ロン・デニス、マクラーレンの新型スーパーカーについて語る!
「シドニー・モーニング・ヘラルド」が報じるところによると、マクラーレン・オートモーティブの会長ロン・デニスは、次に発表するスーパーカーについていくつかの情報を明らかにしたという。どうやらそれは「市販車最高速度世界一」の称号には拘らないらしい。

2012年F1開幕戦オーストラリアGPが開催された週末、シドニーのマクラーレン・ディーラーを訪れたロン・デニスは、現地メディアの質問に対し、新型スーパーカーのコンセプトについて語ったという。

そのクルマは現在販売中の「MP4-12C」より上位モデルという位置づけで、1990年代にわずか64台のみが生産された伝説的スーパーカー「マクラーレン F1」の "精神的後継車" になるそうだ。



当時、F1の世界で最強を誇っていたマクラーレンが市販スポーツカーの世界に初めて参入し、鬼才レーシングカー・デザイナーと言われたゴードン・マーレイの設計で作り上げた「F1」は、カーボンファイバー製モノコックにV型12気筒エンジンをミドシップ・マウントした究極の市販公道用スーパー・スポーツ。F1という名前でややこしいのだが、"フォーミュラ・ワン" のレーシング・カーではない。BMWのモータースポーツ部門「M」社が手掛けた自然吸気V12エンジンは排気量6,064ccから627馬力を発揮。1998年には最高速度391.0km/hという市販車世界記録を樹立した。価格は当時のレートで約1億円。パワー、スピード、プライス、そのどれもが桁外れのクルマだった。

そしてその全てを打ち破ったのが、2005年に発表されたご存じ「ブガッティ・ヴェイロン」。1億6,300万円(発売当時)の "標準" モデルで1001馬力を誇り、最高速度は407km/h。2010年には進化型の「16.4 スーパースポーツ」が431.072km/hという世界新記録を打ち立てた。お値段も2億8,900万円に跳ね上がる。



ロン・デニスによれば、マクラーレンが間もなく発表する予定の新型スーパーカーは、F1の記録した391.0km/hや、ブガッティの400km/hオーバーという最高速度に挑戦するものではないという。

「(現在販売中の)MP4-12Cは、世界中のどのサーキットを走っても、F1(くどいようだが、スーパーカーの方)より速いラップ・タイムを記録する。最高速度のみに固執してはならない。そんなものは現代社会において、まず初めに棄てるべきものだ。大事なのは総合的なパッケージによるパフォーマンス。我々の新型車では、今まで見たこともないような革新的テクノロジーをお目に掛けるつもりだ」

また、デニスはその新型スーパーカーがMP4-12Cのカーボンファイバー製モノセル構造を踏襲し、エンジンもMP4-12Cに搭載されている3.8リッターV型8気筒ツイン・ターボを拡大して使用することを明らかにしたという。加速時のブーストと燃費向上に貢献する、何らかのハイブリッド・システムも搭載される可能性がありそうだ。



MP4-12Cのモノコックとエンジンを基本的には引き継ぎながらも、スタイリングはまったく違ったものになるらしい。デニスによると、MP4-12Cは「敢えて、保守的なデザインにした」そうで、ニュー・モデルは「よりアグレッシブさを増したもの」になるというから楽しみだ。

ユニークな3人乗りのシート・レイアウトを持っていた「F1」に対し、今度の新型スーパーカーは2人乗りで、居住性は向上しているそうだ。だが、当時とは要求される安全基準が異なるため、「(スポーツカーとしての)純度は欠ける」という。つまり、車両重量は増加するということだ。さすがにV12を搭載しながら1,140kgという車重を実現したF1のようなクルマ作りは、現代では不可能に近いらしい。その代わり、より多くの先進的なテクノロジーを投入することでパフォーマンスのレベルを引き上げ、重量増加に対応するそうだ。そしてより洗練されたクルマになるという。



最後に、シドニー・モーニング・ヘラルドはデニスの語ったジョークを紹介している。
現在では4億円以上と言われるプレミアが付けられた「F1」について、また生産したいという誘惑に駆られたりしませんか? という記者の質問に対して、デニスは次のように答えた。
「そりゃとても誘惑されるよ。昔の工具類は全て今でも揃っているし。ではどうして作らないかと言うとね、現オーナーたちの悲鳴が聞こえてくるからさ。でも時々考えるよ、今もし100台生産したら...(いくらの儲けになるか)とね」



MP4-12Cより高額で、少数生産(300〜500台/年)になるという「この時代に最も革新的で最も創造的な」マクラーレンの新型スーパーカーは、5月のF1モナコGPに合わせて発表されると見られている。そしてその次にはMP4-12Cより低価格のモデルも予定されているようで、そちらにもカーボン・モノセルが採用されるようだ。まずは3種類のラインアップを完成させ、マクラーレン・オートモーティブは5年以内に年間生産台数4,000台規模のメーカーになることを計画している(ちなみにフェラーリの2011年販売台数は7,195台。ランボルギーニは1,602台。)
ロン・デニスの夢または野望は、「F1の再生産」などというレベルを遙かに超えたところにあるようだ。

【Source: The Sydney Morning Herald

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