【レポート】リコール制度のないインド、関係者も導入には消極的!?世界第2位の人口を誇るインドには、驚くことにリコール制度がないそうだ。しかも、インド版『MSNニュース』によると、インド自動車工業会(SIAM)は「他に優先すべき課題があるため、近いうちに制度導入が検討される見込みはない」と話しているという。

SIAMのパワン・ゴエンカ会長は、「(リコール制度は)将来的に必要となるだろうが、それがいつになるかは分からない。現時点では政府にとって最優先事項ではないからだ」と、特に心配する様子もなく取材に答えている。そして、自動車産業に本格的に力を入れ始めたばかりのインドでは、安全性や品質、排ガスに関するよりきめ細かい国家基準を設けることが先決だと付け加えた。

とはいえ、制度がないからといって、リコールが実施されていないわけではない。先週、スズキの子会社でインド最大手のマルチ・スズキ・インディアは、ディーゼル車両13157台のリコールを発表したばかりだ。また、今年2月にはホンダの現地法人であるホンダシエルカーズインディアが、エンジンパーツの不具合を理由に57853台の中型セダンをリコールしたこともあった。

このように独自の裁量でリコールを実施しているメーカーがある一方で、インドではリコールに否定的なイメージを持つ消費者が多いという文化的背景があるため、メーカー各社は慎重にならざるを得ないようだ。例えば、何度か発火事故を起こしている超低価格コンパクトカー「ナノ」に対して、メーカーのタタ・モーターズは安全性向上のための点検や無償修理を行うと発表しているが、これを"リコール"と呼ぶことを拒否している。

というわけで、独特なお国柄も手伝って、インドでリコール制度が法的導入されるのはかなり先のことになりそうだ。