F1最高権威者バーニー・エクレストンが、先日の問題発言に続き、「世界を直撃している金融危機はユダヤ人投資家のせいだ」という主旨の発言をし、物議をかもしている。先日、エクレストンは、一連のF1の騒動を収めるためにはヒトラーのような強い統率者が必要だという"ヒトラー擁護"ともとれる発言をしたばかり。今回の発言は、それについての謝罪をした直後だったこともあり、騒動が再燃することとなってしまった。

今回の問題発言は、世界的なユダヤ人組織である"世界ユダヤ人会議"から出たエクレストンに対する辞任要求に反論したもの。エクレストンは「ユダヤ人投資家は世界的に影響力を持つ存在であるにもかかわらず、世界各地で危機に陥った銀行に手を貸さなかったのは残念なことである」と発言した。また、エクレストンは、盟友であるFIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー会長について、様々なメディアが、戦時中、英国ファシストであったリーダーの息子である上に、ナチス風に装い特殊なパーティーに出席したと伝えられているにもかかわらず、彼なら指導力のあるいいリーダーになるということを示唆する発言までしている。

今回の問題発言は、世界ユダヤ人会議からの厳しい批判を受けたにとどまらず、ドイツとの関係にも問題が波及したようだ。メディアが伝えるところによると、今週末、ニュルブルクリンクで開催されるF1第9戦ドイツGPの数日前という時期のエクレストンの問題発言に、ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州は驚がくし、即刻、エクレストンとの会談の予定をキャンセルしたということだ。会談では、F1のホッケンハイム開催の継続について話し合われる予定となっていた。また、エクレストン一連の発言を受け、マクラーレン・メルセデス、BMWザウバー、そしてケルンにF1の本拠を置くトヨタら、ドイツにゆかりのある各チームは、F1制度自体の問題が解決したとしても、エクレストンがFIAの実権を握ることには強い反発を示すのではないかと指摘する者もいる。どちらにしろ、フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)のFIAからの分裂騒動はまだまだ再燃しそうな気配であり、今後の行方は、エクレストンの出方次第で決まりそうだ。我々も彼の動向に注目しよう。