F1ベルギーGPが開催されるスパ=フランコルシャン・サーキットに、2011年3月までの新たな営業免許が認められた。
スパ=フランコルシャン・サーキットは、有名なオー・ルージュをはじめとする難易度の高い高速コーナーが多く、チャレンジングなコースとしてドライバーの間でも人気が高い。しかし、2007年に地元住民が騒音に対する苦情を申し立てたことを受けて、国家評議会は2026年までサーキットの営業免許停止を命じていた。
ところが騒音被害の訴えは地元住民の総意に基づいたものではなく、「トラック(サーキット)の近くに住む住民の団体」がインターネットのサイト上でレース開催とサーキットを守るための嘆願書に署名を集める活動を行っていたのだ。「トラック(サーキット)の近くに住む住民の団体」は今年の10月19日に署名の募集を開始して現在までに約3万6千人の署名を集めることに成功。



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スパ=フランコルシャン・サーキットは、ベルギーの南東部ワロン地域にあり、近隣のドイツ、フランスはもちろん海を渡ってイギリスからも各国のドライバーを応援するファンが大勢集まって来る。地元住民にとっては、騒音だけでなく経済効果も生活に大きな影響を持つとされている。署名を募っている人々も経済損失を危惧しており、今月になってワロン地域政府のフィリップ・アンリ大臣から新たな営業免許が交付されたのも、地元経済の損益を考慮した上でのことと見られている。(ワロン地域の失業率はベルギー内でも高く、経済損失を少しでも避けたい思惑があると考えられる。)
ただし、経済効果の前では騒音の問題は無視していいと決まったわけではなく、今回の免許交付には、夏のシーズン中、少なくとも2週末はサーキットでレースを開催しないという付帯条項が存在している。また、独立した機関による騒音調査が行われる予定であり、その検査結果如何によって2011年3月以降(つまり再来年以降のF1開催を含む)の営業認可が下りるかどうかが決定される。 しかもスパ=フランコルシャンが抱える問題はそれだけでは終わらない。
ベルガ通信社によると、今年のベルギーGPは決勝日でさえ5万人強の観客しかサーキットを訪れず、500万ユーロ以上(約6億5千万円以上)の損失を計上している。

現在では、コース改修によってクローズドコースとなったスパ=フランコルシャンだが、以前は一部区間に公道を使用しており、コース走行が始まる前日までは、無料でピット付近まで一般人が見に行くことが可能であった。(ピット付近までは公道部分なので料金の徴収が不可ゆえ)
騒音だけでなく来年度のサーキットの収益改善も再来年以降のレース開催に影響する可能性も否定できない状況だ。


画像は1992年にミハエル・シューマッハが初優勝した年のもの。隣国のドイツから応援団が大挙して押し寄せ、さらにナイジェル・マンセルのファンと見られる群勢がイギリスからバスで繰り出していた。シューマッハの出身地であるドイツのケルペンが近く、彼の地元グランプリの様相を呈して盛り上がった時期もあったものの、シューマッハが引退し観客の数も次第に減少すると地元住民にとってレースは単なる騒音でしかなくなったとしてもおかしくないのかもしれない。