【東京コンクール・デレガンス2010】メルセデスの
「東京コンクール・デレガンス」の会場となった潮風公園には、ガルウイング・ドアを持つ新旧メルセデス・ベンツが並んで展示されていた。1954年発表の伝説的名車「300SL」と、マクラーレンとの共同開発で誕生した「SLRマクラーレン」の最終形「SLRスターリング・モス」、そして今年日本でも販売が始まった「SLS AMG」である。

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メルセデス・ベンツ 300SLは、1952年のル・マン24時間レースで優勝したレーシング・カーをベースに公道用に仕立てた、当時のスーパー・スポーツにして超豪華なGTカー。上に跳ね上がる特徴的なドアは、左右両側を開いた状態がカモメの翼のように見えることから「ガルウイング」と呼ばれる。300SLのシャシーは鋼管をバード・ケージ(鳥籠)状に組んだスペース・フレーム構造で、サイド・シルの高い部分(普通のドアならアーム・レストがある辺り)にも鋼管が通っているため通常型のドアが作れず(作れたとしても小さ過ぎて乗り降りできない)、"やむなく"このような形になったと言われている。日本では石原裕次郎氏が所有していたクルマとして有名だ。

300SLには、当時のF1マシン「W196GP」の直列8気筒エンジンを積んだレース仕様車もあった。その「300SLR」をモチーフに、メルセデス・ベンツが当時F1でパートナーの関係にあったマクラーレンと共同で開発し、2003年に発表したスーパーカーが「メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン」である。
今回300SLと並んで展示されていたのはその最終限定モデル「SLR スターリング・モス」。日本では1億1千万円という価格が付けられ、ブラックとシルバーの2台のみが販売されたことは以前ご紹介した通り(そのうちの1台?)。
ドアは真上ではなく外側斜め前方に開くため、正確にはガルウイングとは言えない。
ちなみにスターリング・モスとは、1955年の公道レース「ミッレ・ミリア」で300SLRに乗り、約1600kmのコースを10時間17分48秒で走って優勝したイギリス人ドライバーの名前だ。

もう1台はメルセデス・ベンツの完全子会社となったAMGによって自社開発された「SLS AMG」。こちらは300SLのイメージを(戦略的に)再現するため、"本物の"ガルウイング・ドアを採用している。ただし直接見比べると、サイド・シルの高さが随分常識的になっていることに気付くだろう。価格も前述の2台に比べればずっと常識的(日本では2430万円)。

今回の企画は「ガルウイング・セレブレーション」と名付けられたものであるにも拘わらず、そのドアがすべて閉じられていたのは残念だ。強い日差しと潮風によるインテリアへのダメージが心配されたせいだろうが、せっかくだから"翼"を開いた姿も見たかったという人は多いのではないだろうか。
最も注目を集めていたのは、ドアを閉じていても十分目を惹くSLR スターリング・モスだった。