誰もが知る巨大組織の宿命か、F1の一連の騒動は世間の注目度が高く、我々も目が離せない。しかし、これだけ大きな騒動に発展してしまったのは、トップのリーダーシップに問題があるのかもしれない。その問題のトップ、バーニー・エクレストン氏の"リーダーシップ"について発言の内容が現在、問題になっている。

先週末に掲載されたイギリス紙『タイムズ』のインタビューで、エクレストン氏はマーガレット・サッチャー元英首相やFIA会長のマックス・モズレー氏などを取り上げ、彼らのような強いリーダーシップを持った指導者が好ましいと語った。さて、これだけなら何も問題なかったのだが、この後ヒトラーを登場させたのがいけなかった。エクレストン氏は"ヒトラーは多くの人に命令し、すべきことをさせた実行力のある指導者"だとか"最後には失墜したから、それほど優れた独裁者ではなかった"などと発言してしまったのだ。

エクレストン氏は過去にも、女性に対して"白い服を着て家電製品と一緒にキッチンにいるべき"などと差別的な発言が問題になっている。今回のインタビューでは、"あの時の発言はジョークだった"といなしつつも、"優れた女性ドライバーをぜひ加えたいと思っている。黒人やユダヤ人であれば、なおいい。でも、彼女たちは産休を取るかもしれないね"などと付け加えた。

ユダヤ人団体や政治家たちはエクレストン氏の発言に激怒し、彼を"大バカ者"だとか"道徳的嫌悪を感じる"となじり、エクレストン氏には判断力が完全に欠如していると非難した。

『タイムズ』の後に掲載されたドイツ紙『ビルド』のインタビューで、御年78歳のエクレストン氏は、今回の騒動を引き起こしてしまったのは、自分の発言が"大きく誤解"されたから、と言い切った。そして、"特定の人種や女性の気持ちを傷つけるつもりはさらさらなかった。私の親しい友人の中には、ユダヤ人もたくさんいるからね"と弁解している。