国土交通省、横滑り防止装置とブレーキアシスト装着を義務化!安全性向上!価格は上昇!?
国土交通省は9日、これまで任意装着だった横滑り防止装置(ESC)とブレーキアシストシステムを、車両の安全性向上のために義務化することを発表。新型生産車は平成24年10月1日(軽自動車にあっては平成26年10月1日)以降、継続生産車は平成26年10月1日(軽自動車にあっては平成30年2月24日)以降に製作された車両から適用される。

横滑り防止装置(ESC)とは、事故の発生を未然に防ぐ「アクティブ・セイフティ(予防安全)」という考え方に基づいて開発された装置。滑りやすい路面を走行中や、急なハンドル操作によってクルマが横滑りした時、センサーがこれを感知し、コンピューターが4つの車輪に適切なブレーキを個別にかけたり、あるいはエンジンの出力を制御してクルマの進行方向を修正・安定させる。

独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)の発表によれば、このESC装着車は非装着車に比べ事故率が36%も減少するという。自動車保険でもESC装着車には割引を用意している会社が多い。
このように事故減少につながることは十分に認められていながら、主にコストの問題から日本車の中には(特にコンパクト・カーや軽自動車で)ESCが標準装備されていない、あるいはオプションでさえ装着できない車種が少なくなかった。
国土交通省では、この義務化によって装置の生産・開発コスト低減が図られるとしている。

この横滑り防止装置のことを、トヨタ・スバルではVDC、ダイムラー・フォルクスワーゲン・スズキなどではESP、BMW・マツダではDSCと呼んでおり、自動車メーカーによって名称が異なるのでややこしい。ご自分のクルマに装備されているかどうか、すぐには思い当たらないという方も多いだろう。
日本ではこの装置の主要メーカーよって組織された「ESC普及委員会」が、登録商標ではないESC(Electronic Stability Control) という言葉に統一し、一般名称として用いるよう呼びかけている。

参考までに、現在販売されている代表的な車種のESC装備状況は以下の通り。

<トヨタ> 

ヴィッツ
1.5RSのみオプション装着可。他は装着できず。

カローラフィールダー
1.8モデルのみオプション装着可。1.5モデルは装着できず。

IQ 
全て標準装備。


<ホンダ>

フィット
ハイブリッドの最高グレードに標準装備。CVT仕様車(最廉価グレードを除く)とRSの6MT仕様でオプション装着可。最廉価グレードL、5MT車、4WD車では装着できず。

ステップワゴン 
最廉価グレードは装着できず。中間グレードはオプション装着可。最高グレードは標準装備。

インサイト
最高グレードに標準装備。他グレードはオプション装着可。


<日産>

マーチ
装着できず。

ティーダ
装着できず。

セレナ
最廉価グレードは装着できず。他グレードは標準装備。


<マツダ>

デミオ
装着できず。

アクセラ
1.5モデルは装着できず。2.0モデルは標準装備。


<スズキ>

スイフト
最高グレードのみ標準装備。他は装着できず。


<ダイハツ>

ブーン
全車オプション装着可。


<三菱>

コルト
装着できず。


<スバル>

インプレッサ
2.0ターボモデルのみオプション装着可。


意外と装備するモデルが少ないことにお気づきだろう。中には、モデルチェンジによってオプション設定からなくなった車種もある。

2年後にはESCが標準装備になると分かっていながらも、それ以前に購入したい顧客はいるだろうし、メーカーや販売店も買い控えられてはたまらない。車種によっては義務化を待たずに(案外早く)装備してくるものもあるかも知れない。
それによる価格上昇額も含めて、各メーカーの対応が注目される。


ESCと同時に義務化されるブレーキアシストシステム(BAS)だが、これは緊急ブレーキが踏まれたとシステムが判断した場合、ドライバーが踏み込んだ以上にブレーキの強さを高めるというもの。各メーカーにより機械式・電子制御式など様々な機構がある。
どの程度のブレーキングを「緊急」と判断するかはシステムによって異なるため、現在これが装着されているクルマに乗った人の中には違和感を覚える人もいるようだ。また、スポーツ・ドライビングの際には邪魔になることもある。

この装置が付くことで避けられる事故も、もちろんあるだろう。しかし、スポーツ・モデルも含め全ての車種で義務化という決定には、ユーザーの中にも賛否ありそうだ。

ちなみに、ルノーでは「ルーテシア」も「トゥインゴ」も標準モデルはBASを装備しているが、"走り"を磨いたルノー・スポール仕様には付かない。これが長年モーター・スポーツ活動に携わるルノー・スポールの見識である。