日産自動車は、電気自動車「リーフ」の予約注文を4月1日から全国の販売店で受け付けると発表。注目の価格は376万円からとなる。発売は12月の予定だ。


昨年の東京モーターショーで披露されたリーフは、ハイブリッド車と異なり、完全に電気のみで走る電気自動車。全長4,445mm×全幅1,770mm×全高1,550mmと、国産Cセグメント車よりやや大きな車体で5人乗り。80kW/280Nmの交流同期モーターを前に置き前輪を駆動する。我々が馴染んだ単位で表記すれば109ps/28.6kgmとなる。平均的なガソリン・エンジン車に例えるなら、馬力は1.5リッタークラス、トルクは2リッター・ターボ並みといったところだ。最高速度140km/h以上。航続距離はUS LA4モードで160km以上と発表されている。

価格は376万円~だが、経済産業省のクリーンエネルギー自動車等導入促進対策補助金が現在のまま続いて受けられるとするならば、約77万円が補助されるから、実質負担額は299万円~となる。自治体によっては助成金が出るため、さらに安くなるところもある。
"エコノミー" の話を続ければ、リーフは月に1000km走行するして燃料代は6年間で約8万6000円。同クラスのガソリン車なら(レギュラーガソリン148円/リッター、燃費16km/リッターとして)約67万円だから、割高な車両価格の分はその差額で埋められるというのが日産の発表だ。
ただし、このリーフの燃料代は東京電力の夜間電力で充電した場合の金額である。今後街中に設置される急速充電器で充電すれば、支払う料金は当然これとは異なるはず。
クレジットで購入する場合、同クラスのガソリン車を買うときと同等の240万円程度を最初に支払えば、月々の支払いは電気代と合わせて、1ヶ月のガソリン代並み(1万円程度)に収まるという。
もちろん、支払う料金は同等でも、排出するCO2はまったくのゼロ。"エコロジー" の面では、比較にならないメリットがある。

次に価格と同じくらい気になるインフラの面だが、日産は全国約2200の販売店すべてに普通充電設備を、その内約200店舗に急速充電器を設置すると発表。半径40km圏内に急速充電器設置店があれば、ほぼ日本全国をカバーできるとしている。
何だか携帯電話の通話可能エリアを思わせる話だが、同じように「圏外」は存在する。加えて、都市部での40kmと山の向こうの40kmでは、到達するのに必要なエネルギーがまったく違うはず。そういう地域に暮らしている人々は、まだリーフの購入など考えないかも知れないが、普段は都市部で生活している人がリーフで地方に出かける場合は注意が必要だ。JAFを呼んでも充電してもらえるとは思えない。少ないバッテリー残量で真夏の高速道路で渋滞に巻き込まれたら、エアコンを止める覚悟が必要になるかも知れない。

また、電気自動車というと家庭のコンセントで充電できると思っている人もいそうだが、リーフを一般家庭で充電するためには、それなりの設備工事が必要となる。取り次ぎは日産ディーラーが窓口となって受け付けるというが、工事可能なのは戸建て住宅に限られる。集合住宅に住む人は、夜間クルマ(リーフ)を停めておいても、その間に充電しておくことは難しい。

以上のように、現在では使う人に少なからず負担を強いる電気自動車である。その見返りに人が今すぐ享受できるものは、ほとんどないと言っていいだろう。得られるものは決して小さくないはずだが、生きているうちに個人が実感できるとは限らない。
世界で初めて量産を前提とした電気自動車を作り上げ、発売に漕ぎ着けた日産には拍手を送りたい。だが本当に賞賛されるべきは、リーフのオーナーになる人たちである。


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