ホンダは9日、北米国際オートショー(通称デトロイト・オートショー)において「NSX コンセプト」を発表。先代同様V6エンジンをミドに搭載しながら、さらに電気モーターの力で前輪を駆動するという、ハイブリッド4輪駆動のスーパー・スポーツだ。

初代「NSX」は、当時F1で最強と言われたエンジンをマクラーレン・チームに供給していたホンダが、1990年に発売したスーパー・スポーツ。量産車初となる画期的なオール・アルミニウム製モノコックに、3.0リッターV型6気筒VTECエンジンをミドシップ・マウント。800万円という日本車最高価格(当時)が付けられたことでも話題を呼んだ。その後15年間にわたって大きくモデルチェンジされることもなく作り続けられていたが、新しい排ガス環境規制に対応することが難しいため2005年に生産が終了。代わってV10エンジンをフロントに搭載する(と見られる)後継モデルがテストされていたのだが、世界的経済不況のあおりを受けて2008年には開発が凍結されていた。

ところが昨年、ホンダの伊東孝伸社長は突然、NSX後継車の開発再開を宣言。そして今、「NSX」というそのままの名前を掲げて次期型のコンセプト・モデルが登場した。

「軽量素材によって作られた」という車体の中央にV6エンジンを搭載、と、そこまでは初代NSXを彷彿させる。だがこの後継モデルが先代と最も大きく異なる点は、それに加えてフロントに搭載された2個の電気モーターが前輪を駆動するという、ハイブリッドの4輪駆動であるということだ。

「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」と名付けられたこのシステムは、左右の前輪にそれぞれ独立したトルクをコーナリング時に与えることで、「既存の4輪駆動とは比べようもないほど」高いハンドリング性能を発揮するという(「SH-AWD」とは、スーパー・ハンドリング・オールホイール・ドライブの略だとか)。エンジンについては「直噴システムを備える次世代のVTEC V6」と発表されただけで排気量・馬力などの詳細は明らかにされていない。これに組み合わされるデュアルクラッチ式トランスミッションには電気モーターが組み込まれ、加速時にエンジンをアシストするという。



プレスリリースには、「他の多くのスーパーカーが、巨大なエンジンによって野獣のような力を得ているのに対し、NSXコンセプトはパワー・トゥ・ウエイト・レシオを重視するという本物のレース哲学を守る」と些か挑戦的に書かれており、伊東社長は「初代NSXのように、我々は再び、効率を追求するエンジニアリングによって高性能を表現する」と語っている。これは1990年当時、ライバルたちよりも排気量が少ないエンジンを搭載していたNSXが、軽量なオール・アルミ製モノコックを武器に同等以上のパフォーマンスを目指したことを意味する。次期NSXではハイブリッドという新たな武器もそこに加わるわけだ。



初代NSXでオール・アルミ製モノコックの開発を担当した伊東孝伸社長が考える、現代のスーパー・スポーツのあるべき姿。それがパワー・トゥ・ウエイト・レシオとハイブリッドで高い運動性能と環境性能を実現する次期NSXになるのだろう。
実はこのNSX コンセプト、昨年10月にはすでにこれとよく似た姿で衆目の中に現れたことがあるにも拘わらず、発表の場に東京モーターショーではなくデトロイトを選んだ理由は、市販される際には日本ではなくアメリカで生産することが検討されているから、ということらしい。初代NSXのように「和製スーパーカー」と言えなくなるのは少し寂しい気も。発売は2014年、まずはアメリカから「アキュラ」ブランドで販売が始まり、追って日本をはじめ各国に輸出されるという形になりそうだ。

Related Gallery:Honda NSX Concept


■関連リンク
【噂】新型NSXが話題の映画に登場!?
今度こそ確実!? ホンダ社長がNSXの開発を明言
【東京オートサロン2011】20周年を迎えたホンダ NSXに、純正チューニング・パーツ登場!
【PR】新型NSXの購入を考える前に!まずは現在お乗りのクルマの査定価格を調べよう!