まずは、フル装備されたあの2010年型のNISSAN GT-Rで考えてみたい。シフトチェンジの速さ、乗り心地の良さといった様々な"走りのための"機能を車載コンピューターが自在にコントロールしてくれる車だ。コンピューターは定期的にトラクションをモニターし、1秒間に何千回ものサスペンション調節までしてくれる。

そんなGT-Rは最高にぜいたくな1台だと思うのだが、イギリスの自動車雑誌『オートカー』によると、スペインの自動車メーカー IFR Automotiveは、GT-R程度の電子機能では、満足していないらしい。2008年のロンドンモーターショーでデビューしたIFRの超軽量クーペAspidを覚えているだろうか。このエイリアンのような顔をしたスーパーセブン似の車は、0-100kmを2.8秒で加速できるだけでなく、電子デバイスが満載されている。そして、このデバイスによって、ショックアブソーバーやスロットルレスポンス、ステアリングなどかなりの部分までコンピューターがコントロールしている。さらにはiPodのようなタッチスクリーンまで装備されているというから、GT-Rをもしのぐ(?)何とも素晴らしい車だ。

しかも話はこれで終わりではない。IFRのシステムは、軽いステアリング感覚が欲しい時、パワーとしっかりとした足回りが欲しい時といった、様々な状況に合わせて、車の機能を切り替えられる。ゆっくり家に帰るだけなら、ローパワーにし、気楽に運転することもできるわけだ。これではせっかくの機能を無駄にしているような気分だが、慣れれば便利だろう。さらに、GPSを使って進行方向の先にあるカーブを読み、カーブの状態に合ったベストな足回りを瞬時にセットすることも可能だという。そしてドライバーが、どこの道をどのくらいのスピードで走りたいかを車に指示すれば、そのとおりに調節してくれる機能まであるというのだ。IFRによると、多くの企業がAspidの高性能な最新システムに興味を持っているとのこと。さて、この至極のハイテク技術は業界を凌駕するのだろうか、それとも一笑にふされるのだろうか。今後の成り行きに注目だ。