もし、フォルクスワーゲンがポルシェを買収するという噂が本当であるなら、ポルシェに残された道はたったの2つ。経営権を巡る激しい攻防戦と、ポルシェのCEOヴェンデリン・ヴィーデキング氏が、約134億円という退職金を警備輸送会社のトラックに積み込んで、会社を去ることだけだ。ドイツの新聞『Bild am Sonntag』は、「この買収の一件に、もはや疑いの余地はなく、あとはヴェンデリン・ヴィーデキング氏がどうやって身を引くかだ。来週あたり、彼は自分のデスクを片付けていることだろう」と述べている。

ヴィーデキング氏はトップの地位についた16年間で、911以外のいくつもの人気モデルを生み出し、ポルシェを大きく成長させた立役者だ。しかし、ポルシェを崖っぷちまで追い込んでから去ろうとする今、退職金の約134億円が大きな金額に聞こえてしまうのも無理はない。

しかし、もしこの記事が信頼できるものだとすると、2007年度のヴィーデキング氏の収入は約80億円であることから、この退職金は彼にとって常軌を逸した金額ではないといえるだろう。いずれにせよ、ヴィーデキング氏が受け取る退職金はかなりの額になるだろうが、それがいくらになろうとも、彼がポルシェを去ることは確実だ。今回の買収について、ポルシェの労組幹部Uwe Hueck氏は、「フォルクスワーゲンは、決してポルシェの従業員の魂まで買収することはできない」と語ったが、彼らの時間やブランド、そのテクノロジーはそうもいかないだろう。