2011年F1第16戦韓国GP決勝レースが16日、韓国インターナショナル・サーキットで行われた。

前日の予選、ポール・ポジションは1人だけ1分35秒台を叩き出したマクラーレンのルイス・ハミルトンが獲得。レッドブルのドライバーがポール・ポジションを逃したのは、今シーズン初めてのことだ。
2番手には前戦鈴鹿でチャンピオン2連覇を決めたレッドブルセバスチャン・ベッテル。3番手はマクラーレンジェンソン・バトン、その横にレッドブルのマーク・ウェバーが並んだ。1、2列目は奇数列側にマクラーレン、偶数側にレッドブルというように分け合ったことになる。3列目はフェリペ・マッサフェルナンド・アロンソという2台のフェラーリが並ぶ。ザウバーの小林可夢偉はグリップ不足に苦しみ、14番手という結果になった。

韓国GP、スタート!

そして日曜日、気温21度・路面温度24度という涼しい気候の中、決勝レースがスタート。
1周目、長い直線の後に迎える3コーナーで、マッサがバトンをパス。次の4コーナーではベッテルがハミルトンをかわしてトップに立った。バトンはアロンソにも抜かれ、6位まで順位を落とす。
1周目のコントロール・ラインを通過したとき、順位はベッテル、ハミルトン、ウェバー、マッサ、アロンソ、バトンという並びに。

序盤、上位陣はタイヤに無理をさせないように淡々と走行を続けているように見える。
7周目には3位ウェバーと4位マッサの間にやや差が開く。アロンソ、バトンもマッサに抑えられる形に。先頭のベッテルは2位ハミルトンに2秒の差をつけて逃げる「いつもの勝ちパターン」。

ハミルトンを抜いてトップに立ったベッテル

ほとんどのドライバーが、軟らかい方のオプション・タイヤを装着してスタートしたため、早ければ5〜6周目にタイヤ交換が行われると予想されたが、意外とこのスーパー・ソフト・タイヤが保ち、10周目になってもタイムが落ちない。

ここでまず、プライム・タイヤを選択してスタートした小林可夢偉がピットへ。オプション・タイヤに履き替える。

上位陣では、2台のフェラーリにフタをされていたバトンが13周目を走り終えたところでタイヤ交換。意外と保ったオプション・タイヤを引き続き選択する。

翌周、3位走行中のウェバーと4位のマッサがピットへ向かう。両者硬めのプライム・タイヤに履き替える。

さらに次の周には、2位のハミルトンと5位のアロンソがタイヤ交換。ハミルトンは軟らかめのオプション・タイヤ、アロンソは硬めのプライム・タイヤを選ぶ。

そして16周目を走り終えたトップのベッテルも続いてピットへ。こちらはオプション・タイヤを選択。チーム・メイトと戦略が分かれた。

上位各車が1回目のタイヤ交換を終えてみると、バトンはそれまで抜き倦んでいた2台のフェラーリよりも前に出ることに成功。アロンソは再びマッサの後ろだ。

17周目、DRSを使ってアロンソを抜いたルノーのヴィタリー・ペトロフが、オーバー・スピードでコーナーに突入。メルセデスGPのミハエル・シューマッハに追突してしまう。これでシューマッハはリタイヤ。ペトロフはピットまで戻れたが、修復困難とみえそのままレースを終える。

この事故によってコース上に散乱したパーツを片付けるため、セーフティ・カーが出動。トップのベッテルが築き上げたマージンがなくなり、ハミルトンにチャンスが訪れた。

しかしベッテルは再スタートが上手い。20周目にセーフティ・カーがコースを離れてレースが再開しても、堅くトップを守り続ける。

セーフティ・カーの先導走行によってタイヤが冷えたところ、軟らかめのタイヤ(=温まりやすい)を履いたバトンが、硬めのタイヤ(=温まりにくい)を履くウェバーに仕掛ける。が、抜けない。

22周目、小林可夢偉とルノーのブルーノ・セナが接触。可夢偉はフロント・ウイングの翼端板を壊してしまう。それでも果敢にセナとのバトルを続けたが、アンダーステアが酷く、24周目にセナに抜かれるとピットへ戻り、フロント・ノーズとタイヤを交換する。これで21位にまで順位を落としてしまった。

セナとバトル中の小林可夢偉

27周目、タイムの上がらないメルセデスGPのニコ・ロズベルグを、マッサとアロンソがパス。ピットストップで逆転された順位を再び取り返した。ロズベルグは直後に2回目のタイヤ交換へ。

レース後半に入った33周目、3位を走行するウェバーが2位のハミルトンをオーバー・テイクしようと仕掛けるのだが、このサーキットはDRS(可変リアウイング:一時的にウイングを開けて空気抵抗を減らし、スピードを上げる)を使えるゾーンが短く、コーナーで相手を刺せるところまではなかなか入れない。この周で両者は同時にピットイン。2人とも硬めのプライム・タイヤを選択し、そのままの順位でコースに戻る。
コースに復帰しても、2人のサイド・バイ・サイドのバトルは続く。

34周目を走り終えたトップのベッテル、4位のバトン、5位のマッサがピットイン。最後のタイヤ交換を済ます。

37周まで引っ張ったアロンソがここでタイヤ交換のためピットへ。その寸前まで自己ベスト・タイムを記録する走りを続けた甲斐があり、マッサの前でコース復帰に成功する。この後アロンソは、バトルを続ける2位のハミルトンと3位のウェバー、4位のバトンたちと同じペースで走行を続けるが、ウェバーがハミルトンを抜けないように、アロンソもバトンをパスするところまではいけない。珍しくミスなどもして、無線で「ギブアップだ」と弱音(?)を吐く場面も。

左から2位のハミルトン、優勝したベッテル、1人おいて3位のウェバー

結局、1周目でトップに立ったベッテルは、そのまま "いつものパターン" で逃げ切り、今シーズン10勝目を挙げた。2位は12秒遅れてハミルトン。そこから0.4秒差で3位にウェバーが入った。
4位バトンと5位アロンソまで含め、2位〜5位までの差は3.5秒というなかなかの接戦だったが、最終ラップでベスト・タイムを記録するベッテルには格上の強さを見せつけられたとも言える。
このレースでレッドブル・レーシングは、2011年コンストラクターズ・チャンピオン獲得を決めた。

今季10勝目を祝うベッテルとレッドブル・チーム

小林可夢偉はフロント・ウイングを壊したことで、早めに2回目のピットインを強いられたため、43周目には3度目のタイヤ交換をしなければならず、最終的には15位でレースを終えた。
シーズン序盤にはライバルだったトロロッソやフォース・インディアなどのチームがここに来てかなりの力を付けてきている中、可夢偉のザウバーは劣勢に立たされている。2度目のピットインの後、順位を取り戻すために(下位チーム相手とはいえ)見せてくれたオーバー・テイクが、国際映像にわざわざリプレイ画面で映し出されたことは、F1の世界で可夢偉が期待されている証と言えるのではないだろうか。ザウバー・チームには何とかして、その期待と可夢偉の走りに応えるマシンを開発して欲しいところだ。

小林可夢偉とザウバー・チームは苦しい戦いが続く

なお、韓国GP決勝レースの最終的な順位は以下の通り。

優勝 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
2位 ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
3位 マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
4位 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
5位 フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
6位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
7位 ハイメ・アルグエルスアリ(トロロッソ・フェラーリ)
8位 ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)
9位 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ・フェラーリ)
10位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
11位 エイドリアン・スーティル(フォースインディア・メルセデス)
12位 ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ・コスワース)
13位 ブルーノ・セナ(ルノー)
14位 ヘイキ・コバライネン(ロータス・ルノー)
15位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
16位 セルジオ・ペレス(ザウバー・フェラーリ)
17位 ヤルノ・トゥルーリ(ロータス・ルノー)
18位 ティモ・グロック(ヴァージン・コスワース)
19位 ダニエル・リチャルド(HRT・コスワース) 
20位 ジェローム・ダンブロシオ(ヴァージン・コスワース)
21位 ヴィタントニオ・リウッツィ(HRT・コスワース)
 
次戦は今年が初めての開催となるインドGP。
ベッテルがここでも強さを発揮するのか。それとも最近好調のマクラーレン勢が制するか。初開催ということで予測し得ない要素が絡めば、フェラーリが付け入る隙もあるかも知れない。
決勝レースは、30日の日本時間18時30分スタート。終了後には、また結果順位の速報をお届けする予定となっているので、いち早く結果だけでも知りたいという方は、ぜひご覧いただきたい。


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Image Credit: Vincent Thian, Toru Takahashi, Eugene Hoshiko, Lee Jin-man/AP | Clive Mason, Clive Rose, Vladimir Rys/Getty | Sauber Motorsport AG


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