"勝っているうちが辞めどき"とはよく聞く言い回しだが、ジャック・ヴィルヌーブの場合はその好機を逃してしまった感がある。

彼がF1の世界から消えて早4年。96年にF1にデビューし、97年にはF1ワールドチャンピオンに輝いたが、翌年からは泣かず飛ばずの状況が続いている。そして、モータースポーツの世界で頂点を極めたこの北米出身レーサーにも、ついに進退を決める時がやってきたようだ。


ヴィルヌーブはカナダGPの決勝が行われた先週に、記者からの質問に対して「2011年シーズンの参戦が叶わなければF1復帰を諦める」と答えている。奇しくも、レースが行われた「ジル・ヴィルヌーブ・サーキット」は、"伝説のドライバー"と称された実父にちなんで名付けられたサーキットだ。

現在39歳のヴィルヌーブは、今シーズンからの出場を目指していたUSF1ステファンGPの有力なドライバー候補と目されていたが、最終的にはどちらのチームも参戦がかなわなかった。

ヴィルヌーブは2008年のル・マン24時間で2位に終わり、「トリプルクラウン」(F1、インディ500、ルマン24時間制覇) をあと一歩のところで逃して以来、NASCARへの参戦とF1復帰を交互に目指す形で活動を続けてきた。

41歳という年齢で今季から復帰を果たしたミハエル・シューマッハも、かつてのライバルを応援すると言っているらしいが、それだけではヴィルヌーブのF1復帰が叶うとはいえない。とにもかくにも、最後のチャレンジに挑むヴィルヌーブから目が離せない。