【試乗】「MTが魅力!」 新型ポルシェ「ボクスターS」をいち早くドライブ! (ビデオ付)

ジュネーブモーターショー
の締めくくりを兼ね、我々は新型ポルシェ「ボクスターS」試乗のチャンスを得た。試乗コースは、世界ラリー選手権でも知られるフランスのモナコ、モンテカルロのスペシャルステージ区間で、6速マニュアルと7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)の2台をドライブした。

【試乗】「MTが魅力!」 新型ポルシェ「ボクスターS」をいち早くドライブ! (ビデオ付)

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981型と呼ばれる新型「ボクスター」は、スタンダードモデルと上位モデルのSをそろえ、それぞれに6速マニュアルと7速PDKの2種類が用意されている。エクステリアは先代の987型と比べると、かなり"マッチョ"な仕上がり。サイドのラインは、リアへと流れるようにしてエアインテークにつながり、「カレラGT」の面影が感じられるし、正面と後方のデザインは、新型「918スパイダー」の流れを汲んでいるようだ。ヘッドライトは「904カレラGTS」を彷彿させ、フロントはシャープというよりは迫力がにじみ出ている。

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ポルシェのデザインは常に先を見据えたものだ。スタイリングディレクターは新型の開発を"かなり慎重"に行ったと述べているが、先代モデルのスタイルを残しながら時代に合った新モデルを生みだすというのは、自動車メーカーにとって簡単なことではないだろう。

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内装は、「パナメーラ」と同様に、センターコンソールが高めに設計され、ドライバーが運転に集中できるように、コクピットのスイッチ類は操作しやすい位置に配置されている。電子制御可変サスペンション(PASM)や、トラクションコントロールのスイッチはすべて運転席側に、コンバーチブルトップの開閉ボタンは中央に、スポイラー、エキゾーストシステム、オートスタート/ストップのスイッチは助手席側に配置されている。

運転席正面のインパネには、左にスピードメーター、中央にタコメーターが配置されている。右側にはTFTディスプレイの新システムが搭載され、ナビやオーディオ、電話、タイヤ圧、Gメーターなどすべての情報が表示される。空調、シート調整、オーディオ、ナビコントロールボタンは「911」と同様だ。

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ステアリングホイールは、マニュアルタイプでは余計なものが排除された。AT車では、マニュアルモードとオートマチックモードを切り替えるPDKパドルが両側についている。しかし、"シフトアップは押し、シフトダウンは引く"というのは、直感的なイメージとかけ離れていてどうも使いにくい。また、スポーツデザインステアリングホイールを装着した場合は、シフトアップには左側の、ダウンには右側のパドルを手前に引くようになっている。

標準のステアリングホイールのサイズは330mmで、スポーツタイプの車にしては多少大きく感じられる。関係者に小さくできないのか尋ねると、計器類が見えにくくなるという答えが返ってきた。個人的にはそれでも小さめを希望するが、ポルシェのエンジニアならではの考え方なのだろう。とはいえ、電動水圧式のパワーステアリングは、低スピード時には軽くなり、時速約50kmを越えると先代を思わせるような満足のいくグリップ感を手のひらに伝えてくれる。

内装でもう1つ気になるのが、物を入れるスペースが少ない点だ。室内そのものが小さいことを考えれば仕方がないが、あと1つだけでも増やしてくれるとうれしい。

ボディーサイズは旧型に比べ、フロント部分が40mm広がったが、全体の車幅は変わらず、全長はわずかに伸びている。ホイールベースは60 mm ワイドになり、全高は 10 mm 低くなっている。全高に関しては、トップを新しくしたことで実現した。この新型のルーフは、マグネシウムとアルミニウムを使用しており、軽量化にも貢献しているという。さらに、時速50kmまでであれば走行中でもわずか9秒で自動開閉ができる。今回は、よく見るルーフの開閉の映像ではなく、スポーツクロノパッケージのインパネに内蔵されているストップウォッチを使い、9秒という数字の真偽のほどを証明するビデオを用意したので、チェックしてほしい。




ポルシェは率先して軽量化を行っているだけあり、新型ボクサーの車両重量はスタンダードモデルで約1310kg、Sモデルで10kg増の1320kgとなり、先代の987型と比べ約45kgの軽量化に成功している。前後重量比は変わらず46:54だ。

エンジンは先代のものを据え置いているが、スタンダードモデルは排気量を2.9リッターから2.7リッターに小型化しながらも10psパワーアップした265psとなっている。トルクは約1 kgmダウンの28.5 kgm。ボクスターSの3.4リッター水平対向エンジンでは、燃費とCO2排出量ともに15%の向上を実現しながらも、5psパワーアップし、315psを達成している。トルクは変わらず36.8kgmだ。他には、インテークとエキゾーストが新しくなったり、直噴式に変わっている点が挙げられるが、やはり、ポルシェらしく徹底的に効率化を追求している点が際だっている。

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オートスタート/ストップ機能は両モデルに標準装備となった。スポーツモードを選択していない時、信号を待つ間エンジンは停止し、時計の秒針の音が聞こえてくるほどに室内は静寂に包まれる。また、オープンにしている時や、でこぼこの多い南フランスの田舎道を走行している時でも、騒音や振動が少なく、乗り心地が向上したことを感じられるだろう。

7速PDKのSモデルにオプションとして用意されているスポーツクロノパッケージには、電子制御システムであるダイナミックトランスミッションマウントが含まれている。これは、911のエンジンマウントに使われているのと同じ機能性流体である磁性(磁気粘性流体)を利用したもの。これによって、コーナリング時のトラクション性能と走行安定性が大幅に向上した。また、PASMをスポーツやスポーツプラスモードにするとスロットルやステアリングの設定が変わり、PDKの制御などはよりスポーティに変更される。最新機能であるPTV(ポルシェ・トルク・ベクトリング)は、リアブレーキのキャリパー部分でリアアクスルの駆動力を可変配分し、コーナリングでの走行安定性を向上させる。ニース近郊の山道で5時間ほどテストドライブしたが、こうした機能がそれぞれ素晴らしい効果を発揮し、ポルシェが実に精巧な改良を施していることを実感できた。

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この日は、スタンダードモデルには乗れず、ボクスターSの2種類を試乗した。まずは、7速PDK装備のモデルだ。ポルシェの最新モデル全般に言えるように、デュアルクラッチのギアは反応が実に素早い。何と言っても、PDK装備のこのモデルは、ニュルブルクリンクで先代より12秒も速い7分58秒のタイムを出している。スポーツプラスモードでの0-100km加速はわずか5.0秒。一方、6速マニュアルでも、0-100km加速は5.1秒だ。クラッチは軽くて日常使いに適していて、ペダルも素早く上げ下げ出来る位置に据えられている。

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アクセルを踏みこむと、そのパワーに緊張感が走るが、重要なのはそれが制御可能だということだ。この車には完璧なバランスが備わり、コーナリング中盤に入ってもフロントへの負荷やリアの浮きを恐れずに運転できる。ポルシェが昨今のロードスターのエントリーモデルにターボチャージャーを搭載しない理由がこういったことからも分かるだろう。

同じことが、テスト走行を通して、安定した制動性能を発揮したブレーキにもいえるだろう。対向4ピストンのアルミニウム製モノブロックキャリパーはフロントが330mm、リアが299mm。オプションでセラミック製を付けることもできるが、パワーアップでもさせない限り、今回の2台についていえば、今のままで十分に対応できることは間違いないだろう。

この2台からどちらか1台を選ぶとしたら? PDK仕様車もいいのだが、ボクスターのようなタイプの車には、やはりマニュアル車に軍配が上がるだろう。ローラーコースターを思わせるモンテカルロの山道で、今回はボクスターSの走りを存分に味わうことができた。

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基本情報

エンジン: 3.4リッター水平対向6気筒
パワー: 315ps / 36.78kgm
トランスミッション: 7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)
0-100km加速: 5.0秒
最高速度: 277km/h
駆動方式: 後輪駆動
車両重量: 1320 kg
座席: 2シーター
荷室容量: 150リッター(フロント) / 130リッター(リア)
燃費: 未定
価格: $60,900(約510万円~)(日本での販売価格は未定)

By Damon Lavrinc
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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