残念な知らせが舞い込んできた。オハイオ州クリーブランドにあるWestern Reserve Historical Society(ウエスタン・リザーブ歴史協会)は、協会が運営する自動車博物館「クロフォード・ミュージアム」に所有する175台のカー・コレクションのうちの17台を、負債返済のために売却すると発表した。売却される車の中には、海を思わせるブルーのボディカラーが美しい、1956年型「メルセデスベンツ300SLガルウィング」や、330psを誇るオッフェンハウザー社製 4.4リッターDOHC V8エンジン搭載の、1930年型「Belangerインディアナポリス・レーサー(エンジンは1949年に交換された)」、そして恐らくこの世に1台しか存在しないといわれる1930年型「ブガッティ・タイプ44 Phaeton Open Tourer」などが含まれている。

さらに驚くことに、同協会が、資金繰りのためにクロフォード・ミュージアムの秘蔵コレクションを手放すのは、これが初めてではないという。2000年以降、協会は資金繰りに困ると貴重なコレクションから車を売ってしのぐということを繰り返していたのだ。数カ月前にも20台を売却したばかりとのこと。展示品がなくなると、来場者を呼び込むのも至難の業。こうしたやり方では、博物館の存続は危ぶまれる。 クロフォード・ミュージアムでボランティアとして働く男性はこう話す。「どうしようもない状態ですよ。せっかく寄贈してもらった車を売り続けたら、この先どうなると思います? 寄贈される車も減り、収益も減ります。そうなったらまた車を売る。まさに悪循環です」。言うまでもなく、こうした歴史的価値ある車がいったん博物館を離れてしまえば、その後、車の運命がどうなるか分からない。二度とその姿を見ることができないかもしれないのだ。