また新しいウィナーが誕生!可夢偉も頑張った、F1第5戦スペインGP決勝リポート!
2012年F1第5戦スペインGP決勝レースが13日、バルセロナ近郊のカタルーニャ・サーキットで行われた。画像とともにレースのリポートをお届けしよう。

前日の予選で素晴らしい速さを(今回も)見せたのはマクラーレンルイス・ハミルトンだったが、走行後に燃料が残っていなかったことが発覚。F1のルールでは、「サンプルとして1リッターの燃料が提出できなければならない」と定められている。違反燃料を入れていても走行中に使い切ってしまえば証拠が残らないわけで、そんな不正を防ぐために決められた規則だから仕方ない。最速タイムを記録したにも拘わらず、決勝レースのスタートは最後尾から、というペナルティが科せられた。



代わってポールポジションを獲得したのは、2番手タイムを記録したウイリアムズのパストール・マルドナド。F1でのキャリアは2年目という27歳のベネズエラ人だ。その隣にはフェラーリフェルナンド・アロンソが今季初めてフロント・ローに着く。2列目はロータス・ルノーの2台、ロマン・グロージャンとキミ・ライコネン。その後ろにザウバーのセルジオ・ペレスとメルセデスニコ・ロズベルグが並ぶ。ザウバー小林可夢偉は、土曜日午前中のフリー走行で3番手タイムを記録するほど好調だったが、予選第2ラウンド時に油圧系のトラブルがマシンに発生し、第3ラウンドは出走できず。結果は10番手となったが、ハミルトンが降格になったので9番手からレースに臨む。



そして13日、現地時間14時(日本時間21時)に決勝レースがスタート。全車が軟らかめのソフト・タイヤを装着。最前列ではポールポジションから飛び出したマルドナドが、隣のアロンソに対し目一杯幅寄せして牽制しようとする。だがそんなことで怯む元チャンピオンではない。コース幅ぎりぎりまで使いつつ1コーナー目掛けてまっしぐらに突き進む。

結果として、ハンドルを切った分だけマルドナドの方が遅れてしまった。1コーナーに真っ先に飛び込んだのは、2番手からスタートしたアロンソの方だった。3位にはライコネンがチームメイトをかわして躍進。すぐ後ろにグロージャン。5番手スタートのペレスは早くもコースアウト。すぐにピットに戻って硬めのハード・タイヤに交換する。代わって5位はロズベルグ。8番手からスタートしたメルセデスのミハエル・シューマッハが6位に上がってきた。



3周目、トップを走るアロンソに、2位のマルドナドは離されることなく食らいついて行く。その差は0.9秒。真っ先にハード・タイヤに履き替えたペレスが最速タイムを記録する。

6周目を走り終えたところで、レッドブルマーク・ウェバーがピットイン。次の周には同僚のセバスチャン・ベッテルもタイヤを交換する。

8周目の終わりに小林可夢偉がピットへ。ハード・タイヤに履き替える。次の周にロズベルグ、そのまた次の周回ではトップのアロンソ、3位走行中のグロージャン、6位のシューマッハらがタイヤ交換のためにピットイン。アロンソはハード・タイヤを装着するが、グロージャンはソフト・タイヤを選択した。

さらに1周遅れてマルドナドとライコネンがピットへ。マルドナドはハード・タイヤに履き替えたが、ライコネンはチームメイト同様ソフトを選ぶ。

12周目、タイヤ交換を終えて順位を一時的に8番手まで下げたグロージャンが、まだピットインしていないウイリアムズのブルーノ・セナと接触。グロージャンのマシンから、フロント・ウイングのエンド・プレートが外れたように見えた。

13周目、今度はシューマッハがセナにコーナー入り口のブレーキング時に追突。シューマッハは壊れたマシンをコースの外に止め、そのままリタイヤとなる。後輪をパンクさせたセナはピットまで戻ろうとしていたが、やはりこちらもリタイヤしてしまった。



14周目を走り終えたところで、ハミルトンがようやく1回目のタイヤ交換へ。最後尾からのスタートとなった彼は、他の上位ドライバーたちよりもピットインの回数を少なくする作戦のようだ。このとき、ピットから走り出そうとしたハミルトンのマシンが何かを踏んで跳ねるような動きを見せる。どうやら外したタイヤに当たったらしい。心配するドライバーにピットは無線で「問題ない」と伝える。完璧主義のマクラーレンにしては、前日から不手際が目立つ。

それぞれ1回目のタイヤ交換を終え、順位は1位アロンソ、2位マルドナド、3位ライコネン、4位グロージャン、5位ロズベルグと、ここまでは序盤と変わらず。6位はベッテル、7位には予選で11位(スタートは10番手となった)と今ひとつ冴えなかったマクラーレンのジェンソン・バトンが上がって来ていた。その後ろ、8位に小林可夢偉。ハミルトンは12位だ。

レースが19周目に入った頃、ペースの上がらないロズベルグが後続のドライバーたちを抑えてしまう。22周目を終えたところで、ロズベルグが2回目のタイヤ交換へ。やはりメルセデスはタイヤの消耗がやや早いらしい。2周後に、マルドナドがピットへ向かう。トップのアロンソよりも先に2度目のタイヤ交換を済ませ、「アンダーカット」と言われる逆転を狙う作戦だ。これを見たフェラーリ陣営は、大方の予想に反してすぐには動かず。アロンソはもう1周走行を続け、26周目を走り終えたところでタイヤ交換に向かう。この1周で、周回遅れのマシンに "引っ掛かって" 、手を上げて抗議する場面も。そんなこともあり、ピットから出たアロンソがコースに戻ったときにはマルドナドに先行を許してしまう。ウイリアムズは作戦成功。この周、グロージャンと可夢偉も2回目のタイヤ交換を済ませる。次の周にはライコネンとベッテルもピットへ。



28周目、フェラーリのフェリペ・マッサとハミルトンがまたもやバトル状態。この2人、予選の順位はかなり差が付くのに、決勝レースではよく接近して走っている場面が見られるのだ。だがここでマッサには、イエロー・フラッグを無視したとしてドライブスルー・ペナルティが科せられ、このバトルは終了。

30周目あたりでは、ロズベルグとバトンが激しく7位争い。順位を整理すると、トップがマルドナド、2位アロンソ、3位ライコネン、4位グロージャン、5位ハミルトン、6位ベッテル。可夢偉はバトンの後ろ、9位だ。

ベッテルにも「イエロー・フラッグ無視」によるドライブスルー・ペナルティが指示され、これを済ませると可夢偉の後ろに順位を下げる。可夢偉、これで8位。

またもやペースの上がらないロズベルグにバトンと可夢偉が抑えられてしまう。だがそこで、ロズベルグをバトンが追い抜くよりも先に、33周目に可夢偉がバトンのインを刺し、7位へ上がる。このとき2台は、タイヤのサイド・ウォールが触れるほどの、ぎりぎりのバトルを見せてくれた。次はロズベルグに仕掛けようとする可夢偉だが、こちらはなかなか抜かせてくれない。



35周目を走り終えたハミルトンが2回目のタイヤ交換へ。14位まで順位を下げる。このときに装着したタイヤで、最後まで走り切る作戦だ。

38周目、8位のベッテルがDRS(可変リアウイング。一時的に空気抵抗を減らして最高速を上げることができる追い越し用装置)を使ってバトンの前へ。この周でバトンは3回目のタイヤ交換のためピットに戻る。次の周にはロズベルグもピットへ。

41周目の終わりに、トップのマルドナドが3回目のタイヤ交換へ。ピットでは左リア・タイヤの交換にやや手間取る。同じ周、可夢偉も最後のタイヤ交換。残念ながらロズベルグの前でコースに戻ることはできなかった。



43周目、ベッテルがピットインし、フロント・ノーズを交換。前戦では優勝した昨年のチャンピオンだが、今回のレースではやや精彩を欠いていた。

44周目の終了時にアロンソが3回目のタイヤ交換。マルドナドの後ろでコースに戻る。ピット・ストップで逆転することはできなかった。あとはコース上で優勝争いを決めるしかない。

47周目、まだ最後のタイヤ交換を済ませていない、"暫定トップ" のライコネンを、マルドナドが抜いて1位に返り咲く。次の周にはアロンソもライコネンをパスして2位へ。その周の終わりにライコネンはやっとピットに向かう。グロージャンの後ろ、4位でコースに復帰。

50周目前後となった頃にはトップ争いが激化。1位走行中のマルドナドを、2位のアロンソが追い詰め始めたのだ。ストレートではDRSを開いて迫るアロンソ。マルドナドはKERS(エネルギー回生システム。ブレーキング時に発生するエネルギーを電気に変えて蓄積しておき、加速が必要なときにこれを使って一時的にパワーを上げる)を駆使して逃げる。

勝負所はカタルーニャ名物の長いメイン・ストレート。毎周のようにDRSを全開にして追い掛けるアロンソだが、マルドナドの前に出るところまでは行けない。

51周目を走り終えたところでグロージャンが最後のタイヤ交換。これで順位は、1位マルドナド、2位アロンソ、3位ライコネン、4位グロージャン、5位ロズベルグ。6位の小林可夢偉は、後ろに7位ハミルトン、8位バトン、9位ベッテルと、3人の世界チャンピオンを従えて走っている。

59周目、ベッテルがバトンをパス。ほとんど無抵抗で抜かれるバトン。

61周目、可夢偉が前を行くロズベルグに仕掛ける。1度目はインから並ぼうとしたが抜けず。だが諦めない。再びコーナー入り口のブレーキングで、フロント・タイヤをロックさせてスモークを上げるロズベルグのイン側に、可夢偉は巧みなブレーキングでタイヤ・ロックをさせず、しかもロズベルグより奥まで飛び込む。見事に "可夢偉らしい" オーバーテイクが決まった。これが見たかった、というファンは多いはず。5位に順位を上げる。

レース終盤、63周目にはベッテルがハミルトンを抜いて7位に。2周後にはロズベルグも料理して6位に上がる。

一方、トップを追い掛けていたアロンソもタイヤが辛くなってきたのか、マルドナドとの差が2秒まで開いてきた。後ろからは余力を残しているライコネンが迫ってくる。



66周目を終えてレース・フィニッシュ。トップでチェッカーフラッグを受けたパストール・マルドナドは、先月70歳の誕生日を迎えたチーム創設者フランク・ウイリアムズに、8年ぶりの優勝をプレゼント。2位のフェルナンド・アロンソは、地元スペインで期待以上の結果を残したと言っていいだろう。ポイント・ランキングではベッテルと並んで首位に立った。3位はキミ・ライコネン。前戦バーレーンGPに続いて、作戦次第ではもう少し上が狙えたかも知れない。フラストレーションが残る表彰台。4位にロマン・グロージャン。ロータス・ルノーは2台とも絶好調だ。小林可夢偉は5位でレースを終え、10ポイントを獲得した。

最終的なレースの結果順位は以下の通り。

優勝 パストール・マルドナド(ウイリアムズ・ルノー)
2位 フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
3位 キミ・ライコネン(ロータス・ルノー)
4位 ロマン・グロージャン(ロータス・ルノー)
5位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
6位 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
7位 ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
8位 ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
9位 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
10位 ニコ・ヒュルケンベルグ(フォースインディア・メルセデス)
11位 マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
12位 ジャン・エリック・ベルニュ(トロロッソ・フェラーリ)
13位 ダニエル・リカルド(トロロッソ・フェラーリ)
14位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
15位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
16位 ヘイキ・コバライネン(ケータハム・ルノー)
17位 ヴィタリー・ペトロフ(ケータハム・ルノー)
18位 ティモ・グロック(マルシャ・コスワース)
19位 ペドロ・デ・ラ・ロサ(HRT コスワース)

次戦は伝統のモナコGP。この難コースで小林可夢偉は昨年、5位に入っている。今年も期待したい。2週間後の27日、日本時間で21時に決勝レースがスタートする予定だ。

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Image Credit: Mark Thompson, Paul Gilham, Vladimir Rys/Getty Images | Alvaro Barrientos, Manu Fernandez/AP | Sauber Motorsport AG

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