ル・マン24時間レースで入賞した3台の日本車、お台場にて展示中!
東京・お台場にある「メガウェブ・ヒストリーガレージ」では、8月31日まで「ジャパニーズ ル・マン展」を開催中。ル・マン24時間レースに挑んだ歴代の日本車の中から、見事総合優勝を果たした「マツダ 787B」(1991年)、2位入賞した「トヨタ TS020」(1999年)、3位を記録した「日産 R390GT1」(1998年)の3台が並べて展示されている。

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毎年最も夏至に近い週末に、フランスのサルト・サーキットで開催されるル・マン24時間耐久レースは、F1モナコGPやインディ500と並んで「世界3大レース」に数えられる。
この由緒あるイベントに日本からの挑戦者が現れたのは1973年のこと。トヨタ出身の加藤眞によって設立された愛知県のレーシング・チーム「シグマ・オートモーティブ」が、自社製シャシーにマツダの12A型ロータリー・エンジンを搭載してル・マンに参戦。ドライバーはヨーロッパF2選手権で活躍していた生沢徹と元トヨタのエース・ドライバーで1972年の富士グラン・チャンピオン鮒子田寛、それにフランス人のパトリック・ダル・ボを加えた3名。これが日本車初、日本チーム初、日本人ドライバー初のル・マン挑戦だった(結果は予選14位・決勝リタイア)。

日本車がル・マンで初めて(にして今のところ唯一)優勝したのは1991年。それが今回展示されているマツダ 787Bによるものである。
この年、それまで首位を走っていたメルセデス C11がゴール3時間前にトラブルを抱え急遽ピットイン。その間にマツダはトップに立ち、そのままゴールまで逃げ切った。
FIAのグループC規定に則って製作された車両で、エンジンはもちろんロータリー。排気量2616cc(654cc×4)のR26B型直列4ローターを積む。優勝した55号車は、F1でも活躍した(あまりしなかった人もいるが)3人、ベルトラン・ガショー/ジョニー・ハーバート/フォルカー・バイドラーがドライブした。

1998年、星野一義/鈴木亜久里/影山正彦という日本人ドライバー3人の組み合わせで表彰台の一角を占めた日産 R390GT1は、その名の通りGT1カテゴリーに合わせて製作されたマシン。GTクラスに出場するには、ベースとなるロードカーの生産が義務づけられるため、このR390にもロードカー・バージョンが存在する(1台作られたのみで市販はされなかった)。
シャシーはイギリスの「トム・ウォーキンショー・レーシング」との共同開発によるものと言われている。
エンジンは1990年代に日産のグループCカーで使われていたものをベースとする排気量3496ccのV型8気筒ツイン・ターボ、VRH35Lを搭載する。

トヨタ TS020は、1999年の予選で1位・2位を独占する速さを見せながら、決勝ではトラブルやクラッシュに見舞われ相次ぎ脱落。日本人ドライバー3人が乗る3号車(予選8位)が驚異的な追い上げで2位となった。
レース終盤では片山右京が最速ラップを記録しトップを走るワークスBMWに迫ったが、プライベーターが走らせる数周遅れのBMWが "なぜか" 行く手を阻むような動きを見せ、これに邪魔されるかたちとなる。さらにストレートを走行中に左後輪がバースト、ピットに入り修復するがタイムを失い優勝は叶わなかった。この時のドライバーは片山の他に鈴木利男と土屋圭一。
1998年のデビュー時には日産 R390と同じ「GT1カテゴリー」から参戦したトヨタ TS020だったが、(ロードカーをベースとした)GTカーと呼ぶにはあまりにもレーシング・カー的な成り立ちに他のチームから非難が殺到(GTカテゴリーに突然現れた「赤い怪鳥」と呼ばれた)。翌年にはGT1クラスが消滅し、GTP(プロトタイプ)クラスとして出場した。シャシーはイタリアのコンストラクター「ダラーラ」が製作に関与。日産同様グループC時代のエンジンをベースとした3600ccV型8気筒ツイン・ターボのR36V-Rを搭載する。

以上ご紹介した3台は、年代や車両規定は微妙に異なるが、いずれも本気でル・マンで勝つために、日本の3大ワークス・チームが持てる全てを注ぎ込んで走らせたレーシング・カーである。
次に彼らがル・マンに戻って来るときには、それはハイブリッド・カーか電気自動車になるのだろうか。

「メガウェブ・ヒストリーガレージ」は、お台場のショッピング・モール「ヴィーナスフォート」に隣接する場所にある。入場料は無料で、他にも貴重なヒストリック・カーが多数見られるので、クルマ好きにはお薦めだ(品揃えが充実したミニカー・ショップもあるのでご注意)。
アクセス方法やその他の展示車両についての情報は、以下の公式サイトをご覧いただきたい。

「MEGA WEB ヒストリーガレージ」