【東京コンクール・デレガンス2010】ベスト・レストア賞は「スカイライン・スポーツ」!

「東京コンクール・デレガンス」で、もっとも見事にレストア(復元)されている車両に贈られる「ベスト・レストア賞」は、日本車である1962年型「プリンス・スカイライン・スポーツ・コンヴァーティブル」が受賞した。

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「スカイライン」と言えば、現在では日産を代表する車名の1つだが、もともとは「富士精密工業」から1957年に発売された小型セダン。後に社名が「プリンス自動車工業」と変わり、さらに日産と合併し「プリンス」の名前が消え今に至るまでスカイラインは作り続けられ、現行モデルのV36型はその12代目になる。

今回出展されたプリンス・スカイライン・スポーツ・コンヴァーティブルは、初代スカイラインをベースに、イタリアのジョバンニ・ミケロッティがデザインしたボディを纏って1960年のトリノ・ショーで発表された、我が国初の高級パーソナル・カー。1962年に発売され、当時の価格は195万円だった。今の貨幣価値に換算すれば1200万円くらいだろうか。オープン・トップのコンヴァーティブルの他に、クーペもあった(こちらは若干お求めやすい185万円)。

高価格になった理由の1つには、ハンドメイドによるボディの製作がある。ミケロッティが描いたデザインを製品化するため、プリンス自動車はベテランの板金職人をイタリアに派遣し技術を学ばせた。また、彼らが手作業で叩き出したボディに組み合わされる内装はといえば、本革張りのシートを日本車で初めて標準装備。この高コスト・高価格が祟って販売的には成功を収めることは出来ず、結局スカイライン・スポーツは約60台程度で生産終了。コンヴァーティブルはわずか25台が作られたに過ぎない。

中でも今回出展されたこの車両は、当時プリンス自動車の大株主だったある一族が長らく所有しているというもので、本来はベース車同様にコラム・シフトであったはずのシフト・レバーが、フロア・シフトとなっている極めて珍しい個体(この日は強烈な日差しからインテリアを守るため幌と窓が堅く閉ざされていたので、確認できる写真を撮れなかったことをお詫びしたい)。試作車か、あるいはハンドメイドならではの特別注文による製作だったのか。
エンジンは排気量1862ccの直列4気筒OHVで、当時国産車最強を謳っていた最高出力94psと最大トルク15.6kgmを発生する。最高速度150km/hという数字は同じエンジンを積むスカイライン1900を10km/h上回った。

なおこのクルマのデザインは、「イタリアのジョバンニ・ミケロッティ」によるものと先ほど書いたが(実際そう言われることが多いが)、プリンスのデザイン課長であった井上猛氏がスタイリング、プロデュースなどの面で大きく尽力されていることも付け加えておきたい(当時はミケロッティと井上猛氏の共同デザインと発表されている)。

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