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ブーメランが手掛けたトヨタ スポーツ800の高解像度ギャラリーは上の画像をクリック

一風変わった「トヨタ スポーツ800」を2台並べていたのは、静岡県の「ブーメラン」。レース仕様の黄色いクルマは、マレーシアで開催された24時間レースを戦った車両で、隣の黒い方は言わばそのロード・バージョンだという。どちらのクルマも、ボンネットからドア、ルーフまでカーボン・ファイバーで出来ているそうだ。

トヨタが1965年に発売した「スポーツ800」は、非力な2気筒エンジンを搭載しながらも、車両重量580kgという軽さと空気抵抗の少ないボディを武器に、レースでも活躍した。昨年もオリジナルに近い状態の車両をご紹介したが、今年はちょっと変わったモディファイが施されているクルマを見付けたので是非ご覧いただきたい。

黄色いボディのレース仕様車は、軽自動車ベースの車両で競われるモーター・スポーツ「K4GP」に参戦するために製作されたもの。トヨタ スポーツ800は排気量790ccなのでもちろん軽自動車ではないが、小排気量の旧車は参戦が認められているらしい。2007年にマレーシアのセパン・サーキットで開催された24時間レースに出場し、途中エンジン載せ替えなどのトラブルがあったものの24時間で184周を走行したという(リザルトは54台中50位)。

エンジンはカム交換などのチューニングが施され約70psを発生するとのこと。足回りやブレーキには現代のパーツが使われ、ステアリングのラック&ピニオンは「ホンダ・ビート」のものを流用しているそうだ。フロント・ノーズの大きなドライビング・ランプが愛嬌を醸し出しているが、これも24時間レースの夜間走行に備えてのもの。ボディの各部はカーボン・ファイバー製に置き換えられ、もともと軽い車体が一層軽量化されている。

このレーシング・トヨスポ(ブーメラン代表の安藤氏は、トヨタ スポーツ800のことをよく言われるような「ヨタハチ」という通称ではなく、「トヨスポ」と呼ぶ)を製作する上で培われたノウハウを、公道用車両にフィード・バックさせたのが、隣に置かれているナンバー・プレート付きの黒いトヨタ・スポーツだ。
こちらもボンネットやルーフ、ドア、燃料タンクなど各部がカーボン・ファイバー製になっており、手でドアを開けてみると恐ろしく軽い。今後はフロアまでカーボン・ファイバーにして「目標は(車両重量)400kgを切る」とのこと。
エンジンは今のところほぼノーマルだが、これからキャブレターの代わりにMoTeC(モーテック)を使用してインジェクション化する予定。最終的には「レース用と同じ70psくらいになる」そうだ。

安藤氏が「自分で乗りたいから作った」というこのクルマ、これまでに1千万円を超える費用がかかっているとのこと。だから「とても売れない」というが、このクルマに装着されているカーボン・ファイバー製パーツは「今なら型があるから作れる」そうだ。特に燃料タンクは「錆びちゃってるクルマが多い」というから、ヨタハチ、ではなくてトヨスポ・オーナーの方で心当たりのある方はお早めに。こちらもオリジナルの鉄製と比べるとびっくりするほど軽かった。
トヨタ スポーツ800用カーボン・ファイバー製燃料タンクと、ホンダ・ビート用ハード・トップ

こちらの安藤氏が率いる「ブーメラン」は、普段は主に自動車メーカーからの仕事が多いそうだが、電気自動車からiPodケースまで、実に様々な "もの作り" を請け負う会社で、カーボン・ファイバー加工は得意分野の1つという。この日もホンダ・ビート用のハード・トップなどいくつかの製品を出展していた(意外とリーズナブルなお値段が付けられていた)。
現在は某自動車会社との共同プロジェクトで、あるクルマのプロトタイプを復刻する作業に取り組んでいるそうだ。

一品モノの製作からロット単位での量産まで、色々と相談に乗っていただけるようなので、興味をお持ちの方は是非、以下の公式サイトからご連絡を。

「Boomerang(ブーメラン)」


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