジュネーブ・ショーでピニンファリーナが発表した次期アルファ ロメオ・スパイダーを想起させるコンセプト・カー)

今回の発表によると、マツダとフィアットの協業プログラムは、現在「開始することで合意」した段階。実際に次期型マツダ ロードスター・ベースの新型「アルファ ロメオ・スパイダー(という名称になるかどうか分からないけれど)」が発売されるのは、2015年になるという。生産は両車種とも、広島にあるマツダの本社宇品工場で「開始することで検討を進める」そうだ。つまり、新型アルファ ロメオは日本製になるのである。

このことは、アルフィスタ(アルファ ロメオに乗っている人をこう呼ぶ)にとって一抹の寂しさを感じさせるかも知れない。しかし、フロント・エンジン/リア・ドライブというアルファ ロメオにとっては伝統的なレイアウトが、2.0リッター級の小型スポーツカーとして復活するということ、そして長いこと "イタリアの製造品質" に悩まされていたオーナーが少なくないという事実を思えば、決して悪い話でもないはず。マツダの工場で一括して生産されると言っても、共有するのは「アーキテクチャ」のみで、両車は「それぞれのブランドごとに象徴的なスタイル」を持ち、「独自のエンジンを搭載」することで「明確に差別化」されるそうだ。



この発表に際して、マツダの山内孝代表取締役会長社長兼CEO は「技術・商品開発領域におけるアライアンス構築は経営戦略に基づく活動の一つであり、今回のフィアットとの発表はその重要な一歩」であるとし、「オープン2シータースポーツカーの先駆者とも言うべきアルファ ロメオと協業の機会を持てることに大きな期待を寄せています」と語った。またフィアットのセルジオ・マルキオンネCEOは「この合意は我々のアルファ ロメオブランドに対するコミットメントであり、またアルファ ロメオを真のグローバルブランドに育てていく決意を表すもの」であると述べ、「彼ら(マツダ)と協力し、アルファ ロメオの伝統であるエキサイティングかつスタイリッシュなオープン2シータースポーツカーをつくっていきます」と明言した。両社の正式事業契約の締結は2012年後半に予定されており、この件だけでなく、今後欧州での協業の可能性についても話し合いを持つことで合意したという。



アルファ ロメオの小型オープン2シーター・スポーツカーの歴史は、1955年に発表され第二次大戦後初のヒット作となった「ジュリエッタ・スパイダー」にまで遡ることができる。1,290ccの直列4気筒DOHCエンジンとピニンファリーナ製の美しいボディを特徴とするジュリエッタ・スパイダーは、後に排気量を拡大した1,600ccエンジンが与えられて「ジュリア・スパイダー」と改名。ベース車の「ジュリア」系がモデルチェンジしたことによって、1966年には「スパイダー・デュエット」へ代替わりする。それから27年間も基本設計は変更されることなく生産が続けられていたが、1995年にはフィアット車のプラットフォームが適用されることで前輪駆動となった2代目にフルモデルチェンジ。2006年になると当時業務提携を結んでいたGMと共同開発のプラットフォームを使用する4ドア・セダンの「159」やクーペ・ボディを持つ「ブレラ」と兄弟車になった。



こうしてみると、ここ20年近くの間、アルファロメオのオープン2シーターは会社の事情によって他所で開発された車台を使用せざるを得ない状況が続いていた。言い換えれば、スタイリッシュな内外装のデザインとエンジン、そして足回りのセッティングに「アルファ・スパイダー」の魂は宿って来たのだ。マツダ製プラットフォームになろうとも、それは今後も変わらないはず。後輪駆動であることを取り戻せるだけでも喜ばしい話ではないだろうか。

マツダにとっても、自社の他の車種と共有することが出来ないロードスターのプラットフォームをフィアットに供給することでコスト面の負担が軽くなる。そして同じアーキテクチャを使ったアルファ ロメオの "仕事" は、マツダのエンジニア達にとって大いに刺激になるに違いない。これは「共作」であると同時に「競作」なのだ。



ところで、アルファ ロメオと日本車の「共有化」といえば、思い出されるのは日産との提携により誕生した「アルナ」。決して成功したとは言えないこの日伊共同開発車のほろ苦い記憶は、今でも彼らの中にあるはず。そんな過去から学んだ教訓が、今度のマツダとの提携には生かされることを期待しよう。

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