フィアット グループ オートモビルズ ジャパンは5日、正規販売店の呼称に従来からの「アルファ ロメオ」に加えて、「フィアット」の呼称も用いると発表した。

今まで、同社の正規販売店ではアルファ ロメオとフィアットの両方を扱っているにも関わらず、店舗の名前は「アルファ ロメオ○○」(○○は地名)となっており、ショールームの外観にもAlfa Romeoのブランド名を掲げていた。これは日本ではフィアットよりもアルファ ロメオの方が販売台数も多く、ブランド認知度も高かったからである。

ところが2008年、フィアットのスモールカー「500」が導入されると、フィアットに関する問い合わせが増え、販売台数も増加。フィアット取扱店としての存在をアピールするためと、フィアット・オーナーの満足度を向上させる必要性から今回の変更となった。
これにより、従来の販売店は「アルファ ロメオ」の呼称と店舗サインを残したままフィアットのそれらを追加、1つの店舗が「アルファ ロメオ○○」と「フィアット○○」を名乗り、販売活動もそれぞれの名称を用いて行うようになるという。

実際に販売店の関係者に話を聞いてみたところ、「500効果」は目覚ましいものがあり、フィアットの売れ行きは好調であるという。数字で見ても、我が国におけるフィアットの販売台数は、2007年度の1693台から2008年度には3847台と2倍以上に増えている。これはフィアット500が2008年3月に導入されたことが原因であることに疑う余地はない。
しかしこの増加分は全てが「500」というわけではないらしい。
フィアット500というクルマは、その愛らしい外観や小さな車体に似合わず価格は決して安くはない。最も安価な1.2 POPの195万円から1.4 SPORTの243万円までと、同クラスの国産車より50万~100万円も高い。
というわけで、フィアット500に興味を持って販売店に足を運んだ人たちが、いざ実物を目にすると価格と大きさのギャップにたじろぎ、そんな時ふと横に展示されているフィアット・グランデ プントやフィアット・パンダを見て「この値段で買えるならこれも結構いいかも」と思い始め成約に到るというケースがけっこう見られるそうだ。これが「500効果」である。

それに対しアルファ ロメオの販売は楽ではないらしい。2007年度に3559台も売れていたアルファだが2008年度には1972台。フィアットとちょうど逆転したわけだ。
むべなるかな、かつて人気を博した147はモデル末期で在庫限り状態。最新モデルのMiToはMTのみの設定でしかも3ドアだから買う人を選ぶ。159は400~500万円超と主力車種となるには価格帯がやや上過ぎ、ブレラとスパイダーは特殊なクルマだから数は出ない。「売る物がない」(販売店関係者)のが現状だという。多くの人が手を出しやすい「300万円台でATで乗れるクルマ」がほとんどないのだ。

今はジュリエッタとMiToの2ペダルを待つしかないわけだが、いずれもまだ正式発表さえされていないモデルである。
今年はフィアット頼みにならざるを得ないのだ。