バイオエタノールの支持者は多いが、原料にトウモロコシを使用することには、何かと解決しなければならない問題が多く含まれている。特に、大量のエタノールを製造するためには大量のトウモロコシと水が必要なことが問題だ(当然問題はそれだけではないが)。その問題を部分的に解決する可能性のある新しい原料が現れた。それがスイカだ。

ディスカバリーチャンネルのアメリカのサイトにある「Discovery News」によれば、アメリカでは毎年、熟したスイカの20%から40%が出荷されずに畑に放置されているという。その量はなんと毎年、約36万トンにもなるそうだ。消費者は形の悪いもの、小さいもの、ちょっとでも虫食いのあるものを買いたがらないというのが理由らしい。そんなスイカからエタノールが製造できることをアメリカ農務省の研究員がつきとめた。

今年のアメリカでのエタノールの生産量は約340億リットルと予想されている。破棄されるスイカから製造できるバイオエタノールは約950万リットルと考えられるが、農務省は、スイカを使用することにより、トウモロコシなど他の原料の使用を最大で15%減らすことができ、さらに水の量や、エタノール製造時に必要となる窒素の量も減らせると報告している。

テキサスのある会社ではすでに、廃棄されたスイカからエタノールを作る工場を試験的に稼働させているらしい。最後に、この会社の社長の言葉をご紹介しよう。

「スイカはトウモロコシに取って代わるほど、大々的なエタノールの原料にはなり得ない。せいぜいバイオ燃料の原料のひとつとなるくらいだろう。しかし、藻を原料とするバイオディーゼル燃料や植物のセルロースから製造するエタノールに比べれば、すぐにでも実用可能だと思う。バイオ燃料を効率よく製造する技術はなかなか出てこないね。」