2012年1月18~20日に東京ビックサイトで開催された、アジア最大級のクルマの技術展であるオートモーティブワールド2012にて、東レは、次世代型EVコンセプトカーである「TEEWAVE AR1」を展示公開した。

Toray Eco Efficient Wave Advanced Roadster 1を意味する「TEEWAVE AR1」は、CO2排出の少ない超軽量EVであり、高い衝突安全性と経済性を兼ね備えたコンパクトカーを生産性の高い車体と塗装代替技術により成立させた次世代の車両コンセプトが盛り込まれている。特に注目されるのが、車体基本構造使用している熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP)製のRTM(Resin Transfer Molding)一体成形モノコックとCFRP製衝撃吸収体である。従来CFRPを使用したレースカーや一部の量産車においてはそのほとんどがボンネットやトランクといった外装パーツの軽量化目的で使用されてきたが、「TEEWAVE AR1」では新開発のCFRP製衝撃吸収体により、シャーシ部分にもCFRPを使用することを可能にし、今までにない軽量化と同時に優れた車体剛性と衝突安全性を実現しているという。
CFRP製モノコック構造を採用すると、例えば4シーターの乗用車の場合、車体重量が1,520kgから975kgと約2/3に軽量化でき、また、CFRPエネルギー吸収体の効果によってエネルギー吸収量が約2.5倍なり、非常に高い衝突安全性も確保されるのだ。

ちなみに、CFRPに詳しくない読者のために補足をすると、よく耳にするカーボンボンネットやカーボンウイング等は、カーボンつまり炭素を繊維化した炭素繊維をプラスティックに入れて強度をアップしたものであり、つまりこれがCFRP(carbon fiber reinforced plastics)なのである

気になる外装デザイン、構造設計、製作に関しては、イギリスで環境対応タウンカーの企画・設計を手がけた実績のある元F1車体設計者のゴードン・マレー氏が代表を務める「Gordon Murray Design Ltd.」が行い、実際に公道を走行するための車両登録が可能な仕様を備えているという。

スペックは、全長3975×全幅1766×全高1154mmで846kgのボディ、47kw/3000~6000rpmの出力モーターが搭載され、最高速147km/h、航続距離185kmを達成している。

東レは今後自動車の製造販売を行うわけではなく、 「TEEWAVE AR1」を製作する上で得られた知見をさらに深化させ、自動車メーカーや部品メーカーとの共同開発で次世代自動車を進化させようとしているようである。東レのカーボン繊維は先日話題となったANAに導入されたボーイング787でも採用され、革新的な軽量化で航空業界を賑わしたが、次なるターゲットはクルマなのかもしれない。

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