「コカ・コーラ オールドナウ・カーフェスティバル」
では特別企画として、漫画『サーキットの狼』に登場する劇中車「ディノ・レーシング・スペシャル」を、実車として再現した車両の一般初公開が行われた。

Related Gallery:Dino Racing Special

1970年代に「週刊少年ジャンプ」で連載された『サーキットの狼』は、作中に実在のスーパーカーが多数登場することから、日本における「スーパーカー・ブーム」を巻き起こすきっかけとなった。作者である池沢さとし(現在は池沢早人師)氏自身の所有車やそれらを通して得た体験を基に描かれており、当時は運転免許を持たない子どもたちにクルマの魅力を教え、夢中にさせた "罪深い (?) " 作品だ。やがてかつての読者が大人になり、免許やクルマを所有できるようになった今、その熱は冷めるどころか実際に運転できるようになったことでますますクルマの魅力に取り憑かれ、スーパーカーを所有するに至ってしまった人も少なくない。
そんな元スーパーカー少年たちにとって、『サーキットの狼』で登場人物がドライブしたクルマは憧れの存在である。それはちょうど60年代に青春を送った世代が、レースで活躍したフェラーリ250GTやシェルビー・コブラに思い焦がれたように、主人公の風吹裕矢が乗ったロータス・ヨーロッパやランチア・ストラトスに対して、彼らは特別な感情を持っているはずだ。
今回披露された「ディノ・レーシング・スペシャル」のオーナーも、その(中でも強い情熱を持ち続けた)1人である。

「ディノ・レーシング・スペシャル」と言ってもそれがどういうクルマか分からない人も多いだろう。また、あるいは逆に、現行型トヨタ・カムリあたりよりもずっと詳細にその姿を思い浮かべることができる人もいる違いない。
それは『サーキットの狼』で主人公の風吹裕矢がドライブした "架空の" レーシングカーである。
作品の中での設定では、実在のスモール・フェラーリ「ディーノ246GT」(作中では「ディノ」と表記)をベースに日本で製作されたということになっている。
主人公のライバルの1人であった沖田という人物が乗り、物語前半のクライマックス「公道グランプリ」で2位に入るも同時に主を失ったディーノに、大改造を施してレース用マシンに仕上げたのが「ディノ・レーシング・スペシャル」だ。
その外観はピニンファリーナが1967年に製作した「ディーノ206コンペティツィオーネ」を基に池沢さとし氏が創作したもの。作品の中に登場するだけで、実際にはフェラーリからもピニンファリーナからもこんなクルマは出ていない。
それが、作品に描かれてから35年後の今、現実の世界に生まれようとしている。今回お披露目されたのは、その製作途中の姿である。
シャシーはパイプで組まれたワン・オフの完全オリジナル。原作のように市販車であるディーノを改造したものではない。今回はじめてその現物を目にしてみると、おそらくディーノよりもだいぶ大きいと思われる。
ボディ・パネルはご覧のようにアルミの叩き出し。原作ではFRPだが、むしろ手間もコストもこちらの方が上だろう。
車両重量はディーノよりずっと軽い800kg程度になる予定で、そこに搭載されるエンジンは原作同様フェラーリ製V型8気筒。これは(原作ではフェラーリ308GTBのものだが)フェラーリ・モンディアルに積まれていたものを使う予定だという。

オーナーの石井博公氏によると、このクルマは中学生の頃からの憧れであり、「たまたま作ってくれるショップに巡り会えたので」今から約4年ほど前に製作を依頼したそうだ。
製作については原作者の(そしてこのクルマのデザイナーでもある)池沢さとし氏と相談しながら進められたとのこと。完成まではあと半年から1年ほどかかる見通しだが、来年の「オールドナウ・カーフェスティバル」では実際にサーキットを走る姿を見せてくれるというから今から楽しみである。

Autoblogでは先日、奇しくも本家「ディーノ」の同様な姿をご紹介したばかり。ぜひ、見比べてご覧いただきたい。


新車購入を考える前に!まずは愛車の現在価格を調べよう!