別れた戦略!見せた激走! F1第3戦中国GP決勝結果
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17日、F1第3戦中国GP決勝が上海インターナショナル・サーキットで行われた。ポール・ポジションからのスタートは、開幕から3戦連続となるレッドブルのセバスチャン・ベッテル。以下、マクラーレンのジェンソン・バトンとルイス・ハミルトンが続く。メルセデスGPのニコ・ロズベルグは、フェラーリの2台、フェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサを押さえて2列目をゲット。小林可夢偉は13番手からのスタートとなった。

1周目、なんとこれまでの2レースではトップで飛びしてそのままチェッカーを受けるまでレースをコントロールしていたセバスチャン・ベッテルがスタートで出遅れる。クラッチ・ミートの時にエンジンの回転が落ち込んでしまったことがリプレイを見ると分かる。先行しようとするマクラーレンを牽制するようにマシンを寄せるベッテル。しかしこれでさらに1コーナーまでにタイム・ロスする結果に。
結局、マクラーレンの2台に行かれ、4番手スタートだったロズベルグにまで襲い掛かられるが、これは何とか抑えてベッテルが3位を死守。フェラーリ勢ではマッサがアロンソの前に出た。小林可夢偉は2つポジションを上げて11位へ。

予選が上手くいかなかったレッドブルのマーク・ウェバーは、一人だけプライム(硬めの)タイヤを履いて18番手からスタート。他のマシンがタイヤ交換のためにピットインする中で粘って順位を上げるという作戦だったが、走り出してみたら思いのほか順位が上がって行かない。苦戦しながら10周目を走り終えた時点でピットへ。軟らかめのオプション・タイヤに交換する。

15周目、ハミルトンをパスして2位に上がったベッテルと、トップ走行中のバトンが同時にピットイン。と思ったら何故かバトンがレッドブルのピットに入ってしまう!「きみはここじゃない」と促されて自分のピットへ向かうバトン。その後ろから空いたピットに入ってくるベッテル。タイヤ交換を済ませ、先にピットアウトしたのはベッテルだった。これで2台の順位が逆転することに。

次の周、フェラーリのマッサがハミルトンを抜き、2台ともピットイン。そのままの順位で出て行く。

この時点でトップに立っていたのは、なんと13周でタイヤ交換をすでに終えていたロズベルグ。だがどうやらメルセデスGPはピットストップを3回行う作戦らしい。レース前には2回ストップがベストと言われていたし、ほとんどのチームが2ストップ作戦を採ると思われていた。

ところが24周終了時に、ラップタイムが落ちていないにもかかわらず、マクラーレンのバトンがピットイン。軟らかい方のオプション・タイヤに交換する。現在のF1では、必ず2種類のタイヤを両方使わなければならないというルールがあるから、オプション・タイヤでスタートしているバトンはもう一度、3回目のピット・ストップをして硬めのプライム・タイヤに交換しなければならない。
翌周、ロズベルグとハミルトンがピットイン。それぞれ、やはりオプション・タイヤに履き替える。
つまり、マクラーレンとメルセデスGP、そして18番手スタートのウェバーは3ストップ作戦を採ることが判明した。
結局、これが勝負を分けることになる。

31周、トップを走っていたベッテルが2回目のピットイン。タイヤはプライム。つまりこのまま最後まで走り切る作戦だ。
2周後、フェラーリのアロンソも同様に2回目にして最後のピットイン。
同じ2ストップ作戦ながら33周目まで粘ったマッサだったが、ピットアウトしたときにベッテルを逆転することが出来ず。焦ったのかピットレーンの白線を踏んでしまった。

36周目、ハミルトンが同僚バトンをパス。この時点での順位は、ロズベルグ、ハミルトン、バトン、ベッテル、マッサ。上位3人はもう一度ピットインしなければならない。

38周目から40周目にかけて、バトン、ハミルトン、ロズベルグの順に3回ストップ組がピットイン。その間にベッテルは自己ベスト・タイムを更新しつつトップを快走する。

40〜41周目、ハミルトンは目の前のロズベルグを追い回す。ここでロズベルグに「燃費が厳しい」という無線が入る。フル・パワーが出せないロズベルグは42周目、ハミルトンに先行を許す。
勢いづいているハミルトンは45周目、2回ストップ作戦のためすでにタイヤが消耗しつつあったマッサをパスして2位に上がる。

勢いづいているドライバーがもう一人いた。18番手スタートながら後半に軟らかめのオプション・タイヤを2回続けて使い、次々と順位を上げて来ていたマーク・ウェバーだ。45周目にはアロンソを抜いて6位にまで上がる。

いよいよレース終盤。同じタイヤで20周も走り続けているベッテルはもうかなり辛い。しかも無線が壊れていて、チームの声はベッテルに聞こえるのだが、ベッテルの声はチームに届かないという状態。猛追してくるハミルトンに対してKERSも使わず(使えず?)防戦を続けていたが、ついに52周目、ターン7の高速コーナーでハミルトンがベッテルを抜き去る。そのままチェッカー・フラッグを受け、ハミルトンは15勝目を挙げた。

もう一人の猛追男ウェバーは、こちらもKERSを使わず(使えず)、マッサ、ロズベルグ、バトンまで抜いて気がつけば3位。15台抜きで表彰台に上った。

日本期待の小林可夢偉は、今回のレースではメルセデスGPやフォース・インディア、ロータス・ルノーと戦いながら粘り強く走り続け、10位入賞。1ポイントを獲得した。
小林は14周目に他車と接触、フロント・ノーズに穴を開けてしまい、そのままの状態で走り続けていた。「技術的にはそのままドライブすることに問題はなかったけれど、コース上のゴミやホコリがコクピットの中に入って来てしまい、白いレーシング・スーツがすっかり汚れてしまった」そうだ。


中国GPの最終的な順位は以下の通り。次戦トルコGPは5月8日15時(日本時間午後9時)決勝スタートだ。

優勝 ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
2位 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)
3位 マーク・ウェバー(レッドブル・ルノー)
4位 ジェンソン・バトン(マクラーレン・メルセデス)
5位 ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)
6位 フェリペ・マッサ(フェラーリ)
7位 フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)
8位 ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)
9位 ヴィタリー・ペトロフ(ルノー)
10位 小林可夢偉(ザウバー・フェラーリ)
11位 ポール・ディ・レスタ(フォースインディア・メルセデス)
12位 ニック・ハイドフェルド(ルノー)
13位 ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ・コスワース)
14位 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ・フェラーリ)
15位 エイドリアン・スーティル(フォースインディア・メルセデス)
16位 ヘイキ・コバライネン(ロータス・ルノー)
17位 セルジオ・ペレス(ザウバー・フェラーリ)
18位 パストール・マルドナド(ウィリアムズ・コスワース)
19位 ヤルノ・トゥルーリ(ロータス・ルノー)
20位 ジェローム・ダンブロシオ(ヴァージン・コスワース)
21位 ティモ・グロック(ヴァージン・コスワー)
22位 ヴィタントニオ・リウッツィ(HRT・コスワース)
23位 ナレイン・カーティケヤン(HRT・コスワース)

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