EV関係部品の製造、輸出入を行うTGMYは、1月19~21日に東京ビックサイトで開催された第3回国際カーエレクトロニクス技術展にて1回の充電で550km以上走行できるTGMY EV HIMIKOの受注を2011年後半より開始することを発表した。
ベース車両となるのは、光岡自動車の卑弥呼
卑弥呼は、マツダロードスターをベースとするクラシックスタイルの2ドアオープンカーであるが、TGMY EV HIMIKOは、その卑弥呼をベース車両として、エンジン、トランスミッション、ガソリンタンクを降ろし、代わりにモーターと2段ミッション、バッテリーを搭載している。 スペックは、モーター出力 25KW(定格)、59kW(最大)、モータートルク 140Nm(定格)、280Nm(最大)、最高速は160km/h。
バッテリーは、リチウムポリマー 62kWhを搭載し、4時間(75A電源時)で満充電となる。
EVに関心のある読者は少なからず違和感を覚えたかと思うが、一般的にトランスミッション不要といわれるEVであるのに、なんと2段ミッションが搭載されているのだ。
担当者によるとEVの場合、モーターがフレキシブルに対応するため、エンジン車のようなトランスミッションが搭載されない場合が多いが、モーターの種類によってはトルクが弱く登坂性能が足りない場合には、登坂用のギアを備えたEVも以前より多数登場しているという。 ちなみに三菱i-MiEVや日産リーフ、テスラロードスターでは変速ギアは搭載されていない。

実は、このトランスミッションが航続距離550kmに貢献している「ミソ」である。
TGMY EV HIMIKOに搭載されているトランスミッションは、様々な変速機を製造している繁原製作所製のEV用2速減速機であり、市街地走行用のギアと高速走行用のギアと2段に切り替えが可能であるのだ。
つまり、普段は市街地走行用のローギア、遠出する際の高速道路ではハイギアを使い分けることで、EV車の弱点である登坂性能と航続距離を両立しているのだ。
ギア切り替えというオーソドックスな手段ではあるが、大手自動車メーカーでは、このような方式が採用されていないので、ある意味画期的な方法かもしれない。
ちなみに変速の方法は、モーターが停止している際に、車内のレバーで操作するだけで、特にクラッチ等の操作は不要とのこと。販売価格は未定とのことであるが、バッテリーが全部で8個搭載され、それだけで1,000万円。車両代(卑弥呼のエントリーモデルで458万円)、コンバージョン代を考えると2000万程度が想定される。
テスラロードスターが1,810万円ということを考えると妥当な価格設定かもしれない。
担当者は、どうにか700万円ぐらいにしたいとその意気込みを口にしていたが、バッテリーが1,000万円であればその部分を削る、つまり航続距離が犠牲になるのかもしれない。

日産のリーフは、JC08モードで航続距離が200kmと公表されているが、ちょっと日帰りスキーにというとやはり500kmぐらいは走って欲しいという期待はある。
その点この画期的なギア付きEVはこの期待に応えてくれそうだ。

Related Gallery:Faked Kidnapping