クライスラーのパシフィカは、4年間販売されたが、経営不振の影響からか、ラインナップからあっさりと切り捨てられてしまった。フォードのフリースタイルは、モデルイヤーという名前で3年間売り出された後、トーラスXと名前を変えたが、販売はたったの2年間。キャデラック SRXは、6年間トールワゴンとしてセールスされたが、新AWDシステムを搭載した高級SUVになってしまった。そして、メルセデス・ベンツのRクラスは、スライディング式ドアのない高級ミニバンとして、2006年に米で発売されたが、売れ行きはあまりパッとしていない。

前述の車のように、世の中にはトールワゴンだとか、ハッチバックだとか、実用的だとうたわれる車がたくさん売りに出されているが、たいしたセールスは記録していない。しかし、何故かこの分野への挑戦はさらに続いているようだ。そんなトールワゴンのシリーズの中で、最新のニュースといったら、この秋、米国市場へ投入される予定のホンダのアコードクロスツアーだろう。スペックなどはまだ公表されていないが、スパイショットを見る限り、スタンダードのアコードより背が高く、ハッチバックのようなトランクスペースが設けられ、エアロパーツを搭載したワゴンもしくは、ツーリング・カーのようなスタイルだ。ホンダが、クロスツアーのような車を発表するのは問題ないし、アコードに関連付けた車名もいいと思う。ただ、顧客はトールワゴンの分野においては、なかなかうるさく、一筋縄ではいかないのだ。

そんななか、最近成功した例を挙げるとしたらなんだろう?我々が思うに、トヨタのヴェンザ(日本未発売)がいい成功例ではないだろうか。洗練されたスタイルで装備も充実しているのに、手ごろな価格設定が受け、これまでのところ約2万台を売上げているようだ。トヨタは、年間5万台のセールスを目標にしているが、トヨタ(米)のジェネラルマネージャーであるBob Zeinstra氏が自動車業界紙「オートモーティブ・ニュース」に語ったところによると、ヴェンザは今、各ディーラーで順調な売れ行きを見せ、その勢いを増している。しかし、この手の車の販売については、経済が危険な状態にあることを十分視野に入れることが必要だと提言している。

一例を挙げよう。BMWのX6は恐らくこの分野の代表的な存在であり、なかなか好調な売れ行きを示しているのだが、主流モデルのX5などと比べたらその売り上げは比べるまでもない。

もしホンダ クロスツアーが、過去に登場したフリースタイルや、パシフィカ、SRXの二の舞にならずに、成功を収めることが出来るなら、この分野の車を販売する道は残されているのだろう。しかし、もしセールスが不調に終わるなら、この手の新型車の投入は諦めた方がいいのではないだろうか。なにしろ、成功例が少なすぎる。