有名人や政治家に対する取材手法や物議を醸す記事で、これまでもたびたび裁判沙汰を起こしてきたイギリスの人気タブロイド紙『ニュース・オブ・ザ・ワールド』(以下:ニュース紙)が、7月10日発行分をもって廃刊することになった。現在、同紙が長年にわたりハッカーを雇って大規模な電話盗聴を行っていたとして警察が捜査中だが、今月4日、犯罪被害者のボイスメールを盗聴していたことが発覚したのが廃刊の決定的な理由となったようだ。

アメリカのメディア・マーケティング情報誌『アドバタイジング・エイジ(Advertising Age)』の電子版によると、2002年に誘拐・殺害されたミリー・ダウラーさん(写真)の携帯電話の留守電をニュース紙が盗聴していたことが判明。ミリーさんは当時行方不明と見なされていたが、ニュース紙は彼女の留守電メッセージがいっぱいになってしまうと、新しいメッセージが受け取れなくなってしまうため、古いメッセージを勝手に削除していた。「ミリーが携帯電話を使っている」と誤解した彼女の家族はミリーさんがまだ生きていると信じて帰りを待ち続けていたという。

こうした極めて悪質な行為が明らかになり、Twitter上で同紙の不買キャンペーンが始まった。そして、"広告主殿、殺人被害者の携帯電話をハッキングするような新聞社に広告を出すのは倫理的なことでしょうか?"と問いかけるツイートが、フォード・モーター・カンパニー(以下、フォード)やルノーといった同紙の大手広告主17社宛てに大量に送られてきたという。

これを受けてフォードは、同紙に対するすべての広告出稿を取りやめた。広報担当者は、"我が社は社会・企業行動規範を重大なものと認識しており、現在は警察による捜査の結果待ちである"という内容の声明も発表している。

なお、フォード以外にも2社がニュース・オブ・ザ・ワールド紙への広告出稿取りやめを検討していたという。(日本時間では)すでに廃刊になったとはいえ、同紙の盗聴疑惑は今後も大きな波紋を呼びそうだ。

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