【フランクフルトショー2011】シトロエンの「トゥビック」は未来の「H バン」!?
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シトロエンは、現在開催中のフランクフルト・モーターショーに近未来の高級ミニバンとも言うべきコンセプト・カー「TUBIK (トゥビック )」を出展。そのスタイルは、第二次大戦時に軍用バンとして使われた「T.U.B.」や、それを始祖に戦後30年以上もの間生産された商用バン「タイプ H」:通称「H(アッシュ)バン」にインスピレーションを受けたという。

フロント・グリルに大きなダブル・シェブロン・マーク(「へ」の字を二つ重ねたマーク)が付いた、四角い鉄板を貼り合わせたような大型の商用バンを、1度ならずとも目にしたことのある方は多いのではないだろうか。素っ気ない実用第一に考えられたそのスタイルは、今となってはレトロでなかなか愛らしく見えることから、ブティックや移動コーヒー・スタンドのようなところで使われている姿をたまに見かける。

そんな生産終了後30年(T.U.B.の誕生から数えれば70年)も経って今なお愛されているシトロエンの「Hバン」を、スタイリング上のテーマとして利用し、さらに現代最新の技術を詰め込んで作られた "コンセプト・バン" がトゥビックだ。言ってみればフォルクスワーゲンの「ビートル」やMINIなどでお馴染みの手法ではあるが、もはや現代のそれらが単なる大衆向けの安価な小型車ではないように、トゥビックもH バンのような商用貨物車ではない。シトロエンによればそれは「移動の愉しさを第一に考えたエグゼクティブのためのハイテク・シャトル・バス」であるという。

ドアはこんな風に大胆に開く

3列9人乗りの室内は、快適にリラックスできる「ラウンジ・スタイル・コクーン」としてデザインされ、シート・レイアウトは様々に変更可能。大型のTVスクリーンやサラウンド・オーディオ・システム、環境照明などを備える。シート表皮にはフェルトが使われ、背もたれとドアの内側にはシルク、フロアにはレザーが張られているという。

ユニークなのはドアの開き方。ボディ右側面がガルウイングの様に上に跳ね上がることで、1列目から3列目までどの座席にも(頭をぶつける危険も少なく)アクセスできる。
"運転手" のためには独立したドアが左前側に設けられ、こちらは斜め前方に開く「マクラーレン(「F1」や「MP4-12C」)」スタイル。

http://jp.autoblog.com/photos/citroen-tubik-concept-frankfurt-2011-1/#4464113
1列目シートは回転可能。2列目は折りたためばテーブルに。

運転席もほとんどキャビンから独立しており、シート、ペダル、ステアリング・ホイール、ヘッドアップ・ディスプレイなどが円形状に一まとまりにデザインされている。これらは指紋認証システムによって作動するというから、登録されている人以外は運転を替われない。つまり「8人の乗客+1名の運転手」とはっきり割り切ってデザインされているのだろう。ちなみに運転席のシートは革張り。後部座席に手触りの良いシルクが使われ、運転手用の前席には耐久性を重視して革が張られるというのは、馬車の流れを汲む古式正しい「ショーファー・ドリブン」スタイルだ。「階級社会」という言葉が頭をよぎる。

キャビンから独立した運転席。

パワートレインはPSA(プジョー・シトロエン・グループ)自慢の「ハイブリッド4」システム。ディーゼル・エンジンが前輪を、電気モーターが後輪を駆動する、その名の通りハイブリッドの4輪駆動である。

ダブル・シェブロンが付いたフロント・グリルや、リブの入ったフロント・マスク、フロント・フェンダーまで直線状に延びているAピラーなどは、もちろんH バンへのオマージュだ。そんなトゥビックの全長は4,800mm、全幅2,080mm、全高2,050mm。これだけ巨大で空気抵抗の大きそうなボディにもかかわらず、ハイブリッド4のおかけでCO2排出量は「一般的なサルーン並み」だという。

トゥビックもまたプジョーの「HX1」と同じく、フランス流高級MPVという提案。H バンとは用途も出自もまったく違うが、もし市販化されたら移動コーヒー屋としての利用はH バンより容易かも知れない。ハイブリッド・システムで充電された電力が、エスプレッソ・マシンなどの電源として使えるからだ。
もっともトゥビックにはコーヒーよりも、ワインかカクテルの方が似合いそうだけれど。


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