5台のフェラーリと一緒に「ガレリア・スカーラ」が展示していたのが「フォードGT40」。ル・マン24時間レースで4連勝を記録したこともあるスポーツ・プロトタイプ・レーシングカーだ。

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1960年代、フォード・モーター・カンパニーの会長だったヘンリー・フォード2世は、企業イメージ向上のためにはモータースポーツでの活躍が有効であると考えた。そのために最も手っ取り早い方法として、当時「ル・マン24時間耐久レース」で圧倒的強さを誇っていた(が、経営は楽ではなかった)フェラーリを買収してしまおうと画策する。
結局、交渉は破談に終わり、フェラーリは自国イタリアのフィアットをパートナーに選び現在に至っていることはご存じの通り。
怒ったフォードは、新たにレーシングカーを開発してフェラーリ打倒を決意する。だが、ここでも一から自前で開発するのではなく、イギリスのローラGT Mk6を 買い取り 、これをベースに独自のマシンを仕立て上げるという手段を選んだ。 イギリスにフォード・アドバンスド・ヴィークル社(FAV)を設立し、ローラGT Mk6の設計者でありローラの設立者でもあったエリック・ブロードレイを迎え入れて、フォードの名前を冠した米英合作レーシングスポーツの開発が始まった。

1964年に完成したフォードGTは、そのわずか40インチ(1016mm)という低い車高から「GT40」と呼ばれ、エンジンはフォードがインディカー用に開発した4.2リッターV型8気筒OHVをミドに搭載(後に4.7リッターに換装される)。この年、3台のGT40がル・マンに出走するが全車リタイアを喫する。
翌年、FAVに替わってシェルビー・アメリカンがレース活動を担当。GT40は、エンジンをシェルビーの427と呼ばれる7リッターに変更され「Mk2」へと進化する。
そして1966年。フォードは8台のワークスMk2と5台のプライベーターMk1を投入するという "物量作戦" で、悲願の(そしてアメリカ車初の)ル・マン優勝を達成。しかも1位から3位まで表彰台を独占した。

今回、展示されていたGT40はこのMk2。ただしレースに出場した車両ではなく、当時のル・マン参戦車のスペアパーツを使って1990年に組み上げられたクルマだという。フロント・ウインドスクリーン、ホイール、タイヤ以外の部品はすべて当時の純正品。エンジンもシェルビーの427 "ル・マン・スペック" が搭載されている。SVRA(スポーツカー・ヴィンテージ・レーシング・アソシエーション)のログブックに登録済みで、すぐにでもヒストリックカー・レースに参戦することができるそうだ。ただし、ナンバープレートを取得して一般道を走行することは不可能。
価格は当然のように「応談」とのことだが、レース戦歴のあるGT40に比べれば「半額くらい」という。だがそもそも、GT40の売り物などそうあるものではないし、レースで記録した「戦績」によって値段は大きく違ってくるはず。「半額」と言っても何の半額なのか‥‥と思って「億はします?」と訊いてみたら、「いやぁ、そんなにはしない」とのことだった。数千万円(ただし後半)といったところらしい。

フォードGT40は多数のレプリカが作られており、シャシー・ナンバーにオリジナルからの続き番号を刻印することを許可されたものから、中には「ポンティアック・フィエロ」あたりをベースにしたV6エンジン搭載車など様々。
「ガレリア・スカーラ」のGT40は、それらレプリカとは一線を画した紛れもない "本物" でありながら、価格は本物中最も安い(と思われる)。
「レース戦績はオレが作る!(ヒストリックカー・レースで)」という走り屋系富裕エンスージァストの方には、おすすめだ。


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