こちらはプリウス G Sports Concept。
FT-86と違ってすでに街中に溢れているハイブリッドカーがベースだが、見慣れたはずのプリウスが新鮮なイメージを纏うことに成功している。
「優れた環境性能と走る楽しさを高次元でバランス」させたそうだ。

プリウスがモータースポーツに参戦するとしたら、それはパワーを絞り出してタイムを削る種類のものではなく、昔ル・マン24時間レースにあった「性能指数賞(エンジンの排気量と走行距離によって計算され、最も効率の良いクルマに与えられる)」のようなものを競うことになるのだろう。リアタイヤを覆うスパッツは、アルピーヌやパナールのような往年の小排気量ル・マン・レーサーを思わせる。

それもそのはず、エクステリアは「MOONCRAFT YURA STYLE」。レーシングカー・デザイナーで「空気が見える男」と言われた由良拓也氏なら、その辺りのことは誰よりもご存知のはず。「過去のモータースポーツ」の引用が、ハイブリッド車にも有効だったとは。

カーボンを使ったエアロパーツの外装だけでなく、30mmダウンのスポーツ・サスペンション、ヤマハ製パフォーマンスダンパー等を装備し、ブレーキも強化されている。補強されたボディには床下空力パーツも追加されているようだ。
内装はブラックを基調に赤いアクセントが随所に散りばめられたものになっている。こちらは残念ながら在り来たりの「スポーティ」という気がしなくもない。カラーリングに関しては、今回のG sports車は全て共通のトーンに揃えられているためだが、プリウスとFT-86では似合うカラーは異なるはずだ。
ボディサイズはエアロパーツの追加で全長110mm、全幅40mm大きくなっている。車両重量はカーボンパーツによる軽量化と新たに付け加えられたパーツで相殺されるためかあまり変わらない(1360kg。ベース車は装備によってやや異なる)。ドライブ・トレーンはノーマルのままだ。

G'sシリーズはコンプリートカーとして全国のトヨタ販売店で発売されるという。すでにプリウスを持っている人が、この「空力スペシャル」な外装パーツを後付けすることは考えられていないそうだ。その理由として、パーツを後付け(交換)することにより元々着いていたオリジナルのパーツが無駄になることを避けるためらしい。
ハイブリッドカーによる新しいモータースポーツの提案というメッセージは、なるほど伝わって来る。だが現在ではその「性能指数」を競うメジャーなレースが存在しないことも事実。トヨタ自らがスポーツをテーマに開発するのがG Sportsなら、モータースポーツの新ジャンルさえ作り上げようとするほど本気なのかどうか。
プリウスG Sportsの価値はそれで決まる。

Related Gallery:prius g sports concept