株式会社 鈴商が開発中の「スパッセ-V(仮称)」の実車が初公開となりました。事前に公表していた2Dレンダリング画像の影響で海外でも話題となっていたマシンです。

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車体は全長3873mm、全幅1953mm、全高1160mmのショート&ワイドかつローハイトのボディスタイル。構造はアルミ製ツインチューブ・モノ コックとスチール製チューブ・サブフレームを組み合わせたシャシーに、FRP製ボディパネルを採用。エンジンはマツダスピード・アクセラに搭載されている 2.3リッター直列4気筒のターボエンジン。トランスミッションは6速、車重は約850kgとなっています。 似たような車種のロータスエリーゼやヴィーマック RD200などが採用するスペースフレームではなく、モノコックを採用しているが特徴的。
車重は、マツダスピード・アクセラより600kgも軽いので加速は期待できそうです。

鈴商の鈴木敏夫社長は元F3レーサーという経歴をお持ちの方。 余談ですが鈴木亜久里氏、鈴木利男氏と共に「鈴木トリオ」として同じエントリーリストに名前が載ったこともあります。
以下、Autoblog Japanによるインタビュー。率直すぎるんじゃ・・というほど率直に答えていただけました。

販売予定価格は?
「800万円くらいかな。もう予約は何件かいただいています。」

自動車メーカーとして、日本で生産して販売するわけですか?
「そうです。よくキットカーと一緒にされるんだけどね。キットカーではないです。」

エンジンルームを見せてくれませんか?
「いやぁ、今はまだ汚くてとてもお見せできるもんじゃない(笑)」

内装もまだこれからカーペットとか張るわけですね?
「いや、最近ペダルに引っかかる事故が起きて問題になったりするでしょ。 だからこのままで出そうかと。エリーゼさん(鈴木社長はロータス・エリーゼをこう呼ぶ)だって(フロア)むき出しのままでしょ。」

ついでに「エリーゼさんよりは速いですよ」とおっしゃられた後、ニヤッと笑って「だいぶ控えめに言いましたが」とのこと。

このドアノブはマツダ(ユーノス)ロードスターの物ですね?
「よく分かったねぇ」また笑って「こんなもんまでは、いちいち作ってられないよ。」

とのことでした。



スパッセ-Vはプロダクトとしてはまだまだ未完成なものの、スポーツカーとしての資質に関わる妥協のない設計にいち職人としての自信が垣間見えます。
会社自体は息子さんが三次元CADを駆使してオリジナルの部品を設計し、社長自らテストドライブすることで作り込んでゆくという家族経営の模様。 個性的なデザインのクーペボディは、我が国におけるレーシングカー・デザイナーの草分け的存在、三村健司氏によるもの。三村健司氏はヴィーマックの小野昌朗氏と一緒にマキF1を製作し、その後に童夢-零やマツダのCカーを手がけた人物。シャシーの設計段階からエンジンを前傾に設置することでリアのディフューザーを実現するなど、空力的に非常に優れたデザインとなっていますが、実際のところは「三村さんが我がままだから(鈴木社長談)」だそうです。このままの状態だとエンジンフードがインタークーラーと干渉してしまうことや、フェンダーと一体化しているフロントカウルがまともに開くように作られていないので整備が大変など、販売に至るまでにはまだ解決すべきことは多そうです。

Autoblog USからは『タイヤでかいしやっぱりキットカーぽさは否めないね。内装はロータスのエリーゼっぽい。まあRossionQ1ほど洗練されるのはまだ先のことだろう』との意見でしたが、
すでに予約しているオーナー予備軍は、作り手の顔を見て直接物が言えることで、他大手メーカーであれば困難な「顧客と一緒になってクルマを作り上げるような喜びと興奮」を味わえる醍醐味をご存知なのやも知れません。

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