画像はモスが所有するものと同型のRS61スパイダー

イギリスの伝説的なレーシング・ドライバーであるスターリング・モスが13日、アメリカのラグナ・セカで開催されていたヒストリック・カー・イベントに参加中、貴重なポルシェをクラッシュさせてしまったと公式サイトが伝えている。このポルシェは1961年製「RS61スパイダー」で、僅か14台が製造されたうちの1台。モス自身が今年3月12日に170万5千ドル(約1億5千万円)で手に入れたばかりであった。幸いなことにモスに怪我はなかったそうだ。

この週末、アメリカ・モントレーでは大きなヒストリック・カーのイベントが連日開催されていた。スターリング・モスがポルシェで参加していたのは、ラグナ・セカ・サーキットで行われていた「モントレー・モータースポーツ・リユニオン」。予選セッションのウォーム・アップ走行中、モスのドライブするポルシェRS61スパイダーは車輪を芝生に乗せてしまいコース・アウト。このときはバリアに追突することなく止まったようだが、運の悪いことに別のクルマが続いてコースを飛び出し、モスのポルシェに激突したという。

スターリング・モスにとって81歳になる今年(2010年)は、不運な事故が続くようだ。3月には自宅のエレベーターが故障して3階から転落、全治6週間の重傷を負って入院した。
ところがモスはその病室から「グッディング&カンパニー」主催のオークションに参加し、1961年製ポルシェ RS61スパイダーを落札したのだった。
このダメージを負ったポルシェはこのままアメリカに残って修復される予定で、2011年には再びクラシック・カーのレース・イベントに戻ってくるという。
なお、トップの画像はモスが所有するものと同型のRS61スパイダー。2007年のオークションで80万ドルで落札された車両だ(モスの落札価格の半値以下!)。

1950年代のF1やスポーツカー・レースで活躍したスターリング・モスは、その才能と速さは誰もが認めるところであったがタイトルに恵まれず、一度もチャンピオンになることなく62年の事故で重傷を負ったことをきっかけに引退。「無冠の帝王」と呼ばれている。
イギリスではスピード違反で捕まると、警官が「自分がスターリング・モスだとでも思ってるのか!?」と言ったりするそうで、そんなテレビCMが作られたこともある(このCMのオチは、そうして捕まったクルマから降りてきた人物が本当にスターリング・モスだったというもの)。
また、「戸口からもの凄いスピードで飛んでくる虫は何だ? 答え:スターリング・モス(MossとMoth=蛾をかけている)」という "なぞなぞ" まであるらしい。


[Sources : stirlingmoss.com]