「榛名湖ピクニックラン」
参加車両の中でゼッケン1番を付けたクルマ、ということはもっとも年式が旧いMG TFのオーナー、千葉県にお住まいの小川浩氏にお話を聞いてみた。クラシックカー趣味の世界に入門を考えている方々のご参考になれば幸いである。

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英国車らしいグレーのボディ・カラーとバーガンディの内装がお洒落なこのMG TFは、オーナーより1歳年上の1954年製。手に入れられてからもう7、8年になるそうだ。ちなみに購入価格は「秘密」(意外と安かったらしい)。ただし、これまでに「買った値段以上の金額」がかかっているとのこと。
今までに経験した最も大きなトラブルは、あるイベントに参加した帰りに「シャフトが折れた」こと。ローダーを呼んで引き上げてもらったそうだ。
維持していく上で大事なことは「頼りになるメカニックを確保しておくこと」。部品については、例えばエンジンブロックのような "大物" を探そうと思うとけっこう時間がかかるそうだが(それでもないことはない、というのがイギリス車のよいところ)、消耗品については、再生産品もあるので「まったく困らない」とのこと。

次に運転について訊いてみた。何しろ戦前から続く古典的なロードスター・スタイルを持つこのクルマ。動かすだけでも大変そうだが、小川氏によれば意外にも「マニュアルに乗れる人なら誰でも運転できる」そうだ。ノン・シンクロのギアボックスは、ダブル・クラッチを踏まなくても「そおっと操作してやれば」シフト・チェンジは可能とのこと。あとはブレーキが「マスターバックがないので」気をつけなければならないということくらい。最近のクルマしか運転したことがない人でも、このスタイルが好きなら臆することなく手に入れてしまえばドライブを楽しめそうである。

小川氏にとっても、このクルマの最大の魅力は、独立したフェンダー(イギリス流に言えば「ウイング」)を持つクラシックなこのスタイル。また、この頃のイギリス車は、機械として「完璧じゃないところが、クルマらしくていい」そうだ。
新車で欲しいと思うスポーツカーは「全然ない」とのことだが、それではMG TFの他に欲しいクルマは?と訊いてみたところ、MG TFの前のモデル「MG TD」を挙げられた。MG TFよりさらに伝統的な形が遺っているからで、それよりさらに旧いMG TCだと「実用にならない」。だがもし今後MG TDを手に入れるようなことになっても、「MG TFはずっと持つ」つもりだそうである。「手を入れ過ぎると愛着が強くなって手放せなくなる」のだそうだ。

年に数回、こうしたイベントに参加する他は「10kmとか20kmとか、時々転がす程度」に乗っているとのことだが、この日も千葉県成田市のご自宅から群馬県高崎市まで自走で来られていた。

現代のオープンカーに比べるとウエスト・ラインが遙かに低く、開放感があり実に気持ち良さそうだ。ちなみに小さなドアの切り込みは肘を出すためのもの。
その代わり受動安全性に関してはあまり期待できないので、くれぐれも気をつけて "クラシックカー趣味" を楽んでいただきたいものである。


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