【NYオートショー2012】V10エンジンを積んだ毒蛇、ダッジ...ではなくSRT「ヴァイパー」復活!
アメリカン・スーパースポーツカーの雄、「ダッジ・ヴァイパー」が還ってきた。クライスラー・グループは、4日に開幕したニューヨーク国際オートショーで、高性能モデル開発チームの「SRT(ストリート・アンド・レーシング・テクノロジー)」ブランドから「SRT ヴァイパー」とそのバリエーション「SRT ヴァイパー GTS」を初公開。同時にアメリカン・ルマン・シリーズに参戦することも発表した。

"「シェルビー・コブラ」の再来" と騒がれた初代ダッジ・ヴァイパーが登場したのは1991年末。2003年には日本人デザイナーの鹿戸治氏による新たなスタイリングを纏った2代目にモデルチェンジしたが、2010年に生産が終了していた。にも係わらず、突如2011年9月にドイツ・ニュルブルクリンク・サーキットで7分21秒13という市販車最速ラップ・タイムを記録し、センセーションを巻き起こしたことは以前お伝えした通り。それまで噂されていた次期型登場の期待は、俄然高まっていた。



そして噂通り、2年ぶりに復活したヴァイパーは、ロング・ノーズの下に大排気量のV型10気筒エンジンを搭載し、後輪のみを駆動するという伝統をしっかり踏襲。ただし、エクステリアとインテリアのデザインはかなり洗練されたようだ。今や同じフィアット傘下となったフェラーリの影響を感じるのは気のせいだろうか。

レース活動から得た経験を基に大幅に進化させたというスティール製シャシーは、アルミニウム製のX字型ブレースやインパクト・ビームなどによる補強が入り、ねじれ剛性を50%向上させるとともに約45kgの軽量化に成功。カーボンファイバーとアルミニウムで構成されたボディも、先代モデルより32%軽くなっているという。空力性能の改善により高速度域の安定性も向上した。



ヴァイパーの "ハート&ソウル" であるというエンジンは、これまで通りオール・アルミニウム製V型10気筒。もう一つのアメリカン・マッスルカー代表である「シボレー・コルベット」同様、今どき珍しいOHVユニットだ。ただし中身には大幅に手が入れられ、鍛造ピストンやナトリウム封入排気バルブを新たに採用。高効率で軽量なコンポジット製吸気マニフォールドやアルミニウム製フライホイールも組み合わせることによって、約11kgほど重量を軽減したそうだ。



もちろんパワーも高められており、排気量は先代と同じ8.4リッターのまま、最高出力は600馬力から640馬力に、最大トルクも77.5kgmから600lb-ft...ということは83kgm(!)にまで大きく向上。「市販車用の自然吸気エンジンとしては、世界最大トルクを発揮する」というこのエンジンに、組み合わされるトランスミッションは、トレメック社製「TR6060」というアメリカン・ハイパフォーマンスカー御用達の6速MT。このシフトをショート・ストローク化し、ギア比もクロースさせると同時に最終減速比を下げ、エンジンのレッドラインである6,200rpmで最高速度が出るように設定されているという。それが何km/hなのか、というような動力性能の計測値は今のところまだ公開されていない。



上級グレードの「SRT ヴァイパー GTS」では、ビルシュタイン製「ダンプ・トロニック・セレクト」ショックアブソーバーを組み込んだアクティブ・サスペンションが標準装備され、「トラック」と「ストリート」という2種類のモードが選択できる。インテリアはアクセント・カラーが組み合わされたレザー張りとなる上に、サベルト製シートに電動調整機構が付き、ホイールも標準グレードの5本スポーク「ラトラー(Rattler)」から、6本スポークの「ヴェノム(Venom)」に変更される。ちなみにRattlerとはrattlesnake、つまりガラガラヘビをアメリカ流に略した言葉で、Venomとは蛇の毒のこと。言うまでもなくヴァイパー(Viper)=毒蛇に因んだネーミングである。



2種類のグレード展開に加え、さらに「SRT トラック・パッケージ」というオプションが用意されており、これを選ぶとタイヤがピレリの「P Zero」から、よりレーシィな「P Zero Corsa」になり、ブレーキもストップテック製のスロット付き軽量2ピース・ローターにアップグレードされる。

新型ヴァイパーは電子装置関係も充実していて、ESC(横滑り防止装置)やトラクション・コントロールを標準装備(もちろん、オフにすることも可能)するだけでなく、ステアリング・ホイールにはローンチ・コントロールのスイッチまである。0-100km/h加速タイムがどのくらい速くなっているのか、楽しみだ。サイド・エグゾーストが奏でるV10サウンドに負けないように、ハーマン・カードン製11チャンネル(ヴァイパー GTSはさらに7つ増えて全部で18スピーカー)のサラウンド・サウンド・システムも搭載し、さらにクルーズコントロールや無線インターネット接続システムまで装備するという。



生産は、2010年まで先代ヴァイパーが作られていたデトロイトのコナー・アヴェニュー工場で、職人達による手作業で組み上げられ、本国アメリカでは2013年モデルとして発売される予定だ。先代と同じく真横から出たマフラーのため、残念ながら日本で販売される望みは薄いかも‥‥。まずは取り敢えず、下にご紹介するビデオで、新型ヴァイパーの映像を楽しんでいただきたい。



それからもう一つ。SRTチームは実車を発表する以前から、XBOX 360用レース・ゲーム「フォルツァ モータースポーツ 4」のスタッフと共同で、ゲームに登場する2013年型ヴァイパーの製作にも取り組んでいたようだ。そちらのデモ・ムービーも合わせてどうぞ。



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