REPORT: Nissan ready to say

経営状態が激しく悪化している企業の中には、大きな対策を取らなかったり、原因を調査し金策に走っているうちにさらに状況が悪化したりする企業もある。

しかし、日産は違った。最高経営責任者のカルロス・ゴーン氏は、2009年3月期の決算で2337億円の赤字を計上した後、取締役のコリン・ドッジ氏を財政回復対策本部の責任者に抜擢。その後たった数カ月で財政面を立て直し、対策本部は現在、解散に向け、準備を進めているというのだ。ドッジ氏は「これ以上、経営が傾くことはない」と話している。

では、具体的にどんな対策を取ったのだろうか? 新車の開発を凍結したり、生産ラインを中国やタイに移したり、仕入れをストップしたりすることは、どのメーカーでも思いつくだろう。だが日産のすごいところは、それをわずか半年という時間で実行してしまったことだ。 ドッジ氏は「業界は業績対策について慎重に考えすぎる傾向があるが、慎重に考えるべきではない」と語っている。

このような短期間での日産の経営改善はすばらしい。だが、「棚上げされた新車の開発計画は今後にどう影響するのか」、「新たに手を結んだサプライヤーは信用できるのか」など疑問や不安がないこともない。

とはいえ、日産が経営危機に陥ったのは初めてではないし、これまでもうまく切り抜けてきたのだから、今回もおそらく心配はないのだろう。ドッジ氏の功績がはっきりと形になるまでには、もう少し時間がかかるのかもしれない。