【東京オートサロン2012】スーパーチャージャーを装着して193馬力!「ホンダ CR-Z MUGEN RR 」!
ホンダ車のチューニングやモーター・スポーツ活動で知られる「無限」は、「東京オートサロン2012 with NAPAC」の会場に2台の「CR-Z」ベースのコンセプト・カーを持ち込んだ。1台はドライカーボン製のボディ・パネルとスーパーチャージーによってホンダ CR-Zの可能性を極限まで追求した「MUGEN CR-Z RR」。そしてもう1台は、それをベースに量産化まで視野に入れて形状・素材・スペックを再検討したという「プリプロダクション」モデルだ。

2010年3月に発売された「CR-Z」は、最高出力114ps/最大トルク14.8kgmを発生する1.5リッターSOHC直列4気筒i-VTECエンジンに、14ps/8.0kgmでエンジンをアシストする電気モーターを組み合わせたハイブリッド・システムを搭載する2+2シーター・クーペ。ホンダのエコカー「グリーン・マシン3号」を名乗ると同時に、現在のところホンダが販売する唯一のスポーツ系モデルでもある。

そのCR-Zをベースに、ホンダ車に関するチューニングやレース用マシンの開発で世界的に有名な「無限」が、これまで培ってきた技術と経験を基に製作した試作車両が「ホンダ CR-Z MUGEN RR Concept」だ。



バレンシア・オレンジ・パールと呼ばれるカラーで塗られたボディには、風洞実験を繰り返してデザインを決定したというエアロパーツを装着。さらにドアやボンネット、テールゲート等をドライ・カーボン素材とすることで大幅な軽量化を達成した。リア・ウインドウはアクリル製に置き換えられている。

1.5リッターi-VTECエンジンには遠心式スーパーチャージャーが装着され、最高出力はノーマルから65psもアップした179psを発揮。最大トルクは6.1kgm増加の20.9kgmに達するという。14psの電気モーターはそのまま残され、過給されたエンジンをさらに後押しする。



インテリアでは、セミバケット・シートをはじめステアリング・ホイールのスティッチ、シフト・ノブ、フロアマットにボディ・カラーと同色のオレンジを取り入れ、マルチファンクション・ディスプレイの照明もオレンジ色に変更された。メーター・パネルやドア・ハンドルなどはカーボン・ファイバー製だ。



そんな内外にカーボン・ファイバーが惜しみなく使用されているCR-Z MUGEN RR Conceptをベースにしながらも、量産化を視野に入れて素材・形状を見直し、さらに実走テストを繰り返して走行性能を磨き上げたプリプロダクションモデル、つまり "生産前段階車両" が、ライム・グリーンの「ホンダ CR-Z MUGEN RR Pre Production Model」だ。
パワートレインはオレンジ色のモデルと同じくスーパーチャージャー付き1.5リッター・エンジン+電気モーターを搭載。大容量インタークーラーやドライカーボンで製作されたエアボックスとサクションパイプ、専用エアクリーナーを装備し、ECUのマッピングも専用に書き換えられているという。排気系ではエキゾースト・マニフォールドはノーマルのまま、センター排気のスポーツ・マフラーが装着されている。



全長調整式スポーツ・サスペンションを組み込んだ足回りには、17インチ鍛造アルミ・ホイールと205/45R17サイズの「アドバン ネオバ AD08」を履く。φ320mmの逆ベンチブレーキローターやモノブロック対抗4ピストン・キャリパーでもちろんブレーキも強化。6速マニュアル・トランスミッションはギア比が低められ、機械式LSDも装備する。その結果、筑波サーキットのラップタイムはノーマルを約5.6秒上回る1分8秒612を記録したという。



CR-Z MUGEN RRを担当された無限の方々にお話を訊いてみた。

無限の手掛けたCR-Zといえば、今回展示されている2台の他に、イギリスでホンダUKとのジョイント・プロジェクトとして製作されたという「MUGEN CR-Z」というクルマがあるはずです。それを含めて、3台の位置づけをお聞かせください。

「イギリスで発表したMUGEN CR-Zは、"パフォーマンス・コンセプト" ということで、動力性能を突き詰めたクルマです。 それに対してCR-Z MUGEN RRは、風洞実験によって開発したエアロパーツを取り付け、ドアやボンネットまでカーボン製にしたりと、やりたいことをやった "デザイン・コンセプト"。そしてそれをべースにしたグリーンのプリプロダクション・モデルは、サーキットにおけるタイム・アタックを目標に走行性能を煮詰めたものとなります」

無限の欧州法人「ムゲン・ユーロ」がワンオフで作り上げたというMUGEN CR-Zは、日本の無限本社とは無関係なのでしょうか?

「そんなことはありません。組んだのはムゲン・ユーロですが、日本製パーツが多数使用されています」

ホンダUKが係わっていると発表されていますが、日本のホンダは?

「無関係です」

同じホンダでも、日本とイギリスではスタンスが違うのですね。

「イギリスはモータースポーツが盛んな国ですから、ホンダUKとしてもCR-Zを販売していく上で、もっとスポーツ・イメージを打ち出したいという思惑があったのでしょう。ホンダUKは積極的です。イギリスにはチューニング・カーを規制する様な法律もないので(笑)。逆にアメリカ・ホンダでは、何かあった場合にユーザーからの訴訟を恐れて、動力性能の大幅なアップには消極的だったりします」

CR-Zのチューニングに着手されたとき、スーパーチャージャーをお選びになった理由は? 他にもチューニングの手段は考えられたと思うのですが。

「K20(ご存じシビック Type Rに搭載されている高回転高出力型の自然吸気エンジン)を積むとか?(笑)」

そういうのを期待する人も多かったのでは(笑)?

「まあ、K20も生産が終了してしまいましたしね...(笑)。それはともかく、CR-Zのチューニングに関してはIMA(電気モーターによるアシスト・システム)は残したいと思いました。と言いますのも、我々が開催する走行会なんかでCR-Zオーナーの方々に聞いてみると、ハイブリッドだからこのクルマを買ったんだ、と皆さんおっしゃる。IMAを外してしまったらCR-Zである意味がなくなってしまうのではないかと。ですから、まずIMAを生かすと決めまして、その上で色々な方向を考えたところ、スーパーチャージャーが最も効果的という結論に至ったのです」

なぜスーバーチャージャーなのでしょう?

「CR-Zに搭載されている1.5リッター・エンジンがあまり高回転型ではない、という理由が大きいですね。ターボではラグが問題になりますし」



グリーンのモデルは "プリプロダクション(生産準備段階)" とありますが、市販化が近いのでしょうか?

「市販化は今のところ未定です。もちろん市販前提で作ってきましたが。現在、無限という会社はお陰さまでけっこう大きなメーカーになりましたので、社会的な責任も大きい。耐久性と信頼性が充分確認できないと販売するわけにはいきません。今後はその辺りも含めて、さらに詰めていくということになりますね」

具体的にはどのような作業によってそれを?

「それはもう、何万キロも走り込むしかないわけです。市販化に関してはこうして皆様にご覧いただいて、その反響次第、ということになるでしょうか」

市販される際には、コンプリート・カーという形になるのでしょうか?

「方向としてはそうなりますね。パーツによっては単品で販売できるものもありますが」

例えば、マフラーを交換しただけでもパワーは上がりますか?

「我々は "原付バイク1台分" と言っていますが(笑)、数値上はちゃんと上がります。だいたい3馬力くらいですね。ただ、乗ってみるとそれよりも "音" が気持ちいいという効果の方が大きいですね」

昨年、イギリスのメディアなどで、ホンダの方でもCR-Zの高性能版を開発中という報道がありましたが、期待される性能と燃費の間で苦心している、とも言われています。

「これ(CR-Z MUGEN RR)は、乗るとすごく楽しいですよ。スーパーチャージャーがグワッと効いて、速いですし、またECOモードに切り替えれば燃費はノーマルとまったく変わりません」


以上のように答えてくださった無限スタッフの自信に満ちた表情が印象的だった。



ハイブリッド・カーとしての存在意義を守り、動力性能と環境性能の両立を、スーパーチャージャーを中心とした手法によって成し遂げたCR-Z MUGEN RR。普段はハイブリッド・カーらしい低燃費(ノーマルCR-Zと変わらないとすれば、10・15モード燃費22.5km/リッターということになる)で走行を可能としながら、時には合計193psに達するパワーを解き放ち、強化された足回りを生かしてサーキットやワインディング・ロードを駆け巡る。アグレッシブで華やかな内外装は色気も十分。
我々が本当に欲しいハイブリッドのホンダ・スポーツとは、こういうクルマだったのではないか。オレンジとグリーンに塗られた2台のCR-Zを見ていると、そんな気持ちになってくる。

とはいえクルマは、特に走りの性能が大事なスポーツカーは、乗ってみないと分からない、ということも確か。「早く皆様にも乗っていただきたい」という無限スタッフの言葉が実現する日が待ち遠しい。

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