最初に断っておきたいのは、決してタイム誌が車オンチなわけではないということ。同誌が過去に掲載した「史上最悪の車50」は、実にいい出来栄えだった。しかし、このほど発表された「米タイム誌が選ぶ2010年最もエキサイティングな車トップ10」は目も当てられない。ワーストカーのランキングと間違えたかと思ったほどだ。いくら車が専門ではないといっても、ここまで的外れだと、タイム誌は車ネタを封印すべしと言いたくなる。この「米タイム誌が選ぶ2010年度の最もエキサイティングな車トップ10」がどれくらいひどいかと言うと、例えば、フォルクスワーゲンの「ゴルフ」がランクインしているのだ。いい車だが、断じてエキサイティングではない。それもGTIではなく、わざわざ"普通"のゴルフを選んでいる。
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とはいえ、中には正当に評価していると思える車もある。日産「370Z」(日本名フェアレディZ)、キャデラック「CTSワゴン」、フォード「SHO」やヒュンダイ「ジェネシスクーペ」などは全てエキサイティングな車と言えるだろう。最上位にランクインした起亜「ソウル」だってカッコいい車だ。四角い車が好きならキューブがあるだろうと言いたくなるが、日産車はすでにランクインしているから外したのかもしれない。たしかに起亜ソウルは悪くない。だが、最もエキサイティングと呼べるかと聞かれたら、答えはノーだ。

目を剥いたのはそのほかの車だ。メルセデス「Eクラス」、ジープ「グランドチェロキー」にスズキ「キザシ」(日本未発売)の名がある。タイム誌は「エキサイティング」という言葉をどう定義しているのか。メルセデスベンツには悪いが、Eクラスは明らかに年配者向けの車だ。チェロキーは話にならないし、キザシに至ってはソナタのライバル車ではないか。いい車かもしれないが、セダンや四輪駆動、ファミリーカーの類いは、元来エキサイティングにはなりえないジャンルなのだ。

しかし、何よりもショッキングな噴飯もののエントリーは、トヨタの「ヴェンザ」(日本未発売)だろう。そう、あのカムリのミニバンが、「タイム誌が選んだ2010年最もエキサイティングな車10」の一つだそうだ。アウディR8 V10やランボルギーニガヤルドLP550-2バレンティーノ・バルボーニでもない。コルベットGS、アストンマーティンOne-77でもなければ、シボレーカマロSSでもなく、その他、あまたの美しい車すべてを差し置いて、タイムが選んだのはヴェンザだそうだ。