「SIS東京スペシャルインポートカーショー」会場の片隅に置かれた、ただならぬ雰囲気の「フィアット500」。大きく張り出した前後フェンダーからは、カリカリにチューニングされた中身が想像できる‥‥と思ったら実際は想像を遙かに超えていた。

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フィアット500といっても現在生産されているそれではなく、1957年から1977年まで作られていたイタリアの国民車のことだ。今回ご紹介するクルマは、一見その2代目フィアット500をベースにしたチューニングカーのように見える。
ところが話を聞いて驚いた。車体はパイプ・フレームで組まれたまったくの別物。エンジンも500cc空冷直列2気筒OHVに代わって、ランチア・テーマの2リッター直列4気筒DOHC 16Vをミドに搭載するという、"モンスター・チンクエチェント" であった。FRP製ボディのあちこちに開けられた通気口は伊達ではなく、リア・フェンダーにはフレッシュ・エアをエンジンに導く大きなダクトが。ミドシップの証である。前14インチ・後15インチのOZ製ホイール「スーパー・ツーリズモ」を履いていた。

このクルマ、その名も「500MAXI」は、イタリアで開催されているオート・スラロームという競技のために作られたものだそうだ。製作したのはエットーレ・サランドレアというイタリアの板金職人(いわゆる "カロッツェリア" )で、本業では顧客の注文に応じてレーシング・カーやラリー用車両を作ったり、クラシック・カーのレストアなども引き受けるという。
500MAXIには、実はフィアット500のパーツはほとんど使われていないという。しかし、それでもちゃんとチンクエチェントに見えるところが、製作者の拘りだろう。イタリアではフィアット公認になっているとか。ボディに描かれた「PICCOLO DIAVOLO」とは「小さな悪魔」という意味。運転したらさぞや強烈な乗り味に違いないと思われるが、その "悪魔性" を隠した愛らしいルックスは会場でもかなりの人気者で、笑顔で写真を撮る人が絶えなかった。

そもそもコンペティション用マシンとして製作されたはずのこのクルマだが、ちゃんと日本のナンバー・プレートを取得していることでさらに驚く。価格は仕様によって異なるが、約500万円から1000万円だそうだ。ほとんど一から車体を造るわけだから、どうしても高価になるのは仕方ない。単なるチューニング・カーとは訳が違うのだ。
詳しい情報は日本の正規代理店「チョチャーロ・コルセ・ジャポネ」のサイトをご覧いただきたい。