日産がニスモと共に、電気自動車「リーフ」のレーシング・カーを開発!
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日産は、電気自動車「リーフ」のレース仕様車を、20日から開催されるニューヨーク国際オートショーに出品すると発表した。とは言っても、現段階では実際にこのクルマで電気自動車のレースに参戦するというわけではない。どうやらこれは、日産がモータースポーツ界に向けて送る「電気自動車でレースをしよう!」というメッセージであるようだ。


この「日産 リーフ NISMO RC」と名付けられた電動レーシング・カーは、日産「リーフ」の市販モデルをベースにレース仕様に改造‥‥というだけのクルマではないらしい。

車体はカーボン・ファイバー製モノコックを採用し、サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン。つまり市販車とはまったく別のシャシー構造を持つ。
パワー・トレインこそリーフのEM61型電気モーターを流用しているが、搭載位置はインバーターと共にフロントからミドシップに変更。後輪駆動であることも市販リーフと異なる。48個のリチウムイオン・バッテリーパックから、最高出力80kW(109ps)、最大トルク280Nm(28.6kgm)を発揮するというスペックに関しては、市販モデルと変わらない。

5ドア・ハッチバックというボディ形状を持つ市販車のリーフに対し、リーフ NISMO RCは2ドアのクーペ・スタイル。日本にある日産グローバル・デザイン・センターがデザインを担当したそうだ。前後のボディ・カウルは外すことが出来るように設計されている。LED式のヘッド・ライトとテール・ライトを持ち、リア・ウイングはドライバーがコクピットから角度を調整することが可能だという。まるで今年のF1マシンの様だ。18インチ・ホイールに225/40R18というサイズのブリヂストン社製レーシング・タイヤを履く。

4層コートのパール・ホワイトで塗装されたボディのサイズは、市販リーフよりも20mm長く、170mm幅広く、そして何と350mmも低い。ロード・クリアランスは市販車リーフが約160mmなのに対し、サーキット専用車であるリーフ NISMO RCではわずか60mm。ホイール・ベースは99mm短縮されている。

カーボン・ファイバーを多用し、後部座席やエアコン、オーディオなどの装備を取り外した結果、車両重量は938kgにまで軽量化された。ちなみに市販モデルのリーフは1,520kg。0-100kmh加速も大幅に(約5秒ほど)短縮され、6.85秒と発表されている。この数字はMINI「ジョン・クーパー・ワークス」と、フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」の中間。つまり過給器付き市販高性能ホットハッチ並み、といったところか。最高速度は約150km/hと、市販リーフと大差ない。

ちなみに、レーシング・スピードで走行すれば20分でバッテリーはカラになる。30分間の急速充電で80%まで充電できるというが...実際にこのクルマでレースをするなら20分以下で走れるスプリントになりそうだ。


日産 リーフ NISMO RCは、その名前の通り、日産とそのモータースポーツ部門「ニスモ」との共同開発という形で製作された。「RC」とは「レーシング・コンペティション」の略で、ニスモ製市販レース仕様車「日産 ニスモ GT-R RC」とお揃いの "称号" が与えられている。

このままレースに出られるマシンということを想定して作られているわけだが、現在のところ、この日産 リーフ NISMO RCが実際にレースに参戦する、という具体的な計画は発表されていない。
2011年には各モータースポーツ・イベントでデモンストレーション走行を行い、日産こそがゼロ・エミッション・モータースポーツの開拓者になるのだと鼻息は荒い。

つまりこれは、日産から他の自動車メーカーやモータースポーツ界、レース関係者、レーシング・チームなどに向けて送る「電気自動車でレースやろうぜ!」というメッセージではないだろうか。

実は日本では、2010年3月に発足された「JEVRA(日本電気自動車レース協会)」によって、「オール・ジャパン EV-GP シリーズ」という電気自動車限定のレースが2010年から開催されている。「テスラ・ロードスター」や「三菱 i-MiEV」などの電気自動車として市販されているモデルと、市販自動車を改造してEV化したクルマが参戦するこのレース、今年も4回の50kmレース大会が開催される予定だ。
また、FIA(国際自動車連盟)では早ければ2013年から、電気自動車で競われるシリーズの立ち上げを計画していると、先日明らかにされている。

レースの世界で互いに競い合えば、それは開発技術の向上につながり、やがてその技術が市販車にフィードバックされ、自動車は進歩していく。過去100年以上にわたる自動車とレースの歴史が証明している通りだ。

電気自動車の世界でも、これからレギュレーションやレース形態によって様々なカテゴリーのシリーズが生まれるだろう。
純粋に速さを競うスプリント・レースだけでなく、耐久レースやラリーなんかも面白そうだ。


それにしても、日産がプレスリリースで述べている「日産 リーフ NISMO RCは、 "レーシング・グリーン" という言葉に新たな意味をもたらす」...というのは、イギリス人が聞いたら怒るかも?


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